Quantcast
Channel: ♪♪中高年の中高年による中高年のための音楽♪♪
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1001

四季の歌

$
0
0
 一向に春の足音が聞こえてこないが、今は晩冬と呼ばれる時期。

 日本では3月上旬頃までは北日本や山間部を中心に余寒(よかん)と呼ばれる冬の寒さが残り、まだ降雪と積雪や路面凍結も残る。初春の3月中旬から気温は急激に上がり北日本と山間部を除いて、気温は16~20℃まで上がる日が増え、暖かくなる

 寒いのも、もう少しの我慢だ。
イメージ 1
 しかし日本は四季のあるお蔭で、わび・さびなど、世界に冠たる繊細な文化が発達した。

 南極や北極に近い、高緯度の地域と、赤道に近い低緯度の地域には、はっきりとした四季の違いはない。

 世界で「温帯の島国」は、ほぼ日本だけなのだそうだ。過ごしにくい時期はあったとしても、四季の違いがはっきりとした地域に生まれ育ったのは幸運だった。
もちろん、人によって季節の好き嫌いがある。

 四季のうちでもっとも好きな季節は?と聞かれると何と答えるだろうか。

イメージ 2
 少し古いが、2008年のNHK放送研究所世論調査部の調査による「日本人の好きなもの―データで読む嗜好と価値観」 (生活人新書、写真) では、次のような結果が出ている。

 大方の予想通り、
が一番多く、次はである。春が69%と最も好きで、秋が55%でこれに次ぎ、夏は30%とかなり支持率が落ち、冬は13%で最低の支持となっている。

 月別では、4~5月と10月を好むものが多いという結果である。最も人気がないのは2月である。四季に対する結果とほぼ平行的な回答となっている。

 4~5月や10月は、たくさんの花が咲き誇るときだ。「自然」も人間と同じように、喜んでいる時期なのだろう。

イメージ 3

イメージ 4
 次に、若年層と高年層で好きな月が大きく異なる点を挙げねばならない。

  若い頃は暑かろうが寒かろうがそんなに生活や気分に関係なかったのに対して、年齢を重ねてくると季節の変化が体調にダイレクトに関係してくる。
寒かったり暑かったりする点のデメリットばかりが目立つようになるため、高年層では4月と10月に人気が高まり、8月と12月は最低に近くなる。
 それでも若さには関係なく、人によって四季の好き嫌いはあるはずだ。好みによる性格判断はあるのだろうか。

それを歌で表わしたものがある。それが、有名なこの曲である。

芹洋子/四季の歌(1976年)


<歌詞>
 を愛する人は 心清き人 すみれの花のような ぼくの友だち
 を愛する人は 心強き人 岩をくだく波のような ぼくの父親
 を愛する人は 心深き人 愛を語るハイネのような ぼくの恋人
 を愛する人は 心広き人 根雪をとかす大地のような ぼくの母親

イメージ 5
 ところで、「四季の歌」の作詞作曲者・荒木とよひさ(現在73歳、写真)は、今や押しも押されない現代日本音楽界の重鎮である。

 こんな曲までと思うほどヒット曲が多い。「恋唄綴り」を始めとする、堀内孝夫が歌うはぐれ刑事シリーズの主題歌は全て彼の作品だ。また、テレサ・テン「つぐない」など多くの作品が彼の手によって作られている。

イメージ 6
 
「四季の歌」は彼が日大芸術学部映画学科に入学した19歳のときに書いた。当時彼はスキー部の選手だったが、2年半余りの入院生活を送るほどの大けがをしてしまった。

 その入院先の新潟県妙高市の関温泉(地図)の情景をモチーフに、退院時に、看護師に対してのお礼で作成した曲で口コミで広まったと言われている。この曲がレコーディングされて、ラジオから「四季の歌」がかかったときは「作者不詳の名曲」と紹介された。

 その後、友人の勧めもあって名乗り出て、作曲者として認められたことがきっかけで、音楽の世界で生きて行くことを考え始めたのだそうだ。
 【春夏秋冬】好きな季節で性格がわかる? によれば

春が好き!

 春が一番好きだ、という人には、明るく前向きな人が多いようです。ただし中には、「冬が終われば春が来る」というように、自分の失敗を反省しない、「どうにかなるさ」的な楽天家も少なくない。また、素直でわかりやすい性格をしている傾向も強いでしょう。

○基本的に外交的で寂しがり屋さん。好奇心旺盛で、めんどくさい事には蓋をする。自分の領域に踏み込まれるのが嫌、ある程度の自由を求める。
夏が好き!
 
 夏が一番好きだという人は、大胆で大らかな傾向が強いようです。常夏の国に住みたい、などという人の中には、快楽主義者も多いことでしょう。嫌なことや苦しいことから逃げたいという逃避傾向もあり、それをどこまで抑えられるかはその人の理性によるのかもしれません。

○基本的に短気でプライドが高い。快楽主義で自分の好きな事に対しては人一倍努力する。少々飽きっぽく論理的に追求される事が苦手。
秋が好き!
 
 秋が好きだという人の中には、無口で感性の研ぎ澄まされた人が多いように思います。一見、根暗な人だと思われがちですが、じつは口数が少ないだけで内面は情熱的であったりもします。細かいことに気がつきやすく繊細で、人によっては気難しく人付き合いが苦手な人もいるでしょう。

○基本的に内向的だが内に秘めた情熱を持っている。春と似ていて寂しがり屋さんで美食家。 細かい所に良く目が行く繊細な面もある。
冬が好き!
 
