「ベータ40年の歴史に終止符」(日刊ゲンダイ、11月13日号)という記事に目が止まった。
随分前に機器の生産を中止した(2002年)はずなのに、さすがにソフトはいまだに販売していたんだと妙に感心してしまった。
ソニーは、11月10日、「ベータビデオカセット」(写真左)と、家庭用ビデオカメラ用の「マイクロMVカセット」(写真右)の出荷を2016年3月で終了すると発表した。
ベータと聞いて思い出すのが日本ビクター(現JVCケンウッド)などVHS陣営との規格競争だ。ソニーは、1975年にベータマックス方式レコーダーの1号機「SL-6300」およびベータビデオカセット「K-60」と「K-30」を発売。ベータマックスVTR機器は全世界で累計1,800万台以上、ベータビデオカセットはピーク時の1984年度に年間約5,000万巻を出荷したが、規格競争に敗れ、2002年にVTR機器の生産を終了した。
一方VHS陣営も縮小傾向にある。パナソニックは2011年に国内向け機器の生産を終了、VHSテープの生産も終わった。日立マクセルも昨年末以来VHSテープを作っていない。
■カセットテープ
日立マクセルは今もカセットテープを作っていて、「カラオケのレッスンなどで需要がある」ようだ。
「カセットテープは若者から『音に温かみがある』『オシャレだ」と見なおされて来ています』」
■レコード針
「1980年のピーク時は月産120万本でしたが、一昨年は10万本、昨年は20万本に持ち直しました。若いユーザーにアナログプレーヤー(写真)のファンが増えたおかげです」とある。
「LPレコードも復活の兆しがあるので、カセットテープとレコード針は当分無くならないでしょう」
AVソフトはCD発売以来大きく変遷を遂げた。
右のような、復古調のオーディオの人気が高まっているのはごく自然だと思う。
主なAVソフトの歴史を図にしてみた。
■8センチCD
それは、新曲を、通常の12センチCDに加えて8センチCDとしてもリリースしたため。
ネットでは、そもそも8センチCDの存在を知らない若者や、当時を懐かしむ人々の書き込みが続出しており、まさに話題沸騰という状態だ。
現在、日本においては1990年代後半以降8センチCDシングルから12センチCDシングル(マキシ)への移行が進んでいる。また、アルミ部分が8センチの「ニューマキシ」というディスクも存在し、一部のCDプレーヤーでは再生できないことがある。
そのため、8センチCDシングルは消滅するかのように思われたが、食玩業界からお菓子のおまけ(食玩CD)としての需要が発生して、日本レコード協会の生産実績統計によると、2009年の8センチCDシングル生産枚数は15万5000枚、生産金額は5800万円であるそうだ。しかし、CD全体における構成比は1%未満である。(Wikipedia参照)
全てがキラキラしていた90年代。音楽業界も活況を呈していて、短冊形の8センチCDが巷に溢れていた。
現代の若者にほとんど馴染みがないであろう8センチCDは、DEENと共に90年代を駆けぬけた世代にとっては懐かしい思い出と共にあり、甘酸っぱい恋の記憶とも切り離せない、青春時代の宝物と言っても過言ではない。
新曲「ずっと伝えたかった I love you」(写真)を8センチCDとしてリリースするのには、大きな意味が込められているのだという。
DEEN/ずっと伝えたかった I love you(2015年)
DEEN/このまま君だけを奪い去りたい(1993年)