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平和について【その3】

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積極的平和主義

 何度もブログでは伝えてきたが、見方によっては、日本語というのはズルイ言葉だ。

 「少女買春」「援助交際」にすり替わってしまうし、昔は「よろめき」と呼ばれたこともあったが、「婚外恋愛」も同じである。「不倫」「姦通」いう背徳性のある言葉を、罪悪感を減らすように上手く言い換えている。

 「敗戦」「終戦」に置き換わり、戦後の意味合いが変わってしまった。

 政府のキャッチフレーズにもそのような目くらましが多い。

 以前「骨太の方針」とか言っていたがあれは一体何だったのか、未だにわからない。「アベノミクス」と言えばあたかもレベルの高い学問のように聞こえるし、「積極的平和主義」「軍国主義」といった方が早いような気がする。

 特に「積極的平和主義」という言葉にとても胡散臭さを覚える。たとえば、戦争に加担する法律を作るのに、なぜ、「平和のため」という言い方をするのか。そして、国民はその言い方にはごまかしが入っていると気付いているはずなのに、なぜ、消極的にでも受け入れようとしているのか。
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 「平和学の父」と讃えられ、「積極的平和」概念の生みの親、ノルウェーのヨハン・ガルトゥング(87歳、写真)は、安倍政権の掲げる積極的平和主義に関して、「安倍首相は『積極的平和』という言葉を盗用し、私が意図した本来の意味とは正反対のことをしようとしている」「私が1958年に考えだした「積極的平和」の盗用で、本来の意味とは真逆だ」「積極的平和は平和を深めるもので、軍事同盟は必要とせず、専守防衛を旨とします。平和の概念が誤用されています」と述べ、さらに「積極的平和は全く軍事的なものではない」として、「安全保障関連法案は、平和の逆をいくものです。成立すれば、日本は米国と一致協力して世界中で武力を行使していくことになるでしょう。そうなれば、必ず報復を招きます。日本の安全を高めるどころか、安全が脅かされるようになります」と批判している。(Wikipedia参照)


歴史と戦争

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 作家・半藤一利著の「歴史と戦争」(幻冬舎新書、写真)の新聞広告が大きく載っていたので書店に行ってみたが、どうやら売り切れるほどの人気のようだ。

 この広告で、「コチコチの愛国者ほど国を害する者はいない」「先の戦争は、人間がどのくらい非人間的になれるかを教えてくれた」「『非戦をとなえてもムダ」というあきらめが戦争を招く」という言葉に特に興味をそそられた。
 
 「真実の明治150年史」というサブタイトルの解説は、『幕末・明治維新からの日本近代化の歩みは、戦争の歴史でもあった。日本民族は世界一優秀だという驕りのもと、無能・無責任なエリートが戦争につきすすみ、メディアはそれを煽り、国民は熱狂した。過ちを繰り返さないために、私たちは歴史に何を学ぶべきなのか。「コチコチの愛国者ほど国を害する者はいない」「戦争の恐ろしさの本質は、非人間的になっていることに気付かないことにある」「日本人は歴史に対する責任というものを持たない民族」』とある。

 いずれこの本を買ったとき、ブログで報告するかもしれない。
今後世界はどうなるか

戦争の世紀・20世紀

 20世紀は戦争の時代といわれ「戦争の世紀・20世紀」とも呼ばれた。第二次世界大戦以降は、アメリカを中心とする自由主義陣営とソビエトを盟主とする社会主義陣営が、イデオロギーを背景に厳しく対立する「冷戦」時代を経験した。長く続いた東西冷戦時代は、一方の盟主国ソビエトが1991年に崩壊したことで終焉し、平和で豊かな21世紀を期待する機運が高まった。

加古隆/NHK映像の世紀より「パリは燃えているか」(2000年)


「新しい戦争」が登場した21世紀

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 しかし、冷戦の代わりに各地で民族紛争宗教紛争が勃発。
2001年9月11日には、アメリカで衝撃的な「同時多発テロ」(写真)が、国際的なテロ組織アルカイダによって引き起こされた。平和な21世紀という願いは、テロ攻撃で一瞬のうちに崩れ去った。

 宗教は、現状では世界の平和には全く貢献していない。下図「世界の紛争地帯と宗教分布」である。この図から見る限り、宗教はむしろ世界の対立をあおっていると言われても反論できないだろう。

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 新約聖書の「汝の敵を愛せよ」や、「罪を憎んで人を憎まず」といった博愛精神はどこに行ったのだろうか。

