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残りの人生を考えるヒントを探す

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 残りの人生を考えるのにいつもヒントを探している。下流老人だけに終わりたくない。

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 今回はこの3冊の本を紹介したい。

 写真左から、老前整理坂岡洋子著、新潮社)、自分を抱きしめてあげたい日に落合恵子著、集英社新書)、置かれた場所で咲きなさい渡辺和子著、幻冬舎)。
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 著者の坂岡洋子さん(59歳)は老前整理コンサルタント。落合恵子さん(71歳)「レモンちゃん」の愛称で親しまれた作家・元文化放送アナウンサー。渡辺和子さん(89歳)は、今も現役のノートルダム清心学園理事長。
老前整理

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 老前整理とは文字通り、老いに備えて身辺整理をする、という意味の造語だ。生前整理断捨離(図)のことでもある。

 著者の坂岡さんは、インテリアコーディネーターを経て、介護の現場の仕事をするようになり、高齢者の家の荷物の多さにこれではいけないと老前整理の必要性を感じたそうだ。

 「おカネを稼いでいた現役時代は、古くなったものは 『また買えばいい』と処分することもできたけれど、収入が年金などに限定される老年になると、一度捨てたらもう買い戻せないという思いが出てきて、なかなか捨てられなくなってくる。その結果、家の中にどんどんモノが溜まっていくのです」

 「多くのモノに埋もれていたら、身動きが取れなくなってしまう。むしろ、思い切って必要のないモノをそぎ落とすことで心が整理され、自分が本当は何をしたいのか、新しい生き方や暮らし方がおのずと見えてくるのです」
 
 「思い切って『捨てる』勇気を持ってほしい」と強調している。
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これに関して、小説家の竹田真砂子(現在78歳、写真左)著の「美しき身辺整理(新潮社、2010年、写真右)では、こんなことを言っている。
 
 年は「取る」ものであって「重ねる」ものではない。59歳までは年を「取り込む」、60歳以上は年を「取り除く」という意味で「取る」のである。
 
 重ねてはいけません。それまで身につけていたものを一つ一つ確認しながら、垢を落とすように取り除いて行くこと。これこそ、老人が心がけるべき最も重要な作業だと考える

 けだし、名言だね。
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 作家の曽野綾子さん85歳、写真)が、2014年の週刊現代31日号に、60過ぎたら、どんどん捨てなさい」サブタイトル「捨ててこそ、楽しい人生が始まる」と、もっと過激な発言をしている。
 
「大変皮肉なことですが、老年になってから老年を始めるのでは遅い。地震が来てから非常用の装備を買いに走るようなものです」
 

「私は死後自分の存在を後世に残そうという気持ちが全くありません。(中略) だから、身辺は早くから整理し始めました。始末って、手も体力もかかるので、元気なうちにはじめなきゃならないんです。そうやって整理する一方で、アフリカへ旅行に行くなど、したいことをする。もういつ死んでもいいと思えれば、かえって冒険が出来ます。『自由をわが手に』です。若いときと違う青春は、現実にあるんですよ」


1.親を捨てる 2.子供を捨てる 3.友人を捨てる 4.家を捨てる 5.見栄を捨てる 6年賀状やお中元をやめる 7.カネを捨てる
 
「無理をするから、お互いが不幸になる」 親の面倒は自分でみなくていい
 
「子供になんかに残すな!」『カネは自分で使い切る』が正しい
 
 など、解説を加えないと誤解を招きそうな勇ましい言葉が続いている。

自分を抱きしめてあげたい日に

 レモンちゃん落合恵子の愛称)も、もう70歳を超えた。年配者にとって一番うれしいのは「いい歳の取り方をしている」を言われることだと思う。彼女にはそれが当てはまる。

 本の表紙の裏にこんなことが書かれてある。

 わたしたちはいま、昨日までとは違う生き方を、そして、その思想と姿勢を必死で模索し続けている。

 そんななか、7年間の自宅介護のすえ母を看取った著者が、自らの喪失感を埋めてくれたさまざまな絵本や詩集、小説、そして、勇気ある人々の姿や行動に託して、再生のメッセージをおくるー。

 現代日本を代表する行動する作家が、この非情な時代と社会を超える、希望への道筋を照らし出す。「孤独」の時を大切にすることで「孤立」を超えるという、新しい生き方のヒント。
 そこでは「平凡だが非凡」というテーマで、一つのことに集中し、愚直に生きた人たちを紹介している。

 「いつも眩しいスポットライトの中にいなければならないという強迫観念ほど、ひとを淋しく、敢えて言ってしまえば卑しくさせるものはない」

 彼女がこの本を執筆した歳は、今の自分と同じ67歳。その感性は同じ年齢だけによく伝わってくる。

 ほとんどの女性は30代でやり直すのは手遅れだと考えているようだけれど、私はそうは思わないわ。誰もが自分の人生を自分で作るべきなのよ。

 年齢じゃない。大事なのはその人の生きていく姿勢なのよ。

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 (ティナ・ターナー「ティナ・ターナー、愛は傷だらけ」より)

