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映画館【その4】

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 今もいい映画はあるが、自分のとっては映画とその主題曲は密接な関係がある。主題曲の素晴らしい映画は今でも強い印象が残っている。

大好きな映画音楽

 映画に使われた音楽は、元々あった曲を採用した場合と、その映画のために作成した曲がある。前者でも、いつの間にか映画音楽に仕立て上げられたものもあろうが、ここでは後者の場合を指す。映画と共に心に深く残っている名曲を3曲紹介したい。

禁じられた遊び(Jeux interdits、1952年)

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 その昔、フランス映画「禁じられた遊び」写真)という題名の先入観から、不謹慎にも、あらぬことを想像しながら地元の映画館・呉シネマに行ったら、涙無くしては映画館を後にすることの出来ない「世界映画史上不朽の名作」だった。

 5歳のときポーレットという少女役を演じて観客の涙腺を湿らせたのは、幼い日のブリジット・フォッセー(現在72歳、写真右)だ。

 映画のバックに流れる、切ないテーマ音楽がさらに涙腺を刺激する。誰もが知っている主題曲が生まれたいきさつはこうだ。

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 実は撮影の予算オーバーによりオーケストラを組むことが出来ず、フランス/イタリア合作映画「太陽がいっぱい」で有名な、監督のルネ・クレマン(1996年、82歳で没、写真左)は、まだ当時若干24歳の新人のスペインのギタリスト、ナルシソ・イエペス(1997年、69歳で没、写真右)に曲を頼んだ。

 彼がギター一本で演奏した映画の主題曲「愛のロマンス」(Romance de Amor)は予想外の大ヒット、一躍世界的に有名な音楽家になった。

ナルシソ・イエペス/映画「禁じられた遊び」より愛のロマンス(1952年)


いつも心に太陽を(To Sir, With Love、1967年)

 「いつも心に太陽を」は、ギアナ国連大使E・R・ブレイスウエイトの自伝小説が原典。

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 シドニー・ポアチエ(91歳、写真)主演のイギリス映画だが、彼が演じる教師が落ちこぼれの問題児たちを更正させていくというストーリー。

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 大学生のとき、広島の中心地・八丁堀にある、2008年に終了して、今は亡き「名画座」(写真)ふと立ち寄り、一人で観たことがある。

 黒人の教師と白人の生徒という人種問題を抱えた重たいテーマでもあり、これも涙なくして見られない感動の映画。昼間だったので、映画館を出るとき恥ずかしかった。

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 テーマソングを歌ったルル(現在70歳、写真)の歌う同名の主題歌は、更正した生徒たちが卒業の時に先生へのプレゼントとしてこの曲を歌うというシーンに登場し、原題の「TO SIR, WITH LOVE」は「先生へ愛をこめて」という内容のもの。この映画には生徒役で出演している。
曲は、世界中で400万枚を売り上げ大ヒットした。

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 彼女は、ビージーズのモーリス・ギブ(2003年、53歳で没、写真左)と結婚、その後離婚をしている。
  
 それでは、ルルが歌う「いつも心に太陽」と、二人のデュエットによるこれも
イギリス映画『小さな恋のメロディ』の挿入歌「若葉のころ」(First of May、1969年)を。

ルル/映画「いつも心に太陽を」主題曲(1967年)


ルル&モーリス・ギブ/映画「小さな恋のメロディ」主題曲「若葉の頃」(1969年)



ある日どこかで(Somewhere in Time、1980年)
 
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 映画「ある日どこかで」は、あの「スーパーマン」でおなじみの、クリストファー・リーヴ(2004年、52歳で没、写真中央) と、「007 死ぬのは奴らだ」のボンドガール、ジェーン・シーモア (67歳、写真右) 主演のSFロマンス映画。

 主題曲にはラフマニノフの、パガニーニの主題による狂詩曲Op.43・第18変奏:Andante cantabile(通称:パガニーニのラプソディー」) (1901年)が使われて、その方が有名だ。
 
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 この映画の音楽監督を務めたジョン・バリー(2011年、77歳で没、写真)はこの「ある日どこかで」を作曲した。ラフマニノフファンに怒られそうだが、自分はジョン・バリーのこの曲の方が好きで、以前、ブログに掲載したあと何度も聴いたものだ。
 
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 どうしても彼にはジェームズボンド
007シリーズ(写真)のイメージが付きまとっていて、あのような勇ましい音楽を作曲する人が、なぜこんなに美しい音楽を作るのか不思議に思う。
 
 それが実は、007シリーズを通じてのオープニング曲「ジェームズ・ボンドのテーマ」は彼の作品ではない。これはモンティ・ノーマンという人が作曲したもので、ジョン・バリーは編曲を行っているのみである。
 
 彼は、クラシック音楽に似た、美しいムード・ミュージックが真骨頂である。
彼が100年前に生まれていたら、きっとその道の大家になっていただろう。

 これも、美しい映画音楽、「野生のエルザ」の主題曲「Born Free」もどうぞ。

ジョン・バリー/映画「ある日どこかで」同名主題曲(1980年)


マット・モンロー/ 映画「野生のエルザ」主題曲「Born Free」(1966年)


映画の冒頭に流れるロゴと音楽

 映画が始まる前にわくわくするのは、映画会社のロゴが現れ、それと共に短い音楽(または音)が流れるシーンだ。そのNo.1は「20世紀FOXのファンファーレ」だと思う。

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 20世紀FOXのファンファーレは、わずか9小節という短い曲で、もともとはニュース映画の冒頭に流す事が主目的だったそうだが、映画の本編が始まる前の臨場感を高めるメロディとして、今なお同社の映画には欠かせぬ存在となっており、他の映画会社には見られない、インパクトあるスポットとして広く知られている。(Wikipedia 参照)

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 この曲は、拙ブログの映画音楽家の一人として紹介したこともある、アルフレッド・ニューマン(1970年、69歳で没、写真)が、1935年、当時は同社の音楽部長だった時に作られたものだ。

 彼は、西部劇では、荒野の決闘の主題曲「いとしのクレメンタイン」映像、1946年)や、西部開拓史(1962年)の主題曲を作曲した。


ザ・ブラウンズ/映画「荒野の決闘」より、「いとしのクレメンタイン」(1946年)


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 横山ノック・フック(青芝フック)・パンチ(上岡龍太郎)の「漫画トリオ」による「パンパカパーン~パンパンパンパンパカパーンー今週のハイライトー」というギャグは、このファンファーレをモチーフにしている。



 なお、20世紀FOXは、戦前はシャーリー・テンプル主演作やジョン・フォード監督、戦後はマリリン・モンローの映画により知られる。 

 1950年代以降は、ロジャース&ハマースタインのブロードウェイミュージカルの映画化に取り組み、世界的に有名な『王様と私』『サウンド・オブ・ミュージック』を制作。他にも舞台の演出をそのまま映画に取り込んだ『南太平洋』『オクラホマ!』などがある。
  
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 1953年には、ワイドスクリーンのひとつ「シネマスコープ」(写真)を開発。これは当時普及してきたテレビに対抗するもので、大画面で楽しむという映画の醍醐味をあらためて認識させるものとなり、同年の史劇『聖衣』がその第一作となった。以来ハリウッド映画をはじめとする大作映画はほとんどシネマスコープで撮影されている。
 
 SF作品では、『猿の惑星』を筆頭に、『スター・ウォーズ』『エイリアン』『アバター』『プレディター』など。1997年には『タイタニック』をパラマウント映画と共同製作し、アカデミー賞の11部門を受賞した。 (Wikipedia 参照)
 続く。

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