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江戸に学ぶ・江戸の三ない主義【その1】

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 どこの世界でも多分同じだ。

 責任者が交代したとき、事業が順調な時とか、前任者がまだ会社に残っていれば気を使って「これまでのやり方を踏襲する」と言うこともあるが、退職していれば、後任は欠席裁判のように、今までのやり方をけちょんけちょんに貶し、その代り、お決まりのように「これからはバラ色になると言うものだ。

 そして、前任者のなじみにしていたお店には決して行かない。

 自分は転職が多いので、両方の立場を経験している。「後任」になったことも何度かあるので、これまでのやり方を否定したい気持ちはよく分かる。普通、順風満帆だったら、社外から人材は求めない。転職者は過去のしがらみにとらわれず、会社を変革する使命を帯びて入社する。

過去が全て悪いわけではない

 しかし、歴史は過去から繋がっているし、全てが悪いわけではないのでそれを全否定すると、在籍者に対して失礼だし、改革を手伝ってもらわなければならない彼らと対立することになりかねない。人前でこれを言ってはいけない。

 安倍首相は事あるごとに民主党政権のことを非難するが、本当に見苦しいと思う。

 江戸時代もその被害にあっている。

 それに江戸幕府は封建制度で身分社会であり、天皇をないがしろにしたという汚名がある。

 80年代にはブームとなったこともあるが、もっと江戸時代を評価するべきだと思う。


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 認知科学者、計算機科学者・苫米地英人氏の著書「明治維新という洗脳」(ビジネス社、2015年、写真)を読むと、江戸時代の叡知と志の凄さを再認識させられる。

 現代の問題は、古くは明治維新に繋がっているというのが、苫米地氏の主張だ。

 なりふり構わぬ明治礼賛は、安倍首相につながる「長州閥」に根っこがある。(写真)

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 現在放映中の「西郷どん」は明治150年を記念したものだが、2015年に放映のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」は、長州藩士の吉田松陰らの活躍を描いたもので、官邸サイドからNHKに指示があったことが明らかになっている。

 こんなことまで口を出しているのだから、これで、一連の事件に安倍首相が全くかかわっていないなんて、信じられるわけないよね。


 拙ブログ・敬老の日に寄せて【その2】では、
日本が抱える問題について、内田樹氏の鋭い指摘を紹介している。
 
 「経済活動というのは、恒常的な交換のサイクルを創り出し、それを維持することを通じて、人間の成熟を支援するための仕組みです。(中略)

 交換活動の安定的で信頼できるプレイヤーとして認められるためには、約束を守る、嘘をつかない、利益を独占しないといった人間的資質を具えている必要がある。(中略)

 でも、高度経済成長期以後、日本では金儲けの能力と人間的成熟の間のリンケージは切れてしまった。子どもでも嘘つきでもエゴイストでも、勢いに乗れば経済的に成功できた。でも、プレイヤーに市民的成熟を要求しない経済活動というのは、人類学的には経済活動ではないんです。無意味だから。そんなのはただの時間潰しのゲームに過ぎない。そんなゲームは人類が生き延びてゆく上では何の意味もない」

 「約束を守る、嘘をつかない、利益を独占しない」という言葉は、現在の政府を皮肉っているようにも見える。

 森友・加計問題や自民党総裁選挙でもあからさまになったことは、国民とか国家という自分たちに課されている大義を忘れ、猟官とか権力に媚びる国会議員や官僚の醜態だ。

 経済成長を弱者が犠牲になる「カジノ」、「原発再稼働」、「軍備」などに求める。自分の仲間を優遇する「特区制度」。

 セレブがもてはやされ、「儲ければどんなことをしてもいい」という風潮が世の中に蔓延している。

 どんどん日本という国が劣化している。

 その原点は明治維新にある。むしろ、明治150年を機に、今や、誤解と偏見に基づいて、美化しすぎていた明治時代を再考証すべきときがやってきたのではないかと思う。
 続く。

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