前作「認知症」で、何と言っても今一番不安な病気は「がん」と「認知症」であることをお伝えした。
その内の「がん」には「5年生存説」という言葉がある。
よく、がん手術を受けた人が「あと半年で手術から5年。それまでに再発しなければ完治したことになる」と期待の発言をすることがある。これが「5年生存説」だ。
だが、これはどうやら医者が患者に言った気休めが独り歩きし、都市伝説みたいに語り継がれたもので、医学的根拠は希薄のようだ。
それについては、がん10年生存率、全部位・病期58.2%- 国がん・全がん協が初集計(医療介護CBニュース、1月20日号)と言う記事が。
国立がん研究センター(国がん、堀田知光理事長)は20日、全国がん(成人病)センター協議会(全がん協、堀田会長)の協力を得て初めて集計したすべてのがんの全臨床病期の10年相対生存率が58.2%だったと発表した。
生存率が90%以上だったのは、甲状腺で90.9%だった一方、30%未満だったのは食道(29.7%)、胆のう胆道(19.7%)、肝(15.3%)、膵(4.9%)などだった。
KapWebの開発者である千葉県がんセンター研究所の三上春夫所長は、10年相対生存率を算出する意義について、「がんという病気は、5年や10年で終わるものではなく、私たちは長い経過の一部を切り取って評価をしている。これにより、がんを長い経過でとらえることができる」と話している。
これに関連した記事が日刊ゲンダイ1月22日号に。「全がん協」の調査で判明 肝がん 肺がん 乳がん…5年生存説はウソだった
それによると、がんの種類によって5年後と10年後の生存率に違いがあるというのだ。
比較的安心できるのは胃がんと大腸がんで、前者は5年後の生存率が70.9%、10年後が69%。後者は5年後が72.1%、10年後が69.8%で70%前後でほぼ横ばい。手術後10年経っても死亡する確率が低い。
問題は肝がんと乳がん、肺がんだ。肝がんは5年後の生存率32.2%が10年後が15.3%
と半分以下に激減。乳がんは88.7%→80.4%、肺がん39.5%→33.2%と生存率がぐっと低くなる。
がん手術から5年以上経っても、実はがんが取り切れていなかったとか、遺伝的な体質でまた同じ部位にがんが発生するという再発が起きているということだ。
5年以降も年に数回、MRIや超音波検査、血液の腫瘍マーカーなどを受ける必要があり、中でも他の部位への転移が心配な人には腫瘍マーカーがお勧めとか。
要は、がんとは一生戦う覚悟が必要だということのようである。
がんの発生には様々な要因がからんでいるが、ガン遺伝物質といった要因だけではなく、ストレス等の精神的な要因も大きく作用している。
「気」の世界では、過度のストレスは、肝臓や腎臓に障害を起こし、特に、「怒り」は体内で毒素を作って肝臓に害を与え、「恐怖」は腎臓に、「悲しみ」は肺に害を与えるそうだ。
逆に、精神状態が安定がしていると、「気」の流れもよく、体も健康体となる。気持ちを楽にして、心に余裕を持つことが大切だというのだ。
自分は喜怒哀楽が激しい。心が落ち込むときも多い。「心の管理」をしっかりとしなければならないと、いつも思っている。