「立春」の昨日(4日)、東北各地は高気圧に覆われ、春を予感させる穏やかな日和となった。宮城県内でも日中青空が広がり、いてつく2月の寒さがつかの間緩んだ。
今日は関東地方でも弱い雨が降った。乾燥した日が続き、インフルエンザが全国的に猛威を振るっている。花粉症もそろそろ流行りそうで、久しぶりの恵みの雨と言えそうだ。
調べてみると、東京では昨年の12月27日以来の雨、もう1ヶ月以上雨が降っていない。
ところで、日本は気候についての語彙が多く、雨についてもいろいろな表現が用いられている、情緒の豊かな国だ。
こと、冬に関しては、こんなにたくさんの雨がある。
・山茶花梅雨(さざんかつゆ):11月下旬~12月上旬の山茶花が咲く季節にぐずつく雨。
・時雨(しぐれ):晩秋から初冬にかけて、ザーッと勢いよく降り、すぐにカラッと晴れる雨。
・冬雨(とうう)、寒雨(かんう):冬の冷たい雨。
・氷雨(ひさめ):晩秋から初冬に降る氷の粒が混じった冷たい雨。
・凍雨(とうう):氷が雨のように降ること。雪が雨に変わる時によく見られる。
・寒九の雨(かんくのあめ):寒に入って9日目に降る雨。豊年万作の兆しといわれる。
・村時雨(むらしぐれ):ひとしきり強く降っては通り過ぎてゆく雨のことです。
・村時雨(むらしぐれ):ひとしきり強く降っては通り過ぎてゆく雨のことです。
・片時雨(かたしぐれ):空の片側だけ時雨が降り、片側は晴れている冬の天気。
・横時雨(よこしぐれ):横殴りに降る時雨のこと。
・寒明の雨(かんあけのあめ):立春を過ぎた頃に降る雨のこと。
・四温の雨(しおんのあめ):冬の終わりの「三寒四温」。 暖かい四日間に降る雨。
24節気で見たとき、こんな図で表わせる。なお、日にちについては毎年変わるが、この図で記されているのは2017年の対象日。
今日の雨は「寒明の雨」というんだろうね。
佳山明生/氷雨(1977年)
山本潤子/冷たい雨(1976年)
ちなみに、春一番について、昨年は2月14日に吹き、一昨年の2015年は無かったそうだ。
それでも「寒さ暑さも彼岸まで」と呼ばれる春分(今年は3月20日)までは寒い日が続きそうだ。
そこで、春を待つ歌から。
●早春賦
作詞の吉丸は、大正の初期に長野県安曇野を訪れ、穂高町あたりの雪解け風景に感銘を受けて「早春賦」の詩を書き上げたとされている。
大町文化会館などいくつかの地に歌碑が建てられている。 (写真)
詞の「春は名のみの」とは、立春(2月4日)を過ぎて暦の上での「春」になったことを指す。
NHK東京放送児童合唱団/早春賦 (1913年)
●春よ来い
「春よ来い」は児童誌『金の鳥』の1923年(大正12年)3月号に発表された、大正後期に作られた童謡。
「鯉のぼり」「浜千鳥」「雀の学校」「靴が鳴る」など、数多くの童謡で知られる高知県安芸市の出身・弘田龍太郎(1952年、60歳で没、写真左)が作曲し、早稲田大学校歌「都の西北」を手がけた新潟県糸魚川市出身の詩人・相馬御風(1950年、66歳で没、写真右)が作詞した。
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童謡とはいうものの、歌詞は幼い子のすこやかな成長を願う親の気持ちがテーマになっている。雪国では、春を待つ人びとの気持ちはとりわけ強く、それが詞にも表れている。
童謡とはいうものの、歌詞は幼い子のすこやかな成長を願う親の気持ちがテーマになっている。雪国では、春を待つ人びとの気持ちはとりわけ強く、それが詞にも表れている。
歌詞に登場する「みいちゃん」とは、相馬御風の長女「文子(ふみこ)」がモデルとされている。
「じょじょ」は草履、「おんも」は外・表の幼児語である。
田中由起子・雨宮由美・みみちゃんレコード児童合唱団/春よ来い(1923年)
●春よ、来い
「春よ、来い」は、松任谷由実の26枚目のシングルで、1994年(平成6年)10月3日から翌1995年9月30日まで放送されたNHK連続テレビ小説の第52作。NHK放送開始70周年記念作品でもあった。
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原作者・橋田壽賀子(91歳、写真)の自伝小説のドラマ化。主人公が大学進学のために単身で上京するところから、脚本家として成功した後、夫の死を見送るまでを描いた。
主演は当初安田成美(写真)であったが、太平洋戦争のシーンの後で突如降板し、その後(33歳から64歳まで)は中田喜子が務めた。そのため安田が演じた前半を「第1部」、中田が演じた後半を「第2部」としている。 小中学校の卒業ソングとしても人気がある。
松任谷由美/春よ、来い(1994年)
●春の予感
「春の予感‐I've been mellow‐」(1978年)は、南沙織通算25枚目のシングル。
同年の資生堂春のキャンペーン・ソングに起用された。(写真、モデルは高原美由紀)