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下流老人

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 これからの人生については不安だらけだ。

 「下流老人」とは、生活困窮者支援を行うNPO法人ほっとプラス代表理事で社会福祉士の藤田孝典氏(34歳)が下流老人・一億総老後崩壊の衝撃 (2015年、朝日新書、写真)で使った造語だが、高齢者の逼迫した生活をめぐる問題を捉えた言葉である。

 自分にとって下流老人は現実の問題だ。このままでは間違いなくやって来る将来をどう打開したらよいのか、いつもそのことで頭が一杯になる。

 「だれでもホームレスになりうる」と思っている。

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 言い訳に過ぎないのかも知れないが、市議計8人の辞職・辞職表明が相次ぐ異例の事態となった富山市議会政務活動費不正問題で、最初に不正を認めて辞職した自民会派前会長で元議長の中川勇氏(69歳、写真)が、不正のきっかけは、議員年金の廃止で「老後が心配になったからだという。

 こんな人でも老後が不安なのだ。

 先日、警察が主催する「安全運転管理者」講習会に行ってきたが、そこで、損害保険会社の講師が事故にあった人が、これから働ける期間を計算して補償額を決めるという話をしたが、その働ける年齢とは67歳だと聞いて少し落ち込んだ。

 世間的に見ると、自分は働ける歳の上限なんだ!

 現実問題として、これからいつまで働くことが出来るのだろうか。経営者ではないので自分一人ではそんなことは決められない。それでなくとも、同期の連中でリタイアしている人は多い。今でも自分は恵まれている人間なのだ。
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 奇しくも総務省が9月19日の「敬老の日」に合わせて発表した調査によると、65歳以上の人口が、推計で3,461万人、人口の27.3%を占め、女性は初めて3割を超えたのだそうだ。いずれも過去最高を記録したという。 (朝日新聞、9月18日号)


国立社会保障・人口問題研究所のこれまでの調査では、65歳以上の高齢者が総人口の3割を超えるのは8年後の2024年と推計されている。

 少子高齢化が進むなかで働く高齢者も増えており、同省の労働力調査によると、昨年は過去最高の730万人。このうち65~69歳の就業率は、男性が52・2%、女性が31・6%だった。

 なお、65歳以上の男性は1499万人(男性人口の24・3%)、女性は1962万人(女性人口の30・1%)。年齢別では、70歳以上が2437万人(総人口の19・2%)、75歳以上が1697万人(同13・4%)、80歳以上が1045万人(同8・2%)だった。

 藤田孝典氏の記事が、9月17日の朝日新聞土曜版beフロントランナーに、「下流老人」社会に警告というタイトルで載っていた。

 写真は、かつてホームレスの人たちが暮らす廃車の列があった河川敷。今はその列はなくなった=さいたま市北区
 
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さいたま市北部の芝川河川敷。8月初め、青々と草の茂る道を歩きながらつぶやいた。「ここは僕の活動の原点なんです」大学4年生だった2004年、廃車がずらりと連なり、50人ほどが路上生活をしていた。

 声をかけると「ほっといてくれ」。みんな心を閉ざしていた。それでも通い続け、15回通ったころ、少しずつ話が聞けるようになった。「野宿は厳しいよ」と。

 生活保護の申請に同行し、役所と交渉を重ね、アパートを何軒も回って探しながら、一人ひとり、「路上生活脱出」を手伝った。

 それを機に、生活困窮者の自立・生活支援の組織をつくり、12年間にわたり現場に立ち続ける。

 2011年、NPO法人「ほっとプラス」を設立。ソーシャルワーカーによる専門的な支援として、年に300件ほど相談にのる。最近はその半数近くが高齢者だ。

 「家賃が払えない」「頼れる人がいない」。年金をもらっても、少額で暮らせないという人もいる。だれもが吐露した。「まさか自分がこうなるなんて……」

 「下流老人」。刺激的なタイトルで著書を出したのは、昨年6月だった。大きな反響を呼び、20万部超のベストセラーになった。

 下流老人とは「生活保護基準相当で暮らす高齢者、またはその恐れがある高齢者」と定義する。

 現在600万~700万人と推測し、近い将来は高齢者の9割がそうなると警告する。「今のままの社会だと『下流化』はだれにでも起こりうる。現実を見える形にしようと、本を書いたんです」

 講演・執筆依頼は年に300件近くに。全国を飛び回りながら訴える「社会の急激な変化に加え、貧困に対する無策と無自覚が下流老人を生んでいる。社会問題として対策を立てなければ、1億総老後崩壊になりかねない」

 (中略)

 (高校のとき)アルバイトに行く途中、自転車で男性にぶつかった。路上でテント生活をしているという。人を「おっちゃん」と呼び、バイト帰りに必ず話をするようになった。
 
 おっちゃんは50代半ば。以前は銀行の支店長を務め、年収は1千万円以上。持ち家もあり、妻と息子2人で暮らしていた。

根強い自己責任論

 ところが、過労でうつを発症し、リストラの憂き目に。離婚し、貯金と自宅は家族へ渡した。消費者金融からの借金がかさみ、ついにアパートを出ざるをえなくなったという。「だれでもホームレスになりうることを知りました」

 おっちゃんは労災保険、失業保険、生活保護といった、当然の権利としての社会保障を申請しても、受けられなかったということを、つぶさに教えてくれた。教科書で学んでいた制度の知識と運用の実態は、まるで違うものだった。
 
「おっちゃんのような人を救える勉強がしたい」。そんな思いがわき起こったという。

 学生時代は毎週末、東京・新宿でホームレスを見回る活動に参加し、千人以上から話を聞いた。ソーシャルワーカーの資格をとり、大学院に通いながらNPOを立ち上げ、生活困窮者への新しいタイプの支援活動を始める。一人ひとり専門的に、継続的に見守りながら、自立を助けるのだ。寄付金を募り、低額で貸し出すアパートを何棟も用意した。

 そんな中で確信したのは「本人がどれだけ努力しても、貧困に陥る社会構造がある」ということ。

 ところが日本の社会では、それは自己責任だと長年考えられ、今もその意識は根強い。著書『下流老人』の中で強調したのもその点だ。

 「個人が、家族が、という問題ではなく、そろそろ、社会の問題として対策を考えていきませんか」都内で開かれたある講演で、こう呼びかけた。

貧困から未来を見る

 NPO法人「ほっとプラス」の活動の中で、最近実感するのは、普通の人たちが病気、介護、離婚など、一つの要因であっというまに破綻していくケースが多いことだ。

 会場の高齢者は熱心に聴き入る。

 その背景には核家族化、高齢化、婚姻率の低下、格差拡大、雇用の悪化など、社会自体の変化がある。しかし、社会保障や福祉の政策、機能がついていっていないという。

 「たとえば生活保護。年金をもらっていても受けられるのに、必要な情報が伝わっていない。そもそも日本では大半の福祉サービスが、申請しない限り受けられないんです」

 個人防衛策も説く。「プライドは捨てましょう」「利用できる制度をもっと知って」「地域の人々と交流を」……。最後にまた、「社会を変えていかないと現状は変わらない。声をあげてください」と念を押す。

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 いま、下流老人以上の大きな問題としてとらえているのが、若者の貧困だ。近著『貧困世代』(講談社現代新書、写真)では「貧困であることを一生涯宿命づけられた若者たち」(15~39歳)が3600万人いると推定する。「とくに教育への援助はあまりにも少ない」

 自分もバブル崩壊後の「希望の見えない時代」を生きてきた世代。他人事には思えないものがある。

 支援のあり方も変わるべきだという。「これまでは相談を受けて、それで完結してしまっていた。その人たちがどうやって生まれてきたのかと、構造にまで働きかけないと問題は解決しません」

 そこで重要になってくるのがソーシャルワーカーの役割だと考える。

 ソーシャルワークとは本来、社会に働きかけるもの。当事者の声を制度・政策に反映させ、社会を変える。「そうした意識をもつソーシャルワーカーが、日本にも必要だと思う」

 (中略)

 「貧困の現場からは、社会の次の姿が見えるんです。一番弱い立場の人から、一番よく社会が見えます」5年、10年後の予想がおもしろいほどあたるそうだ。『下流老人』で書いた未来が現実とならないために、今日も声をあげる。

 テレビで、認知症の妻を年老いた夫が介護している姿を、その娘がカメラで追っているシーンを見た。聞いたことのある方言が気になったが、自分の故郷の呉市の話だった。

 「誰もが先の見えない不安と戦っている」というナレーションが印象に残った。自分にはありえない話だと断言は全くできない。

●「経済的自由の達成」が悩み解消に一番効果的という現実

人生には、さまざまな「悩み」がありますが、分類すると「人間関係」「お金」「健康」「将来」の4つほどに集約されます。

 おもしろいことに、お金の悩みが解消されると、ほかの3つの悩みも一気に軽減されます。

 人間関係に悩んでいた人も、経済的不安から逃れられれば悩みも悩みでなくなる可能性が十分あります。会社での人間関係に苦しんでいるなら、さっさと会社を辞めればよいからです。病気で苦しんでいた人も、経済的条件が好転すれば苦しみを軽減できるかもしれません。将来に対する漠然とした不安や悩みも、経済的不安さえなければ消える可能性大でしょう。十分な資産があれば、貧困老後に陥る恐怖がかなり軽減されるからです。

 つまり、経済的な自由、生活に困らない潤沢な資産保有を実現した人なら、人生におけるさまざまな悩みも、ほとんど雲散霧消してしまうほどの蓋然性をもつ現実があるわけです。したがって、誰もが「お金」に執着します。「人生は金がすべてだ!」とうそぶく人も出てくるゆえんでしょう。

 ただし、「金がすべて」と言い切るのは行きすぎの感は否めませんが、お金の存在が「悩み」のない人生に寄与するのは、一面の真理であることは間違いないことでしょう。経済基盤あっての人生だからです。

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 英国の劇作家オスカー・ワイルド(1854~1900年、写真)は、「若い時、自分は人生でもっとも大切なものは金だと思っていた。今、歳をとってみると、まったくその通りだとわかった」という言葉を残していますが、晩年不遇だっただけに身に染みた響きに聞こえます。

●生涯収入と生涯支出が概ねトントンになりがち

しかし、「お金」が潤沢な人は、そうそういません。年収1000万円を超える人は、勤労者に限ればたったの3%弱にすぎないからです。

 男性の正規雇用者の平均年収は、2014年で514万円です(国税庁データ。厚労省「国民生活基礎調査」の15年1世帯当たりの平均所得は541万円)。給与生活者の生涯年収も、独立行政法人労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計」(14年)では、高卒で1.9億円、高専・短大卒で2億円、大学・大学院卒で、2.5億円となっています(退職金を含まない生涯年収。12年の大卒退職金平均値は厚労省データで1941万円)。

いっぽう生涯支出のほうは、30歳で結婚して子供1人を大学まで卒業させた場合で、60歳時点の世帯では概ね1億5000万円~2億4000万円です(賃貸住居、マイホーム購入の場合でも同様)。親元から独立し、60歳定年までの生涯支出は平均すると2億円そこそこというわけです。

 差し引きすると収支がトントンになる人が多く、60歳定年時に十分な貯蓄ができないことがわかります。ちなみに退職金を得た60代世帯の貯蓄の中央値は1398万円で、貯蓄ゼロ世帯は約30%にも上ります(14年の金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」より)。詳細については、拙著『老後に5000万円が残るお金の話』(ワニブックス刊)に詳しく記していますので、興味のある方はご参照ください。

 こうしてみるだけでも、お金が自由になる人は非常に少なく、ほとんどの人が生涯、悩みとは無縁でない生活に翻弄される事情が浮き彫りになるわけです。

●「悩み解消」のスキルを身に付ける大切さ

 お金に関する悩みの解決が難しいのですから、現代人はその悩みを解消するスキルを実践的に身につけておくことが大事だといえるでしょう。一般的には、次のようなものがあります。

(1)悩みの本質を理解する

 「困った」「もう無理」「希望がない」といった悶々とした思考を繰り返すばかりでは、問題解決は遠のきます。「なぜ困っているのか?」「どうして無理なのか?」「なぜ希望が持てないのか?」、悩んでいる問題を自分の本音や具体的事実と照らし合わせて分析、分解、個別的に考えることで、本当に困っている本質をえぐり出し、自分にとって障害となっている事柄をまずは明確にしなければいけません。

(2)冷静に客観的に判断する

 問題の本質を見いだしたなら、それ以上モヤモヤを抱えても問題は解決しません。冷静な判断を行い解決へと導くためには、自分の問題として考えずに、第三者の冷静な視点を取り入れる工夫が必要になります。類似の案件を探す、第三者に相談する、専門家の意見を聞くなどが挙げられます。

(3)時間軸で考える

 時間的経過で悩みの問題の変容をとらえ、どのように行動することで悩みが軽減できるのか、解決へと導けるかを、ゴールからの逆算でとらえ、現時点で最適な行動を導き出すことが大事です。

(4)矮小化して考える

 とかく人間は、自分の身に降りかかる問題を大きく、被害甚大に考えがちです。自分にとって大きな問題であっても、自分という存在を天空から眺め下ろすように俯瞰的にメタ認知的視点でとらえてみると、意外に小さな問題だとわかってくる場合もあります。あるいは、「本当は小さな問題にすぎないのではないか」という疑念で見つめ直すことで、解決のヒントにたどり着くこともあります。

 以上のような手法を試し、現実の悩みに向き合うと、どのような行動が今の自分に必要かが浮かび上がってくるはずです。逆説的にいえば、人が物事に思い悩むのは、「現時点では解決不能」と思い込むからです。「どうしてよいかわからない」と思うほどに、悩みは深まるわけです。これでは悩みは永遠に解決できずに、いつまでも背負い込み続けることになります。

 悩みは、人を成長させてくれる大事な人生の糧でもありますが、とてもそんな発想には至らず、出口のない迷路にはまったように思い、「悩みのない人生」に憧れるのが人の性です。 

●心理学による新しい「悩み」の解決法

 笑顔で希望に満ちた人生を歩むためには、上手な悩みの解決手法を自分で見つけられるようにならなければいけません。ここまで、お読みいただいた方には、悩みというものは考え方次第――ということにお気づきいただけたのではないかと思います。つまり、「考え方=心のフレーム」が重要なのです。

 心のフレームを変えることで、悩みが悩みでなくなったり、新たな別の発想によって、大きな発展へとつながる絶好のチャンスでもあったりするわけです。こうした「悩み」のコントロール法で、大変おもしろいヒントを与えてくれる本がありましたので、最後にご紹介しておきます。ビジネス心理研究家の神岡真司氏の著書『悩み0(ゼロ) 心理学の新しい解決法(ワニブックス刊)です。

 幸せを感じる法、貧乏からの卒業法、禁煙法、買い物中毒脱出法、マンネリ脱却法といった身近な人生の悩みから、職場、恋愛、日常生活での悩みなど個別の解決法について、心理学からのユニークなアプローチ手法が載っています。人生の発想トレーニング法としても参考になるかと思いますので、お薦めします。
 冷静になれば、下流老人対策はあるかもしれないね。






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