「キス(Kiss)の歌」・洋楽編の後は、「キス(Kiss)の歌」・邦楽編。
キス(キッス)はいろんな表現がある。接吻、口づけ、チュウ。古くは口吸いと言った。
「キス」という言葉が入ってきたのは明治以降であり、それが「接吻」と和訳されたのが明治20年(1887年)の頃(訳語そのものは文化13年(1816年)の『ズーフ・ハルマ』に遡る)であった。
一般的には、「口吸い」=ディープ・キス、「接吻」=濃い愛情表現、「口づけ」=対象となる人との初めての愛情表現、「チュウ」=軽い愛情表現 と区別されるようだ。
キスをする場所によっても意味合いが異なる。
手の甲=尊敬、掌=懇願、手首=欲望、腕=恋慕、髪=思慕、額=祝福、友情、瞼の上=憧憬、耳=誘惑、頬=親愛、好意、満足感、唇=愛情、喉=欲求、首筋=執着、背中=確認、胸=所有
日本でも太古の時代からキスはあったが、性行為としてのキスであり、西洋のようにあいさつとしてのキスは一般的に成立していない。
実際、男性が初対面の女性にいきなりキスをすれば、日本の法制では強制わいせつ罪や暴行罪が成立する。
現代では映画のキスシーンは多い。しかしその昔日本でキスシーンはご法度だった。
その後、この5月23日を記念して「キスの日」と呼んでいる。
この映画は、当時日本を占領していた米国のGHQ指導で制作され、二人の接吻ではガーゼを挟んでいた。その栄誉に預かった俳優は、大坂志郎(1989年、69歳で没)と幾野道子である。彼らはほんのわずか唇を合わせただけだったが、それでも話題を呼び、映画館は連日満員になったという。
さて、これまでの映画で最も印象に残ったキスシーンは?と聞かれると、困ってしまう。
日本映画ではあまり記憶にないからだ。欧米と違ってキスの歴史が浅いからだろうか、いまだに路上でキスをすればマスコミがここぞとばかり囃したてるお国柄である。スマートなキスシーンにお目にかかったことがない。
今回は邦楽編であるが、例外としてお許しいただき、二つばかり洋画の有名なキスシーンを。
地上(ここ)より永遠に(1953年)
○映画上最も有名なキスシーンと言われるハリウッド俳優・バート・ランカスターと、デボラ・カーの渚での情熱的なキスシーン。
ローマの休日(1953年)
○アン王女(オードリー・ヘプバーン)と、アメリカ新聞記者・ジョン・ブラドリー(グレゴリー・ペック)とのキスシーン。次の映像では3分23秒頃にあります。
それでは、キッスの歌・邦楽編を。
○口ではないキスの歌。
ザ・テンプターズ/エメラルドの伝説(1968年)【緑の瞳に 口づけを】
水越けいこ/ほほにキスして(1979年)
チューリップ/銀の指環(1974年)【指にくちづけして】
キャンディーズ/暑中お見舞い申し上げます(1977年)【まぶたに口づけ】
近藤真彦/スニーカーぶる~す(1980年)【うつむいたまぶたに 最後のくちづけ】
ザ・ヴィーナス/キッスは目にして(1981年)
○アイドルのキスの歌。
松田聖子/天国のキッス(1983年)
国生さゆりwithおニャン子クラブ/バレンタイン・キッス (1986年)
○最後はこの歌。
小柳ユキ/あなたのキスを数えましょう(1999年)