小樽市、函館市、横須賀市、熱海市、尾道市、呉市、下関市、別府市、長崎市、佐世保市、北九州市、神戸市だが、港町ばかりで、西日本に集中しているのが特徴だ。
自分の故郷・広島県から呉市と尾道市の2都市が加わっている。
しかし、「斜面市街地」(市・区における傾斜度が10度以上の市街地の割合)の多い順番は以下のようになる。(全国斜面都市の比較分析参照)
第1位 熱海市…55.8% 第2位 長崎市…43.0% 第3位 呉市…31.6% 第4位 佐世保市…25.2% 第5位 横須賀市…23.7% 第6位 尾道市…23.4% 第7位 小樽市…21.7% 第8位 北九州市…10.8% 第9位 神戸市…9.6% 第10位 別府市…6.4% 第11位 下関市…2.0% 第12位 函館市…1.6%
熱海、長崎、呉のベスト3には納得だが、12都市中でもこんなに差があり、果たしてここでの下位は、坂の多い都市と言えるのか疑問である。
今回は自分の故郷、坂道の多い広島県・呉市を紹介したい。
これには理由があるようだ。
1890年(明治22年)、呉鎮守府の開庁とともに急増した呉の人口は1943年(昭和18年)には人口40万人を超えた。
当時、呉市の平坦部は、軍の土地使用になっていたため、新しく来た海軍関係者や職工をはじめとする住民の居住場所は、急傾斜地区が中心となったからである。
その典型が両城地区(地図)だ。山裾で急傾斜地区が多い両城地区には、その地形を巧みに利用した住宅が作られ、遠くから見ると集中する家々が階段状に見えるため、「階段住宅」と呼ばれるようになった。
「両城の200階段」は、伊藤英明主演の映画「海猿」で有名になった場所だ。
映画・この世界の片隅にの主人公・すずの嫁ぎ先の北條家のある灰が峰の麓・長ノ木町も坂の街で、自分が住んでいたところは休山の麓だったが、(地図)も心臓破りの丘にあった。
振り返ってみれば若かったので急な坂道に耐えられたと思う。おまけに道は狭く、車の運転に自信がない人にはきつい。すれ違いは不可能だし、脱輪事故は日常茶飯事だった。
そして、豪雨などの自然災害が怖い。
昭和42年7月豪雨災害のとき自分は18歳だった。(写真)
目の前にある家が崩れ落ち恐怖に震えた。台風7号の被害は山崩れ、がけ崩れ、河川の決壊、氾濫となり、生埋め171名、死者88名の大災害をもたらした。また、広島県全体では死者が159名にも及んだ。(広島県ホームページ参照)
テレサテン/ふるさとはどこですか
森山良子/歌ってよ夕陽の歌を (1975年)(歌詞:あなたは坂を登ってゆく)
岡田奈々/青春の坂道(1976年)
いずれにせよ、坂道には短所も多いが、日本の街は坂が付き物で、また坂があるからこそ風情のある日本らしい景色になるのかもしれない。