総務省統計局は、「敬老の日」を迎えるに当たって、9月20日、統計からみた我が国の高齢者のすがたについて取りまとめている。(http://www.stat.go.jp/data/topics/topi901.htm)
高齢者人口は3,384万人、総人口に占める割合は26.7%と共に過去最高
80歳以上の人口が初めて1,000万人を超える
高齢者の人口 (人口推計)
・高齢者人口は3,384万人、総人口に占める割合は26.7%と共に過去最高
・80歳以上人口が初めて1,000万人を超える
・80歳以上人口が初めて1,000万人を超える
・日本の高齢者人口の割合は、主要国で最高
高齢者の人口移動(日本人移動者) (住民基本台帳人口移動報告)
・東京都や大阪府などで転出超過
・高齢者の就業者数は、11年連続で増加し、681万人と過去最多
・就業者総数に占める高齢者の割合は、10.7%と過去最高
・日本の高齢者の就業率は、主要国で最高
・高齢雇用者の7割超は非正規の職員・従業員
・「自分の都合のよい時間に働きたいから」が最多の理由
・「自分の都合のよい時間に働きたいから」が最多の理由
・妻が高齢者の共働き世帯は12年間で2.8倍に増加
高齢者の家計 (家計調査、家計消費状況調査)
・交際費、保健医療への支出割合が高い高齢無職世帯
・健康に気を配り、旅行などの趣味を楽しむ高齢者
・高齢者世帯の貯蓄現在高は1世帯当たり2,499万円
・12年間で5倍に増加した高齢者世帯のネットショッピングの利用
・医薬品・健康食品の支出割合が高い高齢者世帯のネットショッピング
・高齢者世帯の3割が電子マネーを利用
高齢者の暮らし (全国消費実態調査)
・携帯電話の普及率は高齢者世帯の方が高い
90歳以上では、合計183万人の内、男性42万人、女性141万人、100歳以上のセンチュナリアンだけを見ると、合計6万人の内、男性は1万人、女性5万人と、圧倒的に女性が多い。
実際、90歳以上で活躍している女性は多い。拙ブログでは、過ぎ去りし青春の日々【その1】などで紹介したことがある。
その中の雄の一人、瀬戸内寂聴さん(93歳、写真)は安保法制の成立後も、意気盛んだ。
寂聴さんは骨折やがんで約1年間の療養生活を続けたが、今年4月に法話を再開。6月には国会前で抗議の声を上げ、その後も被爆地・長崎や出身地・徳島などで廃案を訴えてきた。
この日、約160人の聴衆を前に「(参院特別委での)強行採決は見苦しかった。安倍さんは自分の名前を後世に残したい、そればっかりで、民の心を考えていない。自分のことは忘れて、民がどういうことを求めているか察し、その望みをかなえてやるのがいい政治家。安倍さんは民意をちっとも聞こうとしない。
今のままでは戦争になる。安倍さんが行けばいい」と非難。一方、学生団体「SEALDs(シールズ)」ら若者が立ち上がったことに触れ、「日本はまだ大丈夫。若い子が立ち上がって、政府のいいかげんなことに反対している。すばらしいこと。彼らは『これからが勝負。今度の選挙で勝負をつけよう』と言っている。今の国会議員は私たちが選んだ人。(国会議員を)選ぶ時には気をつけなければ」と話した。
また、聴衆の多くを占めた女性に対し、「子ども、孫、ひ孫を守ってください。女が力を出してやらないと、男だけに任せてられない。頑張ってください」と語りかけた。今後も法話や作家活動のなかで訴えていくという。
しかし、90歳ぐらいで驚いてはいけない。これから紹介するのは100歳を超えてなお、現役で活躍する女性たちだ。
まずは、この人から。
明治41年(1907年)1月1日生れ。東京音楽学校(現在の東京藝術大学芸術学部音楽科)を卒業後、山田耕筰の数少ない弟子の一人となり、相愛大や大阪芸術大などで教授を務め、78歳まで教壇に立ち、今なお現役の声楽家として後進の指導に当たっている。
若さの秘訣は飽くなき好奇心だとか 50.60は花なら蕾、70.80が花盛り。
おいしいものを食べたい。常に好奇心を持ち、「あれをしたいこれをしたい」と欲張りでいた結果、毎日が楽しく、いつの間にか歳を重ねていたそうだ。
今夢中になっているのが“川柳”。90歳で始め500句作ったという。
明治37年(1903年)新潟県生まれ。73歳で習い始めた油絵に熱中、96歳で現代童画展文部大臣奨励賞受賞、99歳まで出展。107歳でNY旅行。108歳でニューエルダーシチズン大賞を最高齢で受賞した。
美術家。大正2年(1913年)3月28日、旧満州・大連生まれ。本名は篠田満州子。5歳の頃から父に書の手ほどきを受け、桃紅という雅号が付けられた。墨を用いた抽象表現という新たな芸術を切り拓き注目を集め、1956年、単身ニューヨークへ渡り、個展を開いて絶賛を受ける。
作品は国内だけでなく海外の美術館にも多数所蔵されている。(岐阜現代美術館参照)
第一章 100歳になってわかったこと
・百歳はこの世の治外法権
・古代の「人」は一人で立っていた
・いい加減はすばらしい
・頼らずに、自分の目で見る
・規則正しい毎日から自分を解放する
・1+1が10になる生き方
