自分は群れるのが嫌いだ。だから、「~会」と云う類に入り浸ったことがない。
この歳まで働けているのは、会社で群れなかったからだと思っている。
それでも、ひとりぼっちの耐性は強いはずなのに、ときどき孤独を感じ、人が恋しくなることがある。
「僕は昔からひとりぼっちでいることが多かったし、友だちみたいな人もまったくいませんが、それがどうしたというのでしょう? ひとりぼっちでなにが悪いというのだろう? というか、むしろ「ひとりでいること」のよさについて、みんなにもっと知ってもらいたい。友だちなんていなくていい。ひとりぼっちだっていいんじゃないかな」
「いまの世の中で、この発言をすることは、けっこう、勇気がいることだと思うんですよ。突き詰めると、いまの「価値観」って、「拝金主義」か「拝愛情・友情主義」のどちらかを選ばなくてはならないように、僕にはみえます」
彼はまず、東日本大震災における“絆”について疑問を口にする。
「正直なところ、僕にはちょっとそれがよくわからなかったんですよね」
「あくまでも人は自由だから、絆の外にいる人、がんばらない人がいてもいいし、それを(略)説教や強要をするのは好ましくない」
彼の根底にある思想は「自由」だ。誰かに束縛されたり、自由を脅かされることが何よりも大嫌いだという蛭子さんは、だから“群れ”は危険だと思っている。本音を言えないのは、グループに所属しているからで、そこから「無言の圧力」を受けるからだ。
「長いこと、自由であることを第一に考えていると、いわゆる“友だち”と呼ばれるような人は、あまり必要でなくなります。むしろ、友だちがたくさんいると、面倒くさいと感じることも多々あるくらい。友だちはいい存在でもある一方で、ときには、自由を妨げる存在になるからです」
自由であるためには自分だけでなく他人も尊重するし、他人に迷惑はかけないという。
「他人に迷惑をかけるようなことはしないっていうのが、僕にとって絶対的なものとしてある」
「僕自身が自由であるためには、他人の自由も尊重しないといけないという信念であり、それが鉄則なんです。人それぞれ好きなものは違うし、ライフスタイルだって違う。そこをまず尊重しない限り、いつか自分の自由も侵されてしまうような気がしてなりません」
「集団」っていう響きも嫌いですね。集団では個人の自由がなくなり、リーダーの命令を聞かないとたたかれる。自分で正しい判断ができなくなるでしょ。
手を出すと倍返しされ、互いにエスカレートして、ナイフを持ち出すことになりかねません。歯止めがかからなくなり、最後には死を想像してしまう。漫画ならいいけど、現実に起きてはいけない」
「戦争を避けるために、領土問題や国同士の争いを解決する国際的な仕組みを強化してほしいと思います。日本はもっと、そういうことに貢献した方がいいと思いますよ」
あの蛭子さんが「安倍首相の右翼的な動きが怖ろしい」と発言する理由(2014.10.03、LITERA)
ひとりぼっちの歌を。
本田路津子/秋でもないのに(1970年)
秋でもないのに ひと恋しくて さびしくて 黙っていると
誰か私に 手紙を書いて 書いているような
ふるさともない 私だけど どこかに帰れる そんな気もして
秋でもないのに ひとりぼっちが 切なくて ギターを弾けば
誰か窓辺で 遠くをながめ 歌っているような
恋人もない 私だけど 聴かせてあげたい そんな気もして
加藤登紀子/ひとり寝の子守唄(1969年)
高木麻早/一人ぼっちの部屋(1973年)
ビートルズ/ひとりぼっちのあいつ(1965年)
ローリング・ストーンズ/一人ぼっちの世界(1965年)
ジョニー・ディアフィールド/悲しき少年兵(1959年)
ボビー・ヴィントン/ミスター・ロンリ―(1964年)
作家・伊集院静のひとこと。
『孤独が人を育てる。大人の男は群れてはならない』
それでも、本音を言うと、こんな人生の方がいいよね。
津村謙&吉岡妙子/映画「あなたと共に」同名主題歌(1954年)