Quantcast
Channel: ♪♪中高年の中高年による中高年のための音楽♪♪
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1001

読書の秋

$
0
0
 「暑さ寒さも彼岸まで」の秋分の日も過ぎ、ようやく秋めいて来たと思ったら、昨日(10/4)のように、東京で32℃の最高気温を記録するほど、まだ真夏のような日がある。

 それでも、秋の気配は感じる。秋はスポーツの秋、味覚の秋、行楽の秋など形容詞が多く、過ごしやすい季節である。

 そして、灯火親しむ候読書の秋でもある。10月27日から11月9日の2週間は読書週間だ。

 しかし、読書については以前と比べ様変わりをしている。通勤の電車の中でも読書する人は明らかに減少し、大型書店といえども閉店が続いている。
 これは朝日新聞9月21日の、本屋についての記事。

 ネット書店の台頭とともに、街の小さな本屋が次々と姿を消す中、大型書店にも撤退の動きが相次いでいる。売り上げの伸び悩みを背景に、テナント料の支払いが重荷となり、契約更新時に話がまとまらないケースが多い。生き残りをかけた書店の模索が続く。

 「大きく環境が変わった20年だった。ネットやスマホ全盛の時代に打ち勝つ施策を展開していきたい」

 8月7日夜。この日を最後に、6階の洋書フロアを残して1~5階の和書フロアが撤退する紀伊国屋書店新宿南店(東京都渋谷区)で、高井昌史社長が別れを惜しむ客ら約100人を前に頭を下げた。

 昼から同店で過ごしたある人は「ネットや電子書籍などがあって撤退は時代の流れなのかもしれないが、書店は知の宝庫だと感じるだけに残念だ」と話す。


 1996年、JR新宿駅南口再開発の中核施設の一つとして出店。売り場面積は約4千平方メートルで、当時全国最大規模の大型書店として注目された。紀伊国屋書店によると、20年間のテナント契約の更新を前に、賃料の引き下げを求めてビル所有者側と交渉を続けたが、まとまらなかったという。高井社長は「出店翌年から市場は縮小に転じ、赤字は増える一方だった。文化に投資したようなものだった」と打ち明ける。12月からは家具大手のニトリが入居する。

 2012年3月にはジュンク堂新宿店(新宿区)が、昨年7月には西武池袋本店にあったリブロ池袋本店(豊島区)がそれぞれ閉店。ビルの建て替えで11年に閉店した大阪・梅田の旭屋書店本店も、その後の再開発で建設された新ビルには入らなかった。同書店幹部は「書店が払える賃料ではなかった」と話す。

 ある大手書店社長は「近年、賃料の折り合いがつかずに閉店したケースが一度ならずあった」と明かす。売り上げはここ数カ月間下落傾向で、「今の状態が続くと、薄利多売の書店が一等地で店を開くのは“身分不相応”ということになるかもしれない」と、不安感をにじませる。

 大型書店の出店は、90年代初頭のバブル崩壊後に目立つようになった。

 専修大学の植村八潮教授(出版学)によると、バブル崩壊で賃料が下がり、「不況に強い」と言われた書店が駅ビルや商業ビルに大型店を出しやすくなった。90年代から大規模小売店舗法の規制が段階的に緩和されたことも、出店を加速させた。

 だが、本の販売額は96年をピークに減少。日本出版インフラセンターによると、1千坪(約3300平方メートル)以上の書店は、05年の51店から15年には94店とほぼ倍増しているが、「出店が集中した東京や大阪の都心部では過当競争となっている」(植村教授)。ネット書店の台頭などで大型書店の「豊富な品ぞろえ」の魅力も薄れつつある。

生き残りへ、試行錯誤 海外へ・図書館運営・家電販売…

 大手書店はどう生き残ろうとしているのか。

 紀伊国屋書店は成長著しいアジアを中心に海外展開に力を入れる。約50年前に米サンフランシスコに出店して以来、台湾やシンガポールのほか、昨年はタイに新店舗を開店。8カ国・地域に27店を構える。日本人駐在員向けから「地元の書店」として根付きつつあるといい、今後もミャンマーなどへの出店計画があるという。

 大型店を重視する丸善ジュンク堂書店は、8月にも千葉県船橋市に売り場面積約3千平方メートルの新店舗をオープン。だが、「よい立地も限られてきた。今後は抑制気味になる」(工藤恭孝社長)という。図書館の運営受託や大学・研究機関への専門書納入が堅調で、グループを支える収入の柱となっている。

