元々子供の頃から雑誌を読む習慣があった。
■若いときの雑誌との付き合い
●家では「週刊朝日」を定期購読していた。硬派の内容ではあったが、一応大人の雑誌だったので、胸をときめかしてこっそりと読んでいたような記憶がある。
これは特に漢字の勉強になった。
●大学受験生のときは「蛍雪時代」(けいせつじだい、写真右)だった。
進歩的な若者が持つ雑誌のシンボルであり、それを小脇に抱えて歩くのが当時のファッションだった。
●サラリーマンになると、いろんな雑誌を読み漁ったものだ。
月刊誌では「月刊現代」、「文藝春秋」、「中央公論」。週刊誌では「週刊ポスト」、「週刊現代」、「週刊文春」、「週刊新潮」、「サンデー毎日」。「週刊プレイボーイ」、「週刊大衆」、「アサヒ芸能」、「週刊実話」など軟らかい雑誌も読んでいた。そうそう、廃刊したが「週刊宝石」も。
なにしろ新聞で雑誌の広告を見るのが大好きで、その中から1週間に必ず、2冊以上は週刊誌を買っていた雑誌マニア?!であった。
気になるスクープ記事も多かったし、連載コラムにも面白いものが多かった。
その初回は、当時人気絶好調だった「コメットさん」こと九重佑三子。彼女はこれで一時、壮絶なバッシングに会い、人生を転がり落ちた。
どうやら、真相は元マネージャーが振られた腹いせにねつ造したものだったようだが、世間の風当たりは凄まじかった。
●連載コラムでは、週刊現代では大橋巨泉の「内憂外患」、週刊文春の清水ちなみ「おじさん改造講座」、伊集院静「二日酔い主義」、週刊新潮は斎藤由香「窓際OL会社はいつもてんやわんや」「窓際OLトホホな朝ウフフの夜」。
■最近の週刊誌に対する心情
読まなくなったのは、値上がりしてからだろうか。今週刊誌は400円前後。300円位が妥当ではなかろうか。ちなみに週刊現代が発売された1959年、価格は30円だった。
そして、記事には裏に政治的な意図があるものや、うんざりするようなバッシングなど、露骨なイジメを感じさせられるものが多くなったので醒めてきた面もある。
言われのない週刊誌報道でどれほど多くの人たちが傷つき誤解を受け続けてきたことだろうか。えん罪が判明しても真摯な謝罪をした例を知らない。
たとえば、桶川ストーカー殺人事件(1999年)や、松本サリン事件(1994年)で週刊誌はどんな対応をしたのか。
Wikipediaによると、『週刊新潮は、「毒ガス事件発生源の怪奇家系図」と題した記事で河野家の家系図を掲載した。地下鉄サリン事件後も河野は週刊新潮のみ刑事告訴を検討していたが、謝罪文掲載の約束により取り下げた。現在も河野は「週刊新潮だけは最後まで謝罪すらしなかった」と語っている。このことは一部宗教団体などにより攻撃材料として利用されているにもかかわらず、河野との約束は現在もなお守られていない』とある。
実際、電車で週刊誌を読んでいる人がとても少なくなった。見事なほどみんなスマホをいじっている。(写真)
時代は変わったものだ。
■週刊誌の市場動向
一時は100万部以上の発行部数を誇った週刊誌もあったが、年々じり貧状態が続き、最新の情報ではこんなことになっている。(http://www.garbagenews.net/archives/2183069.html参照)
■週刊誌の盛り返し
しかし、この状態をゆでガエルのようにじっと待つ手はないだろう。
●立て続けのスクープ
年明け早々から「週刊文春」がベッキーの不倫騒動をスクープ、続いて「週刊新潮」がSMAP分裂騒動をスクープ。
甘利氏は苦しい国会答弁を余儀なくされている。これは完全に黒だろう。高村副総裁や、山東昭子議員がケンカ両成敗などとやっきになって擁護しているが、言えば言うほど賄賂を認めているようで見苦しい。
甘利氏の調査による国会での報告は28日(木)だそうだが、これは週刊文春の発売日に合わせたもの。報告の内容は週刊誌次第というから情けない。
なお、発売前日の本日(1/27)には続報があり、甘利明TPP担当大臣(66)と秘書の金銭授受疑惑で、公設秘書二人のUR(独立行政法人都市再生機構)に対する口利きの詳細が、週刊文春の取材でわかったそうだ。
二人は、公設第一秘書の清島健一・大和事務所所長と政策秘書の鈴木陵允氏。
甘利事務所側は、道路建設を巡る補償交渉を巡り、千葉県内の建設会社の総務担当者から、約1200万円にのぼる金銭や接待を受けて、URに対し、口利きを行なっていた。