 ソビエトの崩壊後、世界で唯一の覇権国として君臨していたアメリカは、テロ組織撲滅という正義を掲げて「対テロ戦争」に踏み出した。アルカイダの根拠地とされるアフガニスタンを攻撃し、タリバン政権を打倒。また、大量破壊兵器保持という理由でイラクを攻撃し、フセイン政権を打倒した。

 ジョージ・ブッシュ大統領が「同時多発テロ」に対し、「世界中のすべてのテロ組織を捜しだし、撲滅するまで我々の戦いは終わらない」と宣言した報復の連鎖は、旧約聖書の出エジプト記の「目には目を」という言葉のように、復讐のための報復戦争は正当との考えを示している。 

 そして、「悪の枢軸」と名指しされたイラクを除く2国についても、今、大きな転機を迎えている。

 一つは米朝会談が後1ヶ月(6月12日)に迫った一方で、イランとの核合意にアメリカが離脱するという大事件だ。

 いずれも核問題が起点だ。

 非核というが、まだ世界はこんなに核を持っている。それでもグラフの通り、徐々に核は減ってきたことも事実だ。

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 2014年は全世界で9,920発、ペレストロイカ(ソ連)の年、1985年は62,574発(ソ連38,582、アメリカ23,368)もあった。当時の16%84%の削減である。

 原爆が広島・長崎に投下されてから今年で73年。原爆を落とされ、しかも原子力施設の破壊を経験している国(日本)ですら、それが風化しつつあるというのに、核爆弾の被害を受けていない国はこの恐ろしさが分からないのだろうか。

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元東大全共闘議長・山本義隆氏の述懐

 拙ブログ・1968 抵抗のうねりで紹介した、元東大全共闘議長の山本義隆氏の学生運動の背景にあった思想的潮流「60年代後半に出てきた、絶対的な正義とされた三つのシンボルへの疑問」

 1.平和:「ベトナム反戦運動によって(日本が平和であればという)一国平和主義を超えた」

 2.民主主義:「民主主義を守れ」というスローガンは、多数決の優位などにより「社会的弱者を抑圧しかねないと分かってきた」

 3.科学技術の進歩:「科学は自然ではあり得ない状況をつくって特定の現象を法則化するが、そのままでは技術にならない。技術化する際に公害などが起きたら、責任は科学にもある。そんな責任を省みてこなかった科学のあり方が問われた」

 は、現在も通用する大きな課題だ。

 この中で3番の「科学技術の進歩」についての発言が印象的だ。科学技術者は何よりも人類の健康と平和のことを考えなければならないのに、実はそうではなかったことを歴史は証明している。
 
 平和の原点は「許す」「赦す」ということだろう。考えが違うこと、民族が違うこと、宗教が違うこと、肌の色が違うこと。違いを認めるということだ。

 日本に限らず今世界は「反知性主義」が蔓延している。自分の国さえよければいいという考えが多くなり、どんどん世の中がおかしくなっている。今は世界が全体的に変な方向に向かっているように感じるのが心配だ。

ジョン・レノン/イマジン

 この曲は、「同時多発テロ」以後アメリカで放送自粛になったそうだ。戦時中は言論を制限される。日本もその雰囲気が漂っている。

 歌詞は次の通り。(http://ai-zen.net/kanrinin/kanrinin5.htm転載)

 想像してごらん 天国なんて無いんだと ほら、簡単でしょう? 地面の下に地獄なんて無いし 僕たちの上には ただがあるだけ さあ想像してごらん みんながただを生きているって...

 想像してごらん なんて無いんだと そんなに難しくないでしょう? 殺す理由も死ぬ理由も無く そして宗教も無い さあ想像してごらん みんながただ平和に生きているって...

 僕のことを夢想家だと言うかもしれないね でも僕一人じゃないはず いつかあなたもみんな仲間になって きっと世界はひとつになるんだ

 想像してごらん 何も所有しないって あなたなら出来ると思うよ 欲張ったり飢えることも無い 人はみんな兄弟なんだって

 想像してごらん みんなが 世界を分かち合うんだって...僕のことを夢想家だと言うかもしれないね でも僕一人じゃないはず いつかあなたもみんな仲間になって そして世界はきっとひとつになるんだ

ジョン・レノン/イマジン(1971年)



 戦争をしたがっている連中は、吉永小百合さんの爪の垢でも煎じた方がいい。

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