 冬が好きだという人は、活動的で地道な努力家。ウインター・スポーツが好きだという人の中には、集中力があってストイックな人も多い気がします。孤独への耐性も強いのですが、仲間とワイワイ遊ぶのが好きなムードメーカーの一面も。

○基本的に1人の時間を楽しむインドア派が多い。分析力にたけていて人間ウォッチングを好む。サービス精神が旺盛で縁の下の力持ちに喜びを感じる。
 とある。いかがでしょうか。

日本の四季の歌からもう1曲

森繫久彌/どじょっこ ふなっこ


<歌詞> 
 になれば すがこもとけて どじょっこだの ふなっこだの 夜が明けたと思うべな
 になれば わらしこ泳ぎ どじょっこだの ふなっこだの 鬼っこ来たなと思うべな
 になれば 木の葉こ落ちて どじょっこだの ふなっこだの 船っこ来たなと思うべな
 になれば すがこもはって どじょっこだの ふなっこだの てんじょこはったと思うべな

*「すがこ」は秋田弁で「氷」のこと。ただし本来の発音は「しがこ」。東北弁は「し」と「す」の区別がそれほど明確ではない。「わらしこ」は子供のこと。

 「どじょっこ ふなっこ」は、池に住むドジョウやフナから見た春夏秋冬の様子を歌ったであるが、歌詞の作者については、豊口清志を作詞者とする説、もともとは東北地方に広まっていた民謡・わらべうたを豊口清志が採録したとする説などがある。

イメージ 7
 作曲の経緯については、1936年、作曲者・岡本敏明(1977年、70歳で没、写真)率いる玉川学園の一行が公演旅行をに出かけ、秋田の金足西小学校を訪れ、歓迎会で聞いた原曲を合唱曲に編曲したというエピソードが残されている。


 秋田県秋田市の金足西小学校に歌碑(写真左)があるほか、岡本敏明が眠る神奈川県川崎市柿生霊園(写真中)秋田県鹿角市(写真右)にも歌碑がある。

イメージ 8

もちろん、海外にも「四季」の曲はある。

 クラシックでは

1.オーストリアの作曲家ヨーゼフ・ハイドンのオラトリオ(1801)。原題《Die Jahreszeiten》。農民たちが春夏秋冬の恵みについて、神に感謝と祈りを捧げる歌を歌っている。

2.ロシアの作曲家アレクサンドル・グラズノフのバレエ音楽(1900)。原題《Les Saisons》。マリウス・プティパの依頼により作曲された。

3.ロシアの作曲家ピョートル・チャイコフスキーのピアノ曲集(1875, 76)。全12曲。ロシアの一年の風物を元に、各月ごとに描写している。

イメージ 9
 などがあるが、もちろん、一番有名なのは、イタリア・ヴェネツィア出身のバロック後期の作曲家アントニオ・ヴィヴァルディ(1741年、63歳で没、画像)の「四季」。

 これは、12楽章から成るヴァイオリン協奏曲集『和声と創意の試み』の第1番から第4番までの通称で、原題は「La quattro stagioni」という。第1番から順に春、夏、秋、冬と名付けられ、バロック音楽の中で最も有名な作品の一つ。

 春と冬が一番有名だが、ここでは季節柄「冬」をいろんなアレンジを含めて視聴したい。

 まずはオーソドックスに

Julia Fischer /ヴィヴァルディ「四季」より「冬」


 『白い道』ーNHK「みんなのうた」の楽曲

 冬の第二楽章に海野洋司が日本語の歌詞をつけた。NHKの歌番組『みんなのうた』で放送された日本の楽曲。初回放送時はハイファイセットの歌だが、1983年のリメイクでは北原ミレイが歌った。

 ヴィヴァルディの原曲には雨の日に暖炉の前で安らぐという内容のソネットがついているが、「白い道」の歌詞はこれと異なる独自のものである。北国に住む語り手が、3年前に別れた母親(転居とも死別とも解釈しうる)に対して語りかける。語り手はかつて母親と二人で歩いた道を独りで歩みつつ、母親とともに歌った懐かしい歌を思い出す。

ハイ・ファイ・セット/ 白い道 (『四季』から) (1975年)


 『Viva!』ー「冬」の第一楽章をポップアレンジしたボンド(bond)の楽曲

 日本ではトヨタ・istやCyberdamのCMやプロレスラー佐藤耕平の入場曲、ドラマ「小早川伸木の恋」の挿入歌などで使われた。

イメージ 10
 「ボンド」は2001年、ロンドンで 「21世紀対応、超美形ストリング・クァルテット!完璧なテクニックを身につけた美女4人組」 というキャッチ・フレーズで登場したオーストラリア人とイギリス人の女性4人からなる「元祖クロスオーヴァー」ストリングカルテット。

 写真左から

エルスペス・ハンソン(ヴィオラ、イギリス・ロンドン出身)(2008年にヘイリー・エッカーと入れ替わりで参加)
タニア・デイヴィス(第1ヴァイオリン、オーストラリア・シドニー出身)
ゲイ=イー・ウェスターホフ(チェロ、イギリス・ハル出身)
エイオス(第2ヴァイオリン、イギリス・ウェールズ・カーディフ出身)

ボンド/Viva


イメージ 11
最後は、グループ名が、ザ・フォーシーズンズ(四季、写真)を

 現在82歳でまだ活躍しているフランキー・ヴァリ(82歳、写真左から2番目)がきれいなファルセットで歌うリード・ヴォーカルだった。

 主に1960年代に活動したこのロック・グループの最大のヒット曲は「シェリー」だが、この曲も大ヒットした。

 ザ・フォーシーズンズ/悲しきラグ・ドール(1964年)


 ちなみに自分はどちらかというと「春」が一番好きかな。上記の性格診断にも近い。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1001

Trending Articles