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世論調査

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 安倍首相の政治手法について、朝日新聞5月15日の(政治断簡)おごる首相がつかんだ「コツ」という記事に強く共感した。
 
 もはや皇帝気取り。常軌を逸していますよ。何でも『俺が言えばできるんだ』と過信している」(民進の長妻昭氏)。

 「自民党総裁としての考え方は、相当詳しく読売新聞に書いてある。ぜひ熟読して頂いてもいい」という安倍首相の発言は、ちょっと昔だったらその一言だけで「解散」「内閣総辞職」に追い込まれていただろう。

 
荒廃する国会。長年、安倍氏と対決してきた長妻氏によれば、「最近、首相は変なコツをつかんだ」そうだ。

(1)質問に答えずにはぐらかす
(2)ヤジに反応する
(3)ヤジに対して長々と反論をして時間をかせぐ
(4)「だから民進の支持率は上がらない」という民進批判に切り替える

 という流れで追及から逃げ切る「コツ」これは国会でよく見かける光景だ。それで議論が深まるはずもない。

 トランプ氏も同じパターンだが、怖いのはこんな討論の仕方でいいんだと世間が納得してしまうことだ。

 「それが日に日に増長して、天まで届くような状況になってきた。『何を言っても、支持率は絶対に下がらないんだ』という迷信のような確信があるのでしょう。それは、我々の責任です」と長妻氏は語る。

 民進たたきで悦に入る首相を「増長」させているのは、安定した内閣支持率らしい。首相は4月の国会審議でもNHKの世論調査を引いて、「内閣支持率は53%。自民、民進の支持率はご承知の通り」と民進を皮肉った。慢心、ここにきわまれり。

 世論調査の役割は、権力者に信任を与えて増長させることではない。さまざまな政治・政策課題に対する「声なき声」を浮き彫りにし、政治の足らざるを補うためのヒントを読み取ることにある。それは本来、民主主義を豊かにするためのツールのはずだ。

 なのに首相は森友学園問題の真相解明や原発政策の見直しを求める多くの世論からは目をそむけ、好都合な数字のみにおごり、弱る野党をあざ笑う。「安倍1強」がきわまり、まるで独裁者のような首相のふるまいをみるにつけ、やせ細る民主主義への危機感が、ひたすら募る。

 世論調査については、前から疑問に思っていることがある。

 一つは、電話による世論調査が果たして今の時代に適合しているのかということ。

 二つ目は、質問の仕方一つで答えを誘導する危険性がないかどうかということ。

 三つめは、前項と似ているが、選択肢の作り方により結果が変わってこないかということだ。
 最近の各社が調査した内閣支持率を表にしてみた。(調査期間が4.22から5.14のもの)

イメージ 1

 グラフのに行く会社ほど最近の調査である。支持率が一番高いのはTBS63%、低いのは時事通信社47%だ。その差は16%、この差をどう見るかが一つのカギだ。

 TBSの結果を見ると、選択肢に「ある程度支持する」と「あまり支持しない」があって、それぞれ、「支持する」、「支持しない」の比率に加えられている。それが結果に何らかの影響をしているのか。無回答・その他の比率が2%と、異様に少ないのも気になる。

 残念ながら他の調査の詳細は不明だった。もちろん、邪推かもしれない。
 現在、世論調査に多用されているのは、RDD(Random Digit Dialing)と呼ばれる方法だそうだ。RDDとは、一般固定電話に機械がランダムに電話し、そのレスポンスを得て集計するやり方だという。

 携帯電話がこれだけ普及して、固定電話のない家庭が増えているのに、どうしているのか気になっていた。ごく最近になってからのようだが、携帯電話も対象にしているようだ。

 それでも、働いていたり忙しい人に対しての世論調査がまともに機能しているかどうかは心もとない。
 世論調査の質問について、ネットで調べたらこんな内容だった。

 Q1:これまで検討されていた「共謀罪」の要件を厳しくし、テロ組織や組織的な犯罪集団が、殺人などの重大犯罪を計画・準備した段階で罪に問えるようにする「テロ準備罪法案」に、賛成ですか、反対ですか。 

