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人物が題名の歌【邦楽編その1】

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 日本人は「任侠もの」が好きである。
 
イメージ 4 少し死語に近づきつつあるが、「判官びいき」とか、「強気を挫き弱気を助ける」という言葉がもてはやされ、「股旅もの」とか、「的屋」とか「香具師」とか、(写真)世の中から少し外れたアウトローたちに人気が集まった。
 
 「木枯し紋次郎」「フーテンの寅さん」がその典型である。
 
上條恒彦/木枯し紋次郎・主題歌「だれかが風の中で」(1972年)
渥美清/男はつらいよ・同名主題歌(1970年)
 


 それを「侠客」と言って、「任侠を建前とした渡世人」を総称していた。
 
イメージ 3 以前、股旅ものというテーマで特集したことがあるが、「股旅」とは、小説家/劇作家・長谷川伸1963年、79歳で没)(写真)の造語であり、旅から旅を股にかける男で、非生産的で、多くは無学で、孤独で、いばらを背負っていることを知っているものたちである」と定義している。
 
 彼の作品から映画や歌にもなったのは、沓掛時次郎」「番場の忠太郎」(瞼の母「駒形茂兵衛」(一本刀土俵入り)などがあり、多くの有名な渡世人を生んでいる。
 
 島津亜矢が聴かせる。セリフは長いが十分聴きごたえあるよ。
 
橋幸夫/沓掛時次郎(1961年)
島津亜矢/瞼の母(1991年)
 


 そして、「暴力団」「愚連隊」というのは怖いが、それと同義語の「やくざ」という言葉に日本人は何となく親しみを感じている。それは、「強気を挫き弱気を助けてくれる」という庶民の期待と支えがあったからだろう。
 
イメージ 1イメージ 2 その証拠に、清水次郎長」(1893年、73歳で没)(写真左)「国定忠治」(1851年、40歳で没)(写真右)は何度も映画化され、二人とも銅像まで建てられた人気者である。
 
 小泉純一郎元首相の祖父、小泉又次郎は、「入れ墨大臣」「入れ墨の又さん」と呼ばれ、国会の暴れん坊「ハマコー」こと浜田幸一(2012年、83歳で没)も元やくざだった。
 
 橋下大阪市長が、公務員の入れ墨を禁じるどころの騒ぎではなかったのだ。


ディック・ミネ/旅姿三人男(1938年)
東海林太郎/名月赤城山(1937年)
 


 歌舞伎のアウトロー
 
春日八郎/お富さん(1954年)
 
イメージ 5 大ヒット曲「お富さん」は作詞:山崎正、作曲:渡久地政信
 
 歌舞伎の「与話情浮名横櫛」(通称:切られ与三郎)から、「粋な黒塀」「見越の松」「他人の花」といった仇っぽい名詞句を何も知らない子供までもが盛んに歌った。
 

 1991年、春日が67歳で亡くなった時の葬儀では、参列者全員でこの「お富さん」を合唱したという。


坂本冬美/夜桜お七(1994年)
 
イメージ 6 曲名の「お七」とは八百屋お七(1683年、15歳?で没)のこと。
 
 江戸時代前期、江戸本郷八百屋の娘で、恋人に会いたい一心で放火事件を起こし火刑に処されたとされる少女である。
 

 井原西鶴好色五人女」に取り上げられたことで広く知られるようになり、歌舞伎文楽など様々な文芸・演芸において多様な趣向の凝らされた諸作品の主人公になっている。


 Wikipedia参照

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