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1950年代のアメリカの曲【その2】

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 1950年代は世界の音楽の黄金期中村とうよう説)だった。

 第二次世界大戦の後の混乱も一応落ち着いて戦後の社会が安定したことや、植民地だったアフリカやアジアの人々にとっては、独立を達成して新しい国民国家を創るなかでの国民文化の形成期だったからだろう。

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 そして、レコードが78回転で片面1曲入りのSPレコードが33回転のLPレコード(写真)に変わり、制作方法も編集の容易なテープ録音になったことが大きく影響した。


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しかし、ヨーロッパは、フランスの女性歌手・エディット・ピアフが(1963年、47歳で没、写真)が輝いていたぐらいで、ロックの嵐が吹き荒れたアメリカに比べて全般的に不調だった。特に、イギリス音楽界は精彩を欠いていた。

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 日本については、第二次世界大戦後になって、文化に対する国民の意識が解放され、歌はガラリと変わる。それを何より雄弁に語るのが美空ひばりの(1989年、52歳で没、写真)の登場だ。幼いころからの彼女の驚異的な歌唱力は、それ以前の歌手たちとは比べ物にならない。

 ひばり自身の才能も稀有のものだったろうが、江利チエミいづみほか一連の少女歌手たちが同時期に活躍した事実は、歌謡界の大変動が何よりも時代の必然だったことを立証する。(中村とうよう著「ポピュラー音楽の世紀」より) 
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  ところで、ロカビリーの天才、エルヴィス・プレスリー(1977年、42歳で没、写真)が1956年、当時21歳のとき出現し、「ハートブレイク・ホテル」のヒットは、ロックンロールの意味を変え、新たな概念を確立する役割を果たした。

 しかもその音楽的革命は、後のビートルズとは異なり、アメリカを起点とし、イギリスを含むヨーロッパから日本まで、ほとんど時差のない状態で遂行された。

 それは無数の「第二のエルヴィス」という形で顕在化した。

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 アメリカでは、エルヴィスから毒気を抜き、よりマイルドに味付けしたアイドル歌手が量産され、イギリスではクリフ・リチャード(現在76歳、写真)を筆頭に、多くの「イギリスのエルヴィス・プレスリー」がデビューした。

 現在に至るイギリスのヒット・チャートの集計において、最も多くの曲をチャートに送り込んだ上位3組は、一位エルヴィス・プレスリー、二位クリフ・リチャード三位シャドウズ(クリフの演奏バンド)という、驚きの結果がある。

 ビートルズのジョン・レノンは「クリフ・リチャード&シャドウズが出てくるまで、イギリスには聴くべくものがなかった」と語っている。

 クリフが16歳のある日、駐車場を横切っていると、無人のシトロエンのカーラジオから音楽が流れてきた。エルヴィス「ハートブレイク・ホテル」である。

 「あんな声は聴いたことがなかった。最初は何かの楽器の音だと思った。あんな風に歌う歌手なんていなかった.僕はペリー・コモフランク・シナトラが好きだったが、彼らのようになりたいと思ったことは一度もなかった。だが、エルヴィスを聴いた瞬間、僕はエルヴィスのようになりたいと思った。あとは行動に移すだけだった」

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 イギリスのロックはクリフリチャード&シャドウズから始まった。そして、後にエリック・クラプトンジェフ・ベックジミーペイジ等、イギリスのロックに特徴的なギタリストの系譜もまた、シャドウズのハンク・マーヴィン(現在74歳、写真)から始まった。

 1958年からエリック・クラプトンが現れる64年まで、ハンク・マーヴィンはギターの神様だった。イギリスのギタリストは、プロであろうがアマチュアだろうが、ハンクに憧れ、彼のようにギターを弾きたいと思っていた。(中山康樹著「ロックの歴史」より)

クリフリチャード&シャドウズ/ムーブ・イット(1958年)



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 日本では、1958年2月8日~14日、東京の日劇で「第1回ウエスタンカーニバル」が開催され、平尾昌晃(写真右)ミッキー・カーチス(写真中)山下敬二郎(写真左)「ロカビリー三人男」がデビューした。

 1週間で6万3000人を動員する大騒ぎになり、ロカビリー・ブームの発端となった。
 1950年代にヒットしたアメリカの曲をいくつか。

パティ・ペイジ/チェンジング・パートナー(1953年)



ザ・プラターズ/グレイト・プリテンダー(1955年)


 ドリス・ディ/ケ・セラ・セラ(1956年)


パット・ブーン/砂に書いたラブレター(1957年)


フランキー・レイン/OK牧場の決闘(1957年)


ポール・アンカ/ダイアナ(1957年)


ニール・セダカ/オー・キャロル!(1959年)


レイ・チャールス/ホワット・アイ・セイ(1959年)






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