「半世紀前(1965年)を振り返る」の続編を作成するのに何度も途中でネットが切断してしまい、こんなに(5日後)時間がかかってしまった。(作成日付は1/6となっている)
それでは、1965年の洋画の世界を振り返ってみよう。
主演男優賞 は リー・マーヴィン(1987年、63歳で没、中)(映画「キャット・バルー」)、主演女優賞 は ジュリー・クリスティ(現在73歳、右)(映画「ダーリング」)だった。
1965年にヒットした作品。青の網かけは日本の映画である。(Wikipedia参照)
007シリーズ
イアン・フレミングの長編小説を元にした映画「007シリーズ」は、ジョン・バリー(2011年、77歳、①)の音楽と、イギリ秘密諜報部員・ジェームス・ボンドを演じるショーン・コネリー(84歳、②)、「ボンド・ガール」なる美女が魅力の作品だった。
007シリーズ第3作「007ゴールド・フィンガー」は1964年の作品だが、翌年の1965年にヒットした。
このときのボンド・ガールはプッシー・ガロアを演じるオナー・ブラックマン(現在89歳、③)だが、全身に金粉を塗られて殺される女性のジル・マスターソンを演ずるシャーリー・イートン(現在78歳、④)と、その妹ティリー・マスターソンを演じるタニア・マレット(⑤)も目立っていた。
007シリーズ第4作「007サンダーボール作戦」は、ドミノを演じるミス・フランス出身のクローディーヌ・オージェ(現在72歳、⑥)がボンド・ガールだが、女殺し屋フォオナを演じるルチアーノ・パルッツィ(現在77歳、⑦)も素敵だった。
シャーリー・バッシー/「ゴールド・フィンガー」主題曲
トム・ジョーンズ/「サンダーボール作戦」主題曲
ジュリー・アンドリュース
サウンド・オブ・ミュージック
1965年度アカデミー賞5部門(作品、監督、音響、編集、編曲)と、レコードの売上枚数が2,100万枚のビックヒットを成し遂げた、ミュージカル映画・不朽の名作「サウンド・オブ・ミュージック」については、サウンド・オブ・ミュージックで紹介したことがある。
時は1938年、ドイツがオーストリアを合邦する第二次世界大戦前夜という緊迫した時代。
場所はオーストリア西部にある人口15万人の都市・ザルツブルグ。
彼は、数年前に妻を亡くして以来、子供たちの家庭教師がどれも長続きせず困っていた。
ナチスを逃れてオーストリアを去り、アメリカで公演活動をしていた実在のトラップ・ファミリー合唱団をモデルにしたという。
メリー・ポピンズ
アメリカの公開は1964年だったが、日本では1965年の12月公開だった。
ジュリー・アンドリュースは、ここでは魔法が使えるナニー(ベビーシッター)のメリー・ポピンズ役。普段は雲の上で暮らしている。
1910年、ロンドンの桜通りに住むジョージ・バンクス氏は厳格で気難しい銀行家。妻のウィニフレッドも女性参政権運動に夢中で子供は全てナニー任せだった。
二人の子供である、姉のジェーンと弟のマイケルは悪戯好きでベビーシッターがすぐに辞めてしまっていた。ジェーンとマイケルの書いたナニー募集の広告を見てバンクス家にやって来る。他に、ディック・ヴァン・ダイクらが出演。
ジュリー・アンドリュース
ジュリー・アンドリュースはイギリス生まれ。幼少より約4オクターブという驚異的な声域を持っていたとされる。
ところが、1998年(61歳)に声帯に腫瘍ができ、外科手術を受けたものの失敗、手術後女優業に復帰したものの、以前の美しい歌声は戻っていないという。
なお、沢田研二の愛称は「ジュリー」だが、これはジュリー・アンドリュースの名から取ったそうだ。
ロジャース&ハマースタインのコンビによる最後の作品で、主役のトラップ大佐が、ドイツに併合され消えゆく祖国オーストリアを想い、オーストリアの象徴としてエーデルワイス(写真)を愛でて歌う。
スイスおよび非公式ながらオーストリアの国花に選定されているエーデルワイスは、高山植物で、正式にはセイヨウウスユキソウ(西洋薄雪草)のことを言う。ただし日本には本種が分布しないため、ウスユキソウ属に分類される高山植物全てがエーデルワイスと称されることがよくあるそうだ。
●「スーパーカリフラジスティックエクスピアリドーシャス(Supercalifragilisticexpialidocious)」は、映画「メリー・ポピンズ」の漫画の国でジュリー・アンドリュースが歌うこの長い曲名の由来は、この曲の作曲者の一人、ロバート・シャーマンが子供の頃夏休みの退屈しのぎに考え付いたおまじないの言葉で、「この単語は、よくあるでたらめな言葉 (gibberish) である」と言っている。
ジュリー・アンドリュース/映画・サウンド・オブ・ミュージックより「エーデルワイス」
ジュリー・アンドリュース&ディック・バン・ダイク/映画・メリー・ポピンズより「スーパーカリフラジスティックエクスピアリドーシャス」
マカロニ・ウェスタン
「マカロニ・ウェスタン」は、1960年代から1970年代前半に作られた、和製英語のイタリア製西部劇。海外では「スパゲッティ・ウェスタン (Spaghetti Western) 」と呼んでいる。
●「荒野の用心棒」( A Fistful of Dollars、「一握りのドルのために」)は、1964年にイタリアで制作、日本では1965年に公開された。監督はセルジオ・レオーネ、出演者はクリント・イーストウッド(現在84歳、写真)、ジャン・マリア・ヴォロンテ、マリアンネ・コッホなど。
この映画によってマカロニ・ウェスタンというジャンルが確立される。この映画の後にイーストウッド主演による『夕陽のガンマン』、『続・夕陽のガンマン』の2作が制作され、『荒野の用心棒』と合わせて「ドル箱三部作」と呼ばれる。
黒澤明監督「用心棒」(1961年)の盗作であり、東宝は著作権の侵害で告訴して勝つなどの、いわくつきの作品。
映画「荒野の用心棒」主題曲
映画「夕陽のガンマン」主題曲
ドタバタ喜劇
トム・ジョーンズの歌う主題歌も有名。そして出演者が凄い。ウディ・アレンの他、 ピーター・オトゥール(2013年、81歳で没)、 ピーター・セラーズ(1980年、64歳で没)、ロミー・シュナイダー(1982年、43歳で没、写真)、 キャプシーヌ(1990年、62