田園都市線は、渋谷駅(東京都渋谷区)から中央林間駅(神奈川県大和市)までを結ぶ鉄道路線。渋谷から中央林間まで27の駅があり、各駅停車だと55分かかるが、駅間が平均2分と、短いのが特徴だ。
田園都市線は踏切のない路線として有名で、駅の数の割に早いのはそのせいもあるのだろう。
●社会人になり立てのころの田園都市線
1971年、社会人になってすぐに通勤で田園都市線を利用した。本社が渋谷、社員寮の最寄り駅が溝の口駅だったからだが、寮が藤が丘に移って、本社が目黒区青葉台に移転しても、田園都市線だった。
当時渋谷ー二子玉川間は鉄道が無かった。
それで、本社が渋谷のときは下図の通り、二子玉川駅から大井町線に乗り換え、自由が丘駅経由、東横線で渋谷駅まで行くという、大回りをしていた。
目黒区青葉台が本社のときはもっと大変だった。東横線に乗るまでは同じだが、渋谷の手前の中目黒駅で降りて青葉台本社まで歩くか、バスに乗るという、もっと面倒だった。
なお、この区間の「新玉川線」という名称は、2000年まで使われ、その後「田園都市線」に統合された。
そして、田園都市線の地下区間(旧新玉川線の区間)である池尻大橋駅ー用賀駅には、電車の中からでもどの駅かが分かるように、駅ごとに色分けされたタイルの工夫がされている。
●池尻大橋…なんとなく「柿色」
●三軒茶屋…商業施設の賑やかさ「レモン色」
●駒澤大学…駒沢公園にちなんで「若葉色」
●桜新町…桜が多いので「さくら色」(写真)
●用賀…多摩川が近いから「みず色」
●三軒茶屋…商業施設の賑やかさ「レモン色」
●駒澤大学…駒沢公園にちなんで「若葉色」
●桜新町…桜が多いので「さくら色」(写真)
●用賀…多摩川が近いから「みず色」
ちなみに、色のついたタイルは、ホームの出口に近くなるほど太くなるそうだ。(今まで知らなかった!)
●「金妻」で全国的に有名になった田園都市線
首都圏で屈指の混雑路線で知られる田園都市線だが、45年前の当時も通勤時は大混雑で、ときどき窓ガラスが壊れるほどだった。
そのころは「田園都市」という名前通りの、のんびりした街並みが続く田舎路線だった。
TBSテレビ「金曜日の妻たち」(1983年)は、『不倫ドラマ』として、『金妻(キンツマ)』の略称でも広く知られ、放送日の金曜夜10時には主婦が電話に出ないとまでいわれるほど大ヒットした。(写真)
そして、ドラマの舞台が田園都市線沿いということも話題になったが、特にたまプラーザ駅は、このドラマでイメージが高まった。
小林明子/恋におちて-Fall in love-(1985年)
●地方から本社に転勤したときの田園都市線
実は転勤が怖かった。20年前でも窓ガラスが割れるほどだったのに、今はもっとひどいだろう。その通勤地獄に耐えられるだろうか…。
今でも田園都市線では平日の朝・夕のラッシュ時間帯に激しい混雑が発生している。
朝ラッシュ時の最混雑区間は池尻大橋駅 → 渋谷駅間で、最混雑時間帯の平均混雑率は2016年度で184%(7:50 - 8:50の間に通過する列車の平均)である。(写真)
これは、東京メトロ東西線、小田急小田原線に次いで首都圏の大手私鉄路線では3番目に高い数字だという。
それでも、今から45年前の方が凄かったような気がする。
混雑の改善には、車両が増設されたり、電車が増発された企業努力もあるのだろう。
当時と違うのは1970年当時は無かった携帯電話やヘッドホンステレオの普及だ。今は混むだけではなく、騒音のトラブルが一段と増えている。
●満員電車の解消実現に向けて
今やすっかり落ち目になって話題にも乗らなくなった小池東京都知事だが、思い出してみよう、「都民ファースト」は、「7つの0(ゼロ)を目指します!!」という公約を掲げていた。
今年の7月11日~21日の平日に田園都市線で「時差Bizライナー」の特急列車が史上初めて運行されたのだ。
どうやら評判は芳しくないようで、そのときだけのアドバルーンに終わりそうだ。
27ある駅を次々と飛ばし、中央林間から長津田、あざみ野、溝の口のみに停車し、渋谷に到着するという画期的な試みだったが、その割には時間が短縮されなかったようだ。
これは田園都市線ではないが、他にも『満員電車がなくなる日』の著者である阿部等氏が提唱した「2階建て通勤電車の導入」という方策がある。しかしこれは、コストがかかりすぎるという問題や乗り降りで不便が生じるという問題があり、現実的には難しいと言われている。
希望の党でごたごたが続いているドサクサで、公約のことが話題になっていないが、その他を含めどうなっているのだろうか。
●最近、遅延事故の多い田園都市線
東京都の東急田園都市線で列車が止まるトラブルが、10月19日朝と11月15日朝に相次いで起きたことを受け、石井啓一国土交通相は17日の会見で、再発防止策やトラブルが起きた場合の旅客輸送の方法を検討するよう東急電鉄に指示したことを明らかにした。石井氏は「多くの利用者に迷惑をかける。輸送障害が続発していることはまことに遺憾」と述べた。東急電鉄は15日のトラブルについて「送電線の被覆が破れて鉄製の支えに電気が流れ、ショートしたことが原因」と説明している。
田園都市線池尻大橋-駒沢大学駅で同日午前5時35分ごろ停電が発生し、渋谷-二子玉川駅で計155本が運休。12万6000人に影響が出たという事故だ。
通勤先は二子玉川駅のすぐ先、振替の電車はない。バスに乗る手もあったが、長蛇の列。それに道は混んでいる。
246号線沿いに歩けばいいのだが、どの位時間がかかるか分からない。それでも歩いた方が早いだろう。予想外に近かった。丁度30分で目的地に着き、始業時間ぎりぎりセーフだった。
●何かと縁の深い田園都市線
今も長津田と桜新町間の通勤で使っている田園都市線はどこの駅も何かと関わり合いがある。
住んだところは、溝の口、藤が丘、青葉台。会社は渋谷、池尻大橋。
過去4回入院したことがあるが、いずれも同じ病院だが藤が丘だった。
中央林間から渋谷まで27駅あるというが、全ての駅で降りたことがあり、何らかの思い出が残っているというのも不思議なことだ。