当たり前と言えばそれまでだが、昨年の末に退職して以来、外で飲む機会がめっきり減った。
ただし、その理由は普通のサラリーマンとは違う。お酒を飲む場合、複数ではなく、一人で行く場合が多かったので、会社を去ったので付き合いが減ったというのではない。
年金生活に入ったので、倹約をしなければいけないからに過ぎない。
●年金生活者のお酒事情
今でもほとんど毎日お酒(といってもビール350ml一缶程度だが)を切らしたことはないが、外で飲むことは少ない。
今年になって5回ぐらい。それまでは1週間に最低1度はスナックに通っていたので、以前の半分以下となった。
今はなじみのスナック2軒だけで、どちらも3千円を用意すれば事が足りるので、お勘定のとき慌てることがない。
先週の土曜日に初めて、引っ越し先の地元のスナックに顔を出した。もちろん知らないお店だ。どうやら奥さんがママで、ご主人が賄いの手伝いをしているようだ。
お客が一人もいなかったので、久しぶりにカラオケ三昧とばかり10曲も歌ってしまった。
ここは今では珍しい、カラオケ代があり、1曲200円とのこと。お客が来たので帰ったが、代金が心配だった。4千9百円とのこと。やはり、行きつけの店の方が安心だ。
●行きつけのスナック
「行きつけ」のうちの1軒は、もう4半世紀の付き合いだ。ママが幾つなのか聞いたことはないが、もう70代半ばだろうか。最近は失礼だが老化が目立ち、独り言と愚痴が多くなってきた。
彼女は、自分が失業したとき、「タダでいいから来てよ」とか「もし働くところが無かったら、うちで働いてもいいよ」と励ましてくれた恩人である。ただし、大げんかをして長い間行かなかったこともある。
昨年末で会社を辞めたとき、「手伝ってよ」と言われ、一時はその気になったこともあるが、その後お店の経営も思わしくなく、少し遠くに引っ越したこともあり、夢と終わった。
もう1軒は、これまで通っていた会社の帰り道にあり、「月曜日の男」と洒落て、毎週決まって月曜日に通っていたお店だ。
ママは同年輩だが美人で、今でも言い寄って来る客もいるようだ。二人っきりの場合は滅多にないが、よく食事や観劇に誘われて行ったものだ。
ここは、逆に引っ越しで4つも駅が近くなった。
電車代も加えて、古くからのなじみの店は月に一度、「月曜日のお店」には月に二度くらいの頻度で、合わせて3回、月に1万円ぐらいの飲み代を考えている。
年金生活者としては多すぎるかな?少し働いているんだからいいよね。
●飲み屋(酒場)の体系
ところで、お酒を飲むお店もいろんな名前がついていて、さすが日本だと思わせる。
一部間違っているかも知れないが、図にしてみた。
●スナックの定義
今ここで話しているスナックとは、元来スナックバー(snack bar)のことで、軽食(スナック)を提供するバーを意味している。
スナックと、上表にあるパブやラウンジなどとの境界線はつきにくいが、飲み屋でお店の女性が隣に座って接客すると風営法の対象となるため、営業時間は深夜0時までだが、 スナックの接客はカウンター越しなので風営法は適用外で、明け方近くまで営業しているお店も少なくない。
また、一昔前の大半のスナックには男性のマスターやバーテンダーがいたが、 最近ではお店を切り盛りしているのは、ほとんどがママと呼ばれる女性である。
クラブやキャバクラよりも安く楽しめるのもスナックの特長だ。セット料金の設定はお店によって違いますので一概には言えないが、2時間~3時間で3000円~5000円前後というお店が多い。それ以上は、スナックというお店ではないと思った方がいい。
今やスナックでカラオケの機械がないお店は珍しい。希少価値で、会話だけを楽しみたい人はお勧めだが、何せ天然記念物並みに探すのには苦労するはずだ。
現在日本にあるスナックは10万軒とも18万軒ともいわれるが、人口10万人当たりの軒数で見ると1位は宮崎県、名前で一番多いのは「さくら」だとか。スナック「さくら」は全国に226軒。「桜」「サクラ」などの表記ブレを含めると313軒にものぼるという。
●スナックでの心得
「類は友を呼ぶ」。スナックはママとお客で持つ。お客が冴えない店は繁盛しない。
1.タブーは、名刺を交換したり、そこで商売の話を延々とすることだ。会社の仲間とか、商売相手とか飲みに行くことはあろうが、仕事の話に夢中になるのは「野暮」である。
2.その会社でしか通用しない肩書は無意味だ。話が上手なこと、人を引き付ける魅力のあることの方が優先順位は上である。
3.カラオケや話を独り占めしてはいけない。カラオケは下手でも拍手してあげること。雑音としか聞こえない声だけは別だが…。
●こんなお店がいいな
親身になって悩み事を聞いてくれる(美人)ママがいるお店。
1.テレビ朝日系列で1988年から2005年(18年間)もの長きに渡って放映された「はぐれ刑事純情派」。
主役の藤田まこと(2010年、76歳で没、写真右)演じる、警視庁山手中央警察署刑事課(強行犯係主任)の「安さん」・安浦吉之助刑事の行きつけのバー「さくら」のママ・片桐由美こと眞野あずさ(現在56歳、写真左)
安浦の私生活での一番の理解者であり、安浦にとってかけがえのない女性。2009年の最終回スペシャルで安浦刑事からプロポーズ(安浦の母親の墓参りへの同伴を申し込み)される。
安浦の私生活での一番の理解者であり、安浦にとってかけがえのない女性。2009年の最終回スペシャルで安浦刑事からプロポーズ(安浦の母親の墓参りへの同伴を申し込み)される。
「はぐれ刑事純情派」主題曲:堀内孝雄/恋唄綴り(1990年)
2000年は単発だったが、2002年から現在も放映されている杉下右京・水谷豊(現在64歳、写真右)主演・「相棒」の行きつけの小料理屋「花の里」の初代女将、宮部たまきこと、益戸育江(旧・高樹沙耶、現在53歳、写真左)
右京の元妻だったが、右京との交流は途絶える事はなく、右京やその相棒もよく彼女の店に食事に行っていた。
右京の元妻だったが、右京との交流は途絶える事はなく、右京やその相棒もよく彼女の店に食事に行っていた。
ところが、2011年10月、突如、店を閉め世界放浪の旅へ出るというストーリーになったが、真相は彼女の個人的事情だったのだ。
今は、月本幸子こと、 鈴木杏樹(現在47歳、写真左)が二代目を継いでいる。(Wikipedia参照)
いつまでもこんな夢をみているのは可笑しいかな。
パープル・シャドウズ/小さなスナック(1968年)