週刊文春が入手した録音によれば、清島所長は、2015年10月27日に衆院議員会館を訪れたURの総務部長と国会担当職員を、鈴木秘書が「威圧した」と語っている。
〈開口一番威圧したんですよ。私たちは、今までこれほどこじれた話なんだから、現場ではなく、ちゃんと本社に持って帰る話だろうという話をしてたんです〉
〈最初にガツンと会った瞬間に「あんたたち、俺たちの顔立てるっつったよな、わかんなかったの?」って言ったから〉
さらに、清島所長は12月1日には、URの総務部長と大和事務所で面談。
〈「駄目なら駄目なりにね、なんで値段上げられないのかね」って言ったら、「そうですよね」と〉
など、URに対し補償金額の話をした上で、〈「大臣もこの案件については知っているんで、こっちもちゃんと返事を返さなくちゃいけないんですよ」と言った〉
など、URに対し補償金額の話をした上で、〈「大臣もこの案件については知っているんで、こっちもちゃんと返事を返さなくちゃいけないんですよ」と言った〉
と、甘利大臣の関与をうかがわせる発言もしていた。
週刊文春では、甘利事務所に確認を求めたが、締め切りまでに返答はなく、URは「調査中」と回答した。
URに対する口利きの詳細が判明し、あっせん利得処罰法違反の疑いが強まったことで、甘利大臣のさらなる説明責任が求められることになる。
●コンビニとのジョイント
今年の正月、週刊現代と週刊ポストが、セブン・イレブンとタイアップして特別号を発売したというので驚いた。昨年、週刊文春で始めた企画だが、今年は週刊現代と週刊ポストがそれに乗ったという。
現代は、元プロ野球投手江川卓さんが「あのときがいちばん速かった」と題して、「怪物」と呼ばれた高校2年の秋を語る。
ポストは、20年開催の東京五輪に向けて取り壊された国立競技場に注目し、繰り広げられた数々の名勝負を振り返る。
豪華有名人125名が語る「ニッポンのよき時代」!
百恵ちゃん、松田優作、夏目雅子に植木等し… あなたに会えた幸運に感謝します 「日本人に生まれてよかった!」とある。
第一章:泣いた、笑った、感動した!「みんなテレビに夢中だった」
萩本欽一さんと都倉俊一さんが今語る『スター誕生』 カルセール麻紀さんと松岡きっこさんが今語る『11PM』 大橋巨泉さんと竹下景子さんが今語る『クイズダービー』など。
第二章:いつもピカピカに輝いていた『本物のスター その「人」と「素顔」』
篠田正浩さんと碓井広義さんが今語る『瀬戸内少年野球団』で輝いていた夏目雅子 前田吟さんと佐藤蛾次郎さんが今語る『寅さん渥美清』など。
第三章:その一瞬が伝説になった「スポーツ十番勝負 あの名場面、この名勝負」
田淵幸一、長池徳士、土井正博さんが今語る『オールスター9連続三振』の江夏豊 有田二三男、篠塚和典、亀岡信民さんが今語る『怪物・江川卓の高校時代』など。
第四章:初めて買ったレコードは何ですか?「日本人なら、この曲は外せない」
伊勢正三、イルカ、後藤由多加さんが今語る『イルカ なごり雪』 小室等、黒鉄ヒロシ、星勝さんが今語る『井上陽水 傘がない』など。
第五章:声を嗄らして応援した「わが青春のアイドル 熱狂の記憶」
酒井政利、川瀬泰雄と矢野立美さんが今語る『山口百恵の引退コンサート』 ミッツ・マングローブ、来生えつこ、小田洋雄さんが今語る『絶頂期の歌姫 中森明菜』など。
とても読み応えがあった。
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週刊現代は「日本株暴落のXデーは3・16」と悲観的だが、週刊ポストは「爆騰する日本株これからが本番だ!」と強気だ。
●株価の動向に関する対決
近年の『現代』・『ポスト』は競争関係にありながら、まるで共同戦線を張るように「年金」、「老人ホーム」、「高齢者の性」などに特化した特集を同一時期に行い、両誌が手を携えて部数増加作戦を展開しているようにさえ見受けられる。
それでもこの株価対決は滅多に見られない大勝負だ。ここまで景気の読み方が違うのは大変珍しい。
週刊現代は「日本株暴落のXデーは3・16」と悲観的だが、週刊ポストは「爆騰する日本株これからが本番だ!」と強気だ。
株に関しては週刊現代がずっと「上がる派」で、週刊ポストは逆に「懐疑派」だった。それが昨年秋(2015年)頃から逆転してきて、今週は真逆な予測になった。
どちらに軍配が上がるか。
決してこの両記事を忘れないように、半年後までずっと見守っていたい。
ちなみに自分は悲観的だ。
今、週刊誌に目が離せない。