(ここのところブログの調子がすこぶるおかしい。書いた記事が途中までしか反映しないのだ。それで前作に続いてこんな内容を)
●雪の曲
この冬の東京の初雪は昨年12月31日の大みそかの朝。平年より3日早い初雪となった。
大みそかに初雪が観測されたのは、1887年以来、実に130年ぶりのことだという。
灰田勝彦/新雪(1942年)
本日(1/23)の朝日新聞・天声人語のお題は「雪の日に」だった。
雨は「しとしと」降る。風は「びゅうびゅう」吹く。では雪は。「しんしん」か。いやいや「こんこん」だろう。〈雪やこんこん〉と歌うではないか。そう思われた方もおられるか。しかし、こんこんの意味にはどうも諸説あるようだ。
国語学者の若井勲夫さんが、著書『唱歌・童歌・寮歌』で、「こんこん」を擬態・擬音語と考えていいのか、と疑問を呈している。「雪や」と呼びかけているのだから、「来む来む」が正しいと。なるほど「雪よ降ってこい」の意味だと思うと、雪だるまや雪合戦に興じる子どもの実感に沿うも知れない。…
Wikipediaによると、この歌の「雪」は、日本の童謡。文部省唱歌。作詞者、作曲者ともに不詳。1911年(明治44年)の『尋常小学唱歌(二)』が初出。この曲では「雪はこんこ」と歌っている。
ちなみに、その10年前の1901年(明治34年)、滝廉太郎が作曲、東くめが(1877-1969年、91歳で没、写真)作詞し出版した「幼稚園唱歌」の18曲目には「雪やこんこん」という別の曲があり、こちらは「雪やこんこん」と歌っている(「こんこ」ではない)。始めの歌詞は「雪やこんこん あられやこんこん」である。
彼女は、「鳩ぽっぽ」や「お正月」を作詞し、滝とコンビを組んでいたことでも知られる。まだ難解な文語体の歌詞の時代、口語歌詞がなかった当時としては、これらは画期的であり、驚きとともに注目され広まった。
「こんこ」は木を切ったときのコーンコーンという音が響いている音をこんこと表したという説もある。
「雪」では、1番と2番を間違えて歌ったり、1番の第2節から2番の第3節につなげて歌う人が多い。正確にはこんな歌詞だ。
1番:雪やこんこ あられやこんこ 降っては降っては ずんずん積もる 山も野原も わたぼうしかぶり 枯れ木残らず 花が咲く
2番:雪やこんこ あられやこんこ 降っても降っても まだ降りやまぬ 犬は喜び 庭駆け回り 猫はコタツで丸くなる
雪(1911年)
サルバトーレ・アダモ/雪が降る(1963年)
吉田拓郎/外は白い雪の夜(1979年)
吉幾三/雪国(1986年)
最後はもう一度「雪が降る」を。今度はポール―・モーリアの演奏で。
ポール・モーリア/雪が降る(1971年)