第三章 自分の心のままに生きる
・自分が一切である
・危険やトラブルを察知、上手に避ける
・あらゆる人に平等で美しい
・自分が一切である
・危険やトラブルを察知、上手に避ける
・あらゆる人に平等で美しい
第四章 昔も今も生かされている
・よき友は、自分のなかで生きている
・悩み苦しむ心を救った日本の文学
・唯我独尊に生きる
「『自』という字に『由る』が、自由です。私は自由です。自らに由って生きていますから」
「常識の世界に暮らさなかったから、長生きできた」
「それほどの期待を持たなければいいんです、この人生というものに」
「人間同士がお互いに立てあえるように、ぶつかって面倒なことにならないように、そういう生き方こそ上等な生き方かなあと思うわね」
「知り合いのおばさんとか校長先生とかがすすめる人と結婚して、それで運よくいい人にあたればいいけど、これはくじびきみたいなものだ。あたらなかったら、(中略)なんのために結婚したんだろうってことになる」
「学校などでも、お手本どおりに書く生徒を褒めて、いい点をつける。お手本どおりというのは、すなわち偽物をつくるということ。(中略)そこに新しい価値はないですよ」
彼女の生き方のキーワードは「自由」だ。
歳をとれば身体が衰え、行動範囲も限られてくる。歳をとるとは不自由になることじゃないかと思うところだが、彼女は逆だという。「この歳になると、誰とも対立することはありませんし、誰も私とは対立したくない。百歳はこの世の治外法権です」と。冠婚葬祭を欠かしても非難されることはない。憂き世の義理から自由になるというのだ。
寂しい、孤独が怖い、という人も多い。でも彼女はそう考えない。孤独は当たり前で、「一人の時間は特別なことではなく、わびしいことでもありません」「人に対して、過度な期待も愛情も憎しみも持ちません」という。24歳で実家を出て以来、ずっと一人で生きてきたからこその言葉だ。
一人で暮らすお年寄りを、世間は「かわいそう」といったりするが、実は篠田桃紅のような人も多いのかもしれない。
拙ブログ「一人と二人」で紹介してきたことだが
○瀬戸内寂聴さんの「孤独を生ききる」には次のことが書かれてある。
「老いたと思ったときから老いが始まるというのが私の持論です。老いたと自覚したとき、淋しくならない人はまずいないことでしょう。孤独の中でも老いの孤独感ほどすさまじいものはありません」
「私たちは毎日いろいろな経験を積み重ねているけれど、小出しの正義感や青っぽい情熱に奮いたっていた若い頃と違って、その経験を踏まえながら、また確かめながら生きていくようになる。仕事の上でああしたらいいとか、人に迷惑がかかるとわかるのも、年を重ねて生きてきたからであろう。
それが悪くなっては困るけれど、経験から知恵が精選されて、肉体的には衰えても精神的にはかえって強くなるはずだという気がする。
歩くのに手をとって貰うような老人でも、精神は自立していて、つねに未知なるものを求めていく限り、生きることは毎日が楽しみ、張り合いのあることではないだろうか」
やはり、女性はたくましい。
<80歳以上で御存命の(元)タレント>
★前作の答
1.男性俳優:大竹まこと、風間杜夫、堺正章、舘ひろし、高田純次、西田敏行、ビートたけし
2.女性俳優:いしだあゆみ、市毛良枝、丘みつ子、梶芽衣子、酒井和歌子、中野良子、由美かおる
3.男性歌手:五木ひろし、井上陽水、沢田研二、千昌夫、武田鉄矢、谷村新司、布施明、前川清、南こうせつ、森進一、矢沢永吉、吉田拓郎
4.女性歌手:伊東ゆかり、高橋真梨子、都はるみ、森山良子、八代亜紀、由紀さおり、和田アキ子
(自分もいくつか間違えました)
エディット・ピアフ/バラ色の人生(1946年) 水に流して(1960年)
バラ色の人生<訳詩>
二つの目がわたしをみつめる 唇にはかすかな微笑 まぎれもない わたしが愛した人の ポートレート あの人の腕に 抱かれたわたし バラ色の日々 あの人が語った 愛の言葉が わたしをとろかす わたしのこころを とらえた人との 幸せな日々 互いのために 生きていこうと 語った人よ それを思うと わたしのこころは 高鳴るのです 幸せだったわたしたち愛の夜は更けず 悲しみは消え 死ぬほど幸せだった あの人の腕に 抱かれたわたし バラ色の日々 あの人が語った 愛の言葉がわたしをとろかす わたしのこころをとらえた人との 幸せな日々 互いのために 生きていこうと 語った人よ それを思うと わたしのこころは 高鳴るのです 死ぬほど幸せだった夜 愛の余韻は続き 悲しみは消え わたしは幸せだった
水に流して<訳詩>
いいえ いいのよ 後悔なんかしてない いろんな ことが あったけど 水に流すわ いいえ いいのよ 後悔なんかしてない すべて水に流して 気にしないわ 昔のことを 思い出すけど 今となっては 気にならないわ 私たちの 愛の始まりを 新たな気持ちで やり直しましょう いえ いいのよ 後悔なんかしてない いろんな ことが あったけど 水に流すわ いいえ いいのよ 後悔なんかしてない だって あなたと 新たに 愛し合うのだから