テレビの人気番組『世界が驚いたニッポン! スゴ?イデスネ!!視察団』(写真)の特別企画! 「一流の外国人料理関係者が選んだ!なくさないで欲しい日本の食ランキング30」(8月6日(土)・テレビ朝日)の結果に少し驚いた。
【なくさないで欲しい日本の食ランキング30】で、味噌が第一位に選ばれたからだ。(写真)ーそんなに世界的人気があるんだ。
ちなみに、1位「味噌」 2位「寿司」 3位「そば」 4位「納豆」 5位「焼き鳥」 6位「昆布」 7位「醤油」 8位「梅干し」 9位「日本酒」 10位「豆腐」で、
10位以下は、 11位「うどん」 12位「かつお節」 13位「そうめん」 14位「柚子こしょう」 15位「こんにゃく」 16位「刺身」 17位「お好み焼き」 18位「ちくわ」 19位「きな粉」 20位「すき焼き」 21位「煮干し」 22位「みりん」 23位 「たこ焼き」 24位「わさび」 25位「お米」 26位「海苔」 27位「うなぎの蒲焼」 28位「おでん」 29位「アジの干物」 30位「天ぷら」となっている。
日本は気温、湿度などの発酵に適した気候に恵まれ、世界でも有数の発酵大国。
日本各地には、味噌、醤油、酒、酢、みりんなど「麹」(こうじ)(写真)を使った伝統的な発酵食品が多数存在する。
その他、納豆や漬け物、鰹節など我が国の発酵食品文化は非常に発展している。(図)
日本発酵協会参照
上段左から、飯寿司(北海道)、ハタハタ寿司(秋田)、三五八漬け(会津)、ふぐの卵巣の糠(ぬか)漬け(佐渡)、かんずり(新潟)
下段左から、納豆(水戸)、べったら漬け(東京)、かぶら寿司(金沢)、しょうゆの実(長野)、いなかご醤油(香川)、豆腐餻(よう)(沖縄)
味噌の起源
味噌の起源は古代中国の食品「醤」(しょう/ひしお)」「豉」(し/くき)だと考えられていて、日本に伝えられたのは、中国大陸や朝鮮を通って飛鳥時代の7世紀頃という説が有力で、1300年の歴史のある、世界に誇る発酵商品である。
「醤」という文字が日本で初めてみられるのは「大宝律令」(701年)で、「未醤」という文字が書かれておりこれが「みしょう」 ⇒ 「みしょ」 ⇒ 「みそ」と変化していったといわれている。
料理(特に和食)の味付けの基本になる五つの調味料の家の一つで、それらを使うときの順序を覚えるための語呂合わせとして、「さしすせそ」を用いるがその「そ」に当たる。
砂糖(さとう)⇒塩(しお)⇒酢(す)⇒醤油(せうゆ)⇒味噌(みそ)
味噌にもいろんな種類がある(下図)
自分の故郷は広島県だが、どうやら米味噌、甘味噌、白味噌をずっと食べてきたようだ。(写真) 具は、豆腐やわかめ、油あげなど。野菜は何でも入れた。子供のころ、赤味噌は存在自体を知らなかった。
味噌を使って食べる食品は、主に味噌汁。味噌汁は正に「おふくろの味」だった。家庭の朝食でみそ汁を欠かしたことは無かった。
おかずが不足した戦後間もない幼いころは、「ねこまんま」(写真)というが、汁かけご飯にして食べたものだ。
読んで字のごとし、「猫に与える餌」というのが語源のようだ。
千昌夫/味噌汁の詩(1981年)
小学校の実習の時間に味噌汁を作った味が忘れられない
早速家に帰り、家族に振る舞った。我ながらおいしかったことを覚えている。
(こういうのを「手前みそ」というらしい
)

ところで、味噌汁の出汁(だし)の取り方は昆布、かつお節、煮干しと3種類あるが、母は煮干し専門だった。
そのことをなぜ今でも覚えているかというと、よく煮干しの出汁ガラが残っていて、一緒に食べていたからだ。
煮干しの出汁ガラは味が抜けて、とてもおいしいものではない。
(こういうのを「みそも糞も一緒」というらしい
)

これはただ捨てるのではなく、佃煮(写真)にしたらいいそうだ。
なお、今は味気ないインスタント食品ばかりだが、おいしい味噌汁を作ってみたくなった。
marukomeおいしいみそ汁の作り方によると、煮干しの出汁はこんな風にして作る。
味噌に関することわざは多い
ご飯と味噌汁は日本人向きの食事といわれ、生活習慣病の予防に味噌は見直されている。
味噌に含まれる塩分の有害性について、「減塩味噌」などが脚光を浴びているが、塩分摂取量と胃癌の発生率には正の相関があることがわかっているものの、味噌の塩分による胃がん発生率上昇のリスクは同量の食塩よりも低い。
また、通常高血圧を引き起こす塩分だが、味噌は血圧をほぼ上げない可能性が動物実験から示唆されている。味噌の大豆タンパクが血圧下降に作用しているからだそうだ。
みそと健康に関することわざをいくつか。
●「味噌汁は朝の毒消し」
●「みそ豆は七里帰っても食え」
●「みそで呑む一杯、酒に毒はなし」
●「みそ豆は七里帰っても食え」
●「みそで呑む一杯、酒に毒はなし」
●「味噌の医者殺し」「医者に金を払うよりも、味噌屋に払え」
現在放映中のNHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」
現在放映中のNHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」
妹の鞠子(相楽樹)の披露宴。夫婦の上司である花山編集長(唐沢寿明、写真右)のあいさつの内容が同じであわてる新婦の姉のヒロイン・常子を演じる高畑充希(写真左)。
花山編集長のあいさつは、味噌汁で夫婦仲良くという趣旨だった。
今どき、「味噌汁の作れないような嫁はもらうな」と言うと旧い考えなのだろうか。
南こうせつ/妹(1974年)【あの味噌汁の作り方を書いておけ】