 この30代を60代に置き換えてみるといい。

 夫、アイクのドメスティック・ヴァイオレンスから、不死鳥のようによみがえったティナ・ターナー(現在76歳、写真)。2013年、彼女が73歳のとき16歳年下の男性と結婚している。今も元気だ。

 次は2009年、彼女が69歳のときのライブ映像。


  最後は

置かれた場所で咲きなさい

 著者の渡辺和子さんは、こう言っている。

 東京育ちの私は、岡山に来て36歳で3代目の学長となり、苦労しました。シスターの中で一番若く、その大学の卒業生でもないし、岡山という土地にも初めて来た人間でした。学長は初代も2代目も70代のアメリカ人。それに、当時すでに、ここの大学には、それまでの学長を補佐してきた50代のアメリカ人シスターがいらしたんですね。その方が3代目におなりになると思っていたのに、私がよそから来て横取りしたようにお感じになった人もいたかもしれません。そのようなこともあって、風当たりはございました」

 「ただ、学生は喜びました。初めて日本人が学長になったということと、若かったからお姉さんみたいな感じだったんでしょう。でも、大学ではトップで、修道院に帰れば一番のボトムだった私には、役割葛藤がありました」

 「私も、これはちょっと受け止めきれなくて、こんなはずじゃなかったと、会議で上京した時に、元上司の神父様に言いました。すると、今あなたの話を聞いていると、修道会を出ようかとか、ほかの修道会に入ろうかとか、結婚しようかとか、元の職場に帰ろうかとか、そういうことを言っているけれども、どこへ行っても何をしても、あなたが変わらなければ同じだよ、とおっしゃった。本当にそうだと思いました」

 「私は、まわりの人が優しくしてくれないとか、あいさつしてくれないとか、『くれない族』になっていたんですね。私が変わらないといけないんだな、と気がつきました。

 すぐに変わったわけではないんですけれども、少しずつ、ああこれが当たり前なんだと思うようになった。だから、非常に咲くことが難しい状況の中で、精いっぱい、人をあてにしないで自分が変わろうとしたのです。私、アメリカで勉強して学位も持ってましたし、多分、自分の心の中におごった気持ちがあったと思うんです。こうしていろんな方にご注意をいただいたり、しかられたりしたおかげで、今の自分があると思います」

 「私、変わったんですよ。学生にこっちからあいさつするようになって、先生方にも、この間はありがとうございましたって自分から言うようになって。つまり、それまでは言ってもらうつもりだったんですね、こんなに苦労してるのにと。それが、そうじゃないんだっていうことに気づいて、自分が変わり始めたら学校が明るくなりました」

 「相田みつをさんの言葉に『幸せはいつも自分の心が決める』というのがありますけど、ほんとに人に幸せにしてもらおうと思ってたら、年を取るだけなんですよね。『置かれたところで咲く』(Bloom where God has planted you.)というのは、岡山においでになったベルギー人の神父様がくださった英語の詩の一節です。私は、本当にいい方たちに恵まれました」
 「置かれた場所で咲きなさい」は次の4部構成となっている。宝珠の名言集だ。

第一章:自分自身に語りかける:「人はどんな場所でも幸せを見つけることができる」他
第二章:明日に向って生きる:「人に恥じない生き方は心を輝かせる」他
第三章:美しく老いる:「老いをチャンスにする」他
第四章:愛するという事:「あなたは大切な人」他

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 仏教詩人・坂村真民(2006年、96歳で没、写真)に触れた箇所がある。

 坂村真民という四国の詩人が、80歳を過ぎて詠んだ詩の中に

 老いることが こんなに美しいとは知らなかった 

 老いることが… しだれ柳のように 自然に頭のさがること…

 と書いています。

 老醜という言葉が示すように、とかく老人は醜く、弱々しく、哀れなものと考えられがちです。特に今の日本のように、若さをよいもの、強さを望ましいものと考えがちな世の中には、それらの価値を喪失したものとして、老いを軽んじ侮る傾向があります。

 (中略)
 
 何かを失うということは、別に何かを得ることでもあります。若い時には、できていたことができなる。それは悲しいことだけでは必ずしもなくて、新しい創造してゆくことなのです。

 今日より若くなる日はありません。だから今日という日を、私の一番若い日として輝いて生きてゆきましょう。これこそは老人に与えられた一つのチャレンジなのです。(第三章:美しく老いる:「いぶし銀の輝きを得る」より)
 同じ章に、「老いをチャンスにする」という題があるが、そこでも坂村真民の詩に触れている。

 「冬がきたら」という詩の中の「冬」を「人生の冬」である高齢者に置き換えて、読んでみるとよいでしょう。

 冬がきたら 冬のことだけ思おう 冬を遠ざけようとしないで

 むしろすすんで 冬のたましいにふれ 冬のいのちにふれよう

 冬がきたら 冬だけが持つ 深さときびしさと 静けさを知ろう…
 彼にはこんな作品もある。(写真左) 写真右は、愛媛県砥部町にある坂村真民記念館

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  いつもカバンの中に入れて自分を励ましたい本だ。


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