去る10月29日、ソフトバンクホークスはヤクルトスワローズを破り、球団史上初の2年連続日本一を決めた。
あの日からもう1週間経ち、11月22日(日)の11時に始まる福岡での優勝パレードを待つのみとなった。
パレードは明治通り (土居通り交差点付近〜大手門交差点付近)約2.5kmを、30分かけて行うそうだ。(下図)
彼がその試合後に語った次の優勝インタビューのある一言に感動した。
「彼らとずっと野球をやりたい。みんなありがとう」
こんなことはなかなか言えない。
会社でも同じことだ。「みんなとずっと一緒に仕事をしたい」ーこんな気持ちになることが、究極の「いい会社」ではないかと思った。
20年前、今は亡き尊敬する社長のひとことが、自分の会社人生に対する目標を変えた。
「小さいけれどもいい会社を作りたい。従業員から見たいい会社は、明日も出勤しようと思える会社、行けば何かが得られる会社、希望をもてる会社」
以来、ことある度にこの言葉を使って自分を鼓舞している。
それにこの文章を加えたい。
「従業員から見たいい会社は、明日も出勤しようと思える会社、行けば何かが得られる会社、希望をもてる会社、みんなとずっと一緒に仕事をしたい会社。
●ひとつ目のエピソードは
帰るべき「家庭」があるからこそ、思い切って戦うことができる。
2006年のジャイアンツ時代、工藤さんがわずか3イニングで7失点のメッタ打ちにあいマウンドから引きづり降ろされたことがあった。
それを自宅のテレビで見ていた子供たちが「ドームまでパパを迎えに行こう」と言い出した。
ドームに着いたとき近くの屋台から出てきた背番号47のユニフォームを羽織ったファンに対して工藤さんのまだ幼い三番目の娘さんが「すみません、きょうは父がご迷惑をおかけしました」と深々と頭を下げて謝った。
●ふたつ目のエピソードは
投げたくても投げられない「アイツ」のためにも・・・という気持ちが僕を奮い立たせてくれた。
それ以来若くして投げたくても投げられなくなってしまったアイツ(藤井さん)のためにも投げるという気持ちで自分自身を奮い立たせてマウンドに立ち続けた。
彼は2000年からはFAでジャイアンツに移籍するが、1999年のシーズンオフに藤井から「ジャイアンツにいかないでくれ」と懇願された。その時藤井の病気のことを知っていればジャイアンツに行かなかったかもしれないと後に言及している。
●名言をいくつか。
1.負けない「氣迫」を持ってぶつかれ。
尊敬する王監督は色紙を頼まれると「氣力」と書く
普通は「気」と書くが「気」では中が〆切になって「氣」が閉ざされてしまう
「氣」は「氣合」であり「氣骨」であり「氣慨」である
何をやるにしても「熱氣」や「覇氣」なければ集中力が散漫になってしまうし成果も上がらない
野球でも人生でもいちばんのポイントは「氣の力」である。
勝負は絶対に気持ちで負けてはならない
2.プロとして持つべき自尊心はあるが、捨ててしまっていい邪魔なプライドもある。
「自信」と「過信」を見誤ってはいけない
その境界線は自分だけではなかなか判断しずらいが、周りがどんな目で見ているか想像しなければならない
過剰な自尊心や邪魔なプライドを持っている人は意外に評価が低い
謙虚に一所懸命やっている人は思いがけないほど評価が高い
邪魔なプライドは捨ててしまおう
自分の姿を他人に指摘される前に自ら気づいて対処しなければならない
3.地道な練習を続ければ、自信と誇りを手にすることができる。
どん底にいてもあとは上がっていくしかないと考える
常に明日のために何かやるべきことがあるはずだと考える
自分を鏡に映してもっとやれることがあるんじゃないかと自問自答する
野球の世界でいえば最終的に信じられるのは練習でしかない
練習量と質が自信につながり誇りにつながる
地道に努力を続ければ、自信と誇りを手にする地点まで必ず辿りつける
理想を実現するためには「今できること」を懸命にやるしかない
4.敗戦処理という投げやりな気持ちでは、結果を出すことはできない。
敗戦処理であろうと目的意識を持って向かっていかなくてはならない
どうせ敗戦処理という投げやりな気持ちでマウンドに立ったことはない
いいリズムで敵を抑えれば味方が逆転してくれるかもしれない
野球はすべてが終わるまで何が起こるかわからないので諦めてはならない
任された場面で最後まで投げ続けなければならない
プライドをズタズタに傷つけられるような役目でも懸命に務めればチャンスも見えてくる
5.どこかにゴール地点があるわけではない。努力することに、終わりはない。
仕事でもトレーニングでも続けることによって自分自身が成長できる
つらい練習に耐え続けることで自信が持てるようになる
たとえ一度でもつらい時期をくぐり抜けた体験があると、次つらい時期が来ても乗り越えられる
さらなる高みへとつらい階段は延々と続く
ここがゴールと思った時点ですべての成長は終わり
苦しいことに我慢し耐え、成長することに終わりはない
6.自分で行動して表現しないと、環境を変えることはできない。
人間の持つ欲や不満には限りがない
何かにつけて環境のせいにしたり、人のせいにしたりしがちな人はどこにでもいる
環境を変えるのは自分自身
自分たちが行動を起こさずにただ不満を口にしても意味がない
本当に何かを変えたいのであれば自分自身が行動して表現することだ
何も行動せず何も表現しない人には何も変えることはできない
7.やらないことには、結果が出るか出ないかわからない。先に答えを欲しがるのは、甘えでしかない。
「誰も認めてくれない、どうせ自分なんか」などと自分を擁護し正当化しても仕方ない
地道にやっていれば絶対に誰かが見てくれている
一時的な結果を求めてばかりいては話にならない
結果が出るか出ないかは誰にもわからないし、先に答えを欲しがってはいけない
人は諦めてしまえばそこから先はない
あくなき探求心と向上心を持ち、できることを地道にやっていくしか未来はない
8.人より短時間でやり遂げる。その意識が、創意工夫と技術の向上を生む。
子供というものは飴とムチがあると意外な集中力や能力を発揮する
ひとつのことに凝縮して一所懸命にやったほうが早くうまくなる
いかに短時間で集中し打ち込んでいくかで技術も体力も身に付く
同じことを繰り返すにしても神経をフルに使って創意工夫しながら繰り返す
一芸に秀でるためにはそのことに人生の何分の一かを懸けられるかどうかだ
絶えず工夫をしながら集中して取り組むことがすべてにおいて上達の王道である