 Q2:あなたは、「テロ準備罪法案」を、今の国会で成立させるべきだと思いますか、そうは思いませんか。
 
 Q3:安倍首相が、自民党総裁として、憲法改正の具体的な目標を示したことについてお聞きします。

 ●憲法第9条について、戦争の放棄や戦力を持たないことなどを定めた今の条文は変えずに、 自衛隊の存在を明記する条文を追加したい考えです。この考えに、賛成ですか、反対ですか。
 
 ●あなたは、今後、国会の憲法審査会で、憲法改正に向けた議論が活発に行われることを、期待しますか、期待しませんか。

 どうでしょう。「反対」と答えるのにはちょっとした勇気が要ると思うのは、勘違いですか。

 思い出したことがある。会社の研修の際、講師が、同じ文章だが、単語の順番を変えると内容がすっかり変わってしまう例を出していた。

 文章は忘れたが、血液型についてだった。同じ文章だが、単語の組み合わせを変えるだけで、O型とか、AB型とか、血液型についての性格判断に納得するのだ。

 例えば、『あなたは、「テロ準備罪法案」を、今の国会で成立させるべきだと思いますか、そうは思いませんか

 を、『あなたは、「テロ準備罪法案」を、今の国会で成立させるべきではないと思いますか、成立させるべきだと思いますか

 と、少しだけ順序を入れ替えると、世論調査の回答は劇的に変化するはずです。

 最後に余談を三つ。

政治家の存在意義は終わっている
 
 今も連載中の朝日新聞土曜版be「悩みのるつぼ」の、読者からの質問コーナー。
 
 これは、
2012年1月28日に掲載されたもので、質問者は高校二年の女子学生。

 社会的に尊敬する方が殺される理不尽な事件を見て、自分が将来政治家になり、政治力をもってすればこのようなことを減らすことが出来るかどうかの助言をして欲しいというものだ。
 
イメージ 2
 評論家の岡田斗司夫氏(現在58歳、写真)の回答が奮っていた。こんな内容である。今の政治の核心をついているかもしれない。
 
 
政治家の存在意義ってもう終わっているんですよ。この150年、日本では『最優秀の人材が政治家や官僚になるべき』と考え、実行してきました。
 
 でもこの試みは完全に失敗でした。頭が良い奴ほど、ズルをするとタチが悪い。政治家や高級官僚のズルは完成度が高いので、追及したり反省させたりするのにひと苦労します。
 
 政治問題の大部分は『一流の人材を議会や官僚組織に』という発想自体にあります。
 
 政治家なんて『隠しごとやズルやケンカが下手な人』で十分で、『この世界を良くしたい』という最優秀の人材の投下先は『民間政治家』です。
 
 会社を作り、自分の目に届くたった数百人や数千人を助けてあげれば十分です。千人の従業員を幸せにする社長が10万人いれば1億人は幸せになれる。1万人の社員と地域住民を幸せにできる企業が1万社あれば、やっぱり1億人は幸せです。
 
 巨大化ゆえに無駄と争いと隠し事ばかりになった政治や官僚システムに、これ以上ムダに期待したり投資したりするべきじゃない。そっちは『二流』の人材で十分です。
 
 本当に世のためを目指すなら『民間政治家』がおススメです。それなら私もあなたに投票しますよ。あなたの会社の商品を買いましょう。それが21世紀の『投票』です。

「何かを決めるまでに時間がかかる。でも、決断したらとことんやる」

 これは、「憲法改正」でも、「テロ準備罪法案」の制定にも当てはまることだ。これで日本の岐路が決まるような重要な決断には徹底した議論が必要だ。

 今や世界を代表する自動車メーカーのトヨタ

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 今年の3月26日にTBSで放送された、佐藤浩市主演のドラマ『LEADERS2 リーダーズ2』は、実質的に創業者だった、豊田喜一郎(1952年、52歳で没、写真)の半生を描いたテレビだった。

 彼は1950年6月に事業不振の責任をとり社長を退任、東京に研究所を設立し、エンジンの研究などを行った。1952年には再び社長に就任することが内定するが、同年死去した。

 トヨタの企業文化に「何かを決めるまでに時間がかかる。でも、決断したらとことんやる」 というものがあるという。その精神が、トヨタを世界的企業に育てたのだと思う。
霞が関の中央官庁のドアに、こんなポスターが貼ってあった。

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 「おかしいと言える雰囲気 言える勇気」(写真)

 これが、ブラック・ジョークにならないよう、特に公務員の方は、ぜひこのスローガンを意識して仕事をして欲しい。



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