 これまでの書店とは異なる発想で運営するのは、レンタル最大手「TSUTAYA」を展開する「カルチュア・コンビニエンス・クラブ」だ。15年には、書棚と家電売り場を組み合わせた「蔦屋(つたや)家電」を東京・二子玉川に開店。カフェを併設し、落ち着いた雰囲気で居心地の良さも追求する。同社は「生活関連商品との組み合わせで、新たなライフスタイルを提案していきたい」とする。

 植村教授は「返品可能な委託販売制度に守られてきた書店は、自らの魅力をどう高めるかの努力を怠ってきた面もある」と指摘。書店のあり方について発信を続けるジュンク堂書店難波店の福嶋聡店長は「本屋に足を運ぶことで、ほしい本だけでなく、様々な異論があると実感できる。リアル書店ならではの伝え方で活路を開きたい」と話す。

 今度は、日刊ゲンダイ10月1日の、図書館についての記事。

 読書の秋ということで、休日にゆったり本でも読もうという人も多いはず。「図書館に行ってみよう」という人はどれくらいいるだろうか。

 実は今、図書館が少しずつ変わりつつある。「読書離れ」といわれて久しい現代だが、実は図書館の利用者は増えている傾向。国民1人当たりの貸出冊数は1989年度に2.2冊だったのが、徐々に伸びて2011年度は5.4冊になっている(文科省・社会教育調査)。これは、各図書館が開館時間を延長したり、運営の努力をした成果だ。

 さらに、面白いイベントを打ち出して利用者数増加を狙う図書館も少なくない。たとえば2010年に山口県の下関市立中央図書館が始めた「読書通帳」。発行された通帳をATMのような端末に通すと、読んだ本のタイトルや日付を記録できるようになっている。これが全国に広がり、導入後に児童書の貸出冊数が約2倍に伸びた図書館もあった。

 TSUTAYAを経営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が5年前から指定管理運営する佐賀県の武雄市図書館も相変わらず話題だ。スターバックスや蔦屋書店を併設し、CDやDVDを借りることも可能。無線LANを設備した学習室もある。また、来年10月開設を目指す「こども図書館」も、今年11月から着工する。同じくCCCが指定管理運営し、遊び場やフードコートも設けられるという。

曲り角にきている

 東京でも、日比谷図書文化館や武蔵野市の武蔵野プレイス、板橋区立高島平図書館などにカフェが併設され、コーヒー片手にゆっくり読書することができるようになっている。他にも、子どもが泊まれるイベントを開催したり、スポーツ選手が選んだ本展を企画するなど、工夫をこらしている図書館がある。こうした動きについて、本や本にまつわる話題を提供するサイト「良本生活」の小澤裕史氏はこう話す。

 「根本的に図書館は『今の時代にこのままでいいのか』ということを考える時期に来ていると思います。本を読ませるだけではなく、武雄市のように子ども支援の場として利用するなど、複合施設としていろいろな使い方を模索していくべきではないでしょうか。カフェ併設は今は書店でもやっていますから、税金を使って運営する場として、もっと活用方法を広げてほしいですね」

 その良い例が、09年にオープンした長野県小布施町の町立図書館「まちとしょテラソ」。読書だけでなく、学び、子育て、交流、情報発信の場というのを4つの柱として掲げ、ワークショップなどが頻繁に開かれている。館内にはBGMが流れ、フタつきの飲み物なら持ち込みも可能。くつろぎコーナーのソファで寝そべったり、カフェコーナーで談笑したりすることもできる。

 地域の憩いの場として町民に愛されるだけでなく、他地域からわざわざ訪れる人も多い人気の図書館だ。

 あなたの地元の図書館はどうだろう。納税者の立場としてチェックする意味でも、この秋、訪れてみては。
 読書はとてもいい趣味だと思う。自分も本屋にはしばしば立ち寄るし、2週間期限の図書館で借りる本を切らしたことはあまりない。 

 以前、単身赴任したとき、住むところを探すときの決め手が、マンションの1階が書店だったが、入居後ものの半年も経たないうちに閉店し、がっかりしたことがあった。 

 町の本屋が衰退した大きな原因は、品ぞろえ万引き、そして無料で借りることができる図書館のせいだ。

 その図書館について、自分は有料でいいと思っている。貸し出しについて厳しさが足りないとも思っている。

 上下巻で成り立つ書籍の片方がないものもあった。延滞、もしくは紛失に対するペナルティの追及が甘い。安易に借りる人が増えるのは当然だ。

 図書館の本を借りる条件の優しいさが、書店の衰退を招いているのは間違いない。

 2週間1冊100円でも自分は図書館を利用したい人間だ。

 本屋はその地域のカルチャーである。その本屋が次々と無くなるのは悲しい。返品制度とか流通機構の改善も必要のようだが、地域の本屋が生き残れるような政治的施策が欲しい。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1001

Trending Articles