神奈川のおきて【その9】鎌倉
拙ブログ、神奈川のおきて【その3】湘南で、鎌倉が「湘南」の出自の地であることをお伝えした。 国内文献における「湘南」の初出は平安中期に作られた辞書の『倭名類聚抄』(わみょうるいじゅしょう)で、かつて中国に存在した長沙国湘南県であること。...
View Article夢について
古代や中世では、夢は人間の外からやってくるもので、神仏が送ってくるメッセージだと考えられていたそうだ。 それが江戸時代も後期になると、夢は人間の身中から発するものだという見方が一般的になる。 これはわが国の夢に対する認識の変遷を考えるうえで、とても大きな変化なのだという。(酒井紀美の夢想の歴史学)夢を商う 良い夢、値段次第「邯鄲の枕」邯鄲の枕(かんたんのまくら)...
View Article夢について【後編】
夢は、寝ているときに見る夢と、将来実現させたいと心の中に思い描いている願いの意味があり、いずれも英語で「Dream」という。 また、夢に似た意識状態が覚醒時に現れるものは日本語で「白日夢」(はくじつむ、白昼夢ともいう)、英語では「Daydream」という。 例えば、「貴方は夢を見ますか」と聞かれたとき、何と答えるだろうか。...
View Article時の曲【その1】「○時○分」と時間が指定された曲
来る6月10日は時の記念日である。 日本書記に、斉明天皇6年(660年)中大兄皇子(後の天智天皇、写真)が初めて漏刻(水時計)を作って時を告げ、天智天皇10年(671年)4月25日(現行暦の6月10日)に漏刻を新天文台に据え、鐘や鼓で時を知らせた、と書かれているのに因んだものである。 天智天皇を祀る大津の近江神宮では、毎年6月10日の時の記念日に漏刻祭が行われているそうだ。...
View Article時の曲【その2】「真夜中」の曲
前作、時の曲【その1】「○時○分」と時間が指定された曲では、夜の曲が多かった。 歌は夜作られ、夜歌うことが多いのだろうか。 ところで夜は、日の入り(日没)から日の出までの時間のことで、太陽が地平線や水平線の下にある時間帯のことである。宵(よい)ともいう。ちなみに日の出から次の日没までの間の時間は昼という。 夜の時間帯はいろいろな表現の仕方があり、次表にまとめてみた。...
View Article時の曲【その3】「日没から日の出」までの曲
元々人類は日の出とともに目覚め、働き始め、日暮れには労働を終えて、夜は眠る生活をしていた。 近代の工業化は、こうした自然の周期に従った暮らし方のサイクルを変えてしまった。最後に残された領域は農業ぐらいかもしれない。 『24/7...
View Article時の曲【その4】「一日(朝・昼・夜)」の歌
「『朝・昼・晩(夜)』のどれが好きですか?」と聞かれたら、どう答えるだろうか。 少し考えてしまうが、自分の場合は「晩(夜)」だろうか。 仕事が終わって、どこかで軽く一杯というのが至福のひとときだ。もちろんそれは夜である。 ○先週の月曜日は給与が入ったので久しぶりに行きつけのスナックへ。すぐ帰るつもりが、お客が一人も来ないので、2時間余り話しこんでしまった。...
View Article方言の歌
方言について、「万葉集」に東歌・防人歌があるように、奈良時代からその存在は意識されていたそうだ。 平安時代には、京都の人間が地方出身者の方言を見下す説話が見られ、鎌倉時代には、関東にいる日蓮が、京都で修行中の弟子に手紙を送り、「京訛り」に染まらず堂々と「田舎言葉」を使うよう戒めているという。...
View Articleあいさつの歌【邦楽編その1】
日本語の「挨拶(あいさつ)」は、元々禅宗の用語だったそうだ。 修行者が互いの修行の成果を質問し合う事によって悟りや知識見識等の深さ浅さを、確認する行為で、そこから民間へと広まり、人と会った時にとりかわす儀礼的な動作や言葉・応対などを言うようになったという。...
View Articleあいさつの歌【邦楽編その2】
拙ブログ、方言の歌で日本の方言の歌の特集を行ったついでに、前作あいさつの歌【邦楽編】で紹介した、「おはよう」、「こんにちは」、「こんばんは」、「おやすみ」の方言をまとめてみた。 あいさつの言葉はその他幾つもあるが、今回は「ありがとう」と「さようなら」を。 これも方言をまとめると下表になる。...
View Articleあいさつの歌【洋楽編その1 英語のあいさつの歌】
外国語のあいさつの言葉を調べてみた。おはよう、こんにちは、おやすみ、さようなら、ありがとう。 英語のあいさつ用語を知らない人はいないだろうが、フランス語のボンジュー(ル)など、他の国の言葉も聞いたことがある人は多いことだろう。 今回は「あいさつの歌・洋楽編」の第1弾だが、英語のあいさつの歌の特集をしたい。 おはよう(Good Morning) こんばんは(Good Night) Bee...
View Articleあいさつの歌【洋楽編その2 英語以外のあいさつの歌】
前作、あいさつの歌【洋楽編その1 英語のあいさつの歌】に続き、英語以外の「あいさつの歌」を。 まずはフランス語から。 こんにちは(ボンジュール) 映画パリの恋人(Funny Face)より「Bonjour, Paris」(1957年) 「パリの恋人」(Funny Face)は、1957年のアメリカのミュージカル映画。...
View Article「思想の地層」その3
慶応大学教授で歴史学者の小熊英二氏(52歳、写真)の政治と国民の意識の分析は鋭く、驚くほど的を得ているので、いつも目からうろこが落ちそうになる。 朝日新聞で連載している評論は過去、思想の地層、「思想の地層」その2で報告してきたが、6月9日(火)に、「自民党の基盤 衰弱が生んだ政権独走」と題する記事が載っていたので、「思想の地層」その3として以下に紹介したい。...
View Article「キス(Kiss)の歌」・洋楽編
少し古いが、2014年12月5日の日刊ゲンダイの記事。題して「キスは人生を豊かにする 」。 自身は、今は?日本人の平均を大幅に下回っている、キスの回数。 2014年11月にサンスターが発表した「世界のオーラルケア・歯周病事情に関する調査」で、日本人のキスの回数は「週に1.31回」ーこんなことが分かった。 しかし、それでも欧米諸国は軒並み「5回」を超える結果で、日本の少なさが際立っている。...
View Article「キス(Kiss)の歌」・邦楽編
「キス(Kiss)の歌」・洋楽編の後は、「キス(Kiss)の歌」・邦楽編。 キス(キッス)はいろんな表現がある。接吻、口づけ、チュウ。古くは口吸いと言った。 「キス」という言葉が入ってきたのは明治以降であり、それが「接吻」と和訳されたのが明治20年(1887年)の頃(訳語そのものは文化13年(1816年)の『ズーフ・ハルマ』に遡る)であった。...
View Article安全保障関連法案
安全保障関連法案について、安倍政権が誕生するところから追って検証してみよう。 自民党は、2012年の衆議院議員選挙で次のような公約を掲げて戦った。 TPP、拉致問題、年金のセキュリティ問題でサイバー対策のお粗末さが露見するなど、現状と比較してみると思わず仰け反ってしまうものもいくつかあるが、確かに集団的自衛権の行使についても触れている。...
View Article消えて無くなる職業【その1】
H・G・ウェルズ(1946年、79歳で没)と共に、「SFの父」と呼ばれたフランスの小説家・ジュール・ヴェルヌ(1905年、77歳で没、写真)。 彼は、今から約150年前の1863年(35歳)に初のSF未来小説「二十世紀のパリ」(Paris au XXe Siècle )(写真)を執筆したが、130年間も金庫に眠り、日の目を見ることがなかった。...
View Article消えてなくなる職業【その2】
消えてなくなる職業について、これは現代ビジネス2014年11月9日号の記事。 「オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」702業種」(画像) 人間が行う仕事の約半分が機械に奪われる―そんな衝撃的な予測をするのは、英オックスフォード大学でAI(人工知能)などの研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授(写真)である。...
View Article立憲主義とは
拙ブログ、安全保障関連法案の続編になるが、ここのところ「立憲主義」という言葉がやたら目に付く。 辞書をひも解くと、「立憲主義」 (Constitutionalism)とは、政府の統治を憲法に基づき行う原理で、政府の権威や合法性が憲法の制限下に置かれていることに依拠するという考え方。 「法の支配」(rule of the...
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