「さようなら」のあいさつは英語で「グッドバイ(Goodbye)」というが、他国では何と言うのだろうか。
以前、あいさつのことを題材にしたブログで調べたことがある。
しかし、この表では一つしかないが、日本語でもさようならは「ごきげんよう」とか「じゃあね」とか「またね」とか、いくつも同じ意味を持つ言葉がある。
英語で「さようなら」によると、各国でさようならに当たる言葉は次のようにたくさんある。
〇スペイン語
右図を見ると、中国語の人口は、9億3千5百万人と圧倒的であり、世界2位のスペイン語と3位・英語の人口差は2千万人ほど、また、4位・ヒンディー語と5位・アラビア語の差は1千5百万人とそれぞれ大差はなく、将来的に順位の変化がありそうだ。ちなみに、日本語は1億2千7百万人で、9位にランクインしている。
スペインが歴史上最も栄えたのは、16世紀中盤から17世紀前半までの約80年間の黄金の世紀(Siglo de Oro)と呼ばれた時代で、その繁栄の様は「太陽の沈まない国」と形容された。その時代は大航海時代と重なる。
以前のヨーロッパ史観では英雄扱いだったコロンブスも今や、探検家・航海者という肩書の他に、ピサロやエルナン・コルテスとともに、コンキスタドール(征服者)であり、奴隷商人、そして大量殺戮者(ジェノサイダー)とされている。彼は原住民を大量に惨殺し、牛馬のように酷使して略奪の限りを尽くした。
本題に戻ると、スペイン語でさようならに当たるのは
「アディオス(Adiós)」。親しい友人などに使うくだけた表現としては
「チャオ(Chao!)」。「Chao」と同様に、頻繁に使われ、「じゃあね」「さようなら」などという意味で、短い別れの挨拶に使う
「アスタ ルエゴ(Hasta luego)」、「Chao」とは異なり、目上の人にも使える。「また後でね」「またすぐにね」といった、すぐに会う予定の人に使う別れの挨拶は
「アスタ プロント(Hasta pronto)」。 「また明日」という意味では
「アスタマニャーナ(Hasta Manana)」。「またね」「お元気で」という意味では
「クイダテ(cuidate)」。「また会う日まで」を意味する場合、
「アスタラビスタ(hasta la vista)」という言葉もある。







フランシスコ・カナロ楽団/アディオス・ムチャーチョス(Adios Muchachos)
ユーグ・オーフレ/アスタ・ルエゴ(Hasta Luego、1973年)
ABBA /落ち葉のメロディ(Hasta Manana、1974年)
〇ドイツ語
大学に入学したとき、語学として英語の他第二外国語として、7つの言語-フランス語、ドイツ語、中国語、アラビア語、韓国語、スペイン語、ロシア語-の内から一つ選ばなくてはならず、やむなく?ドイツ語を選んだが、授業にもまともに行かず、今でも覚えている言葉は「Ich liebe dich(愛している)」と「Auf Wiedersehen (さようなら)」程度だ。もっとカジュアルでくだけたさようならの表現には「チュース(Tschüss)」などもあるという。
ヴェラ・リン/アウフ・ヴィーダーセーエン・スウィートハート(Auf Wiedersehen Sweetheart、1952年)
〇フランス語
一般的に使われる「オゥ・ホゥヴァア(Au revoir)」は、また会う日まで的な意味。長期の別離の際に使うもので、二度と会えない悲しさも秘めた表現は「アデゥー(Adieu)」と言う。
ユーミン(65歳、写真右)のアルバム、MISSLIM(1974年)の中にある「私のフランソワーズ」はアルディを歌ったものであり、ユーミンが作った「まちぶせ」はアルディの「さよならを教えて(Comment te dire adieu)」の翻案とも言われる。
フランソワーズ・アルディ/さよならを教えて(Comment te dire adieu、1973年)
〇イタリア語
一般的に使われる表現で、ビジネスなどでもOKなのは「アリベデルチ(Arrivederci )」で「また会いましょう」という意味。「チャオ(Ciao)」は、日本語の「どーも」に近いニュアンスの言葉なので、出会い頭にも別れ際にも便利に使える。「バイバイ!」とフランクに別れのあいさつをしたい際も、チャオはぴったりのフレーズである。
「アッディオ(Addio)」は、これからしばらく会えなくなる人や、絶対に会えない可能性の高い人に使うが、日本語の「さようなら」のような、少々冷たくて、寂しげなニュアンスを持つ言葉なので、日常生活ではまず使わないという。
ドメニコ・モドューニョ/チャオ・チャオ・バンビーナ(Ciao, ciao, bambina)
ドメニコ・モドューニョ/チャオ・チャオ・バンビーナ(Ciao, ciao, bambina)
クラウディオ・ビルラ/アリベデルチ・ローマ(Arrivederci Roma)
〇ハワイ語
「アロハ(Aloha)」はハワイ語の挨拶で、「こんにちは」「さようなら」などの意味として用いられている。 他にも、「おはよう」「おやすみ」「ありがとう」など多様性がある。右手の人差し指、中指、薬指を曲げ左右に振る仕草をしながら使われることが多い。
「アロハ・オエ(Aloha `Oe)」(1895年)は、ハワイ王国第8代女王リリウオカラニ(1917年、79歳で没、写真)によって作られ、ハワイを代表する曲として世界中で広く親しまれている。
エルビス・プレスリー/アロハ・オエ(Aloha `Oe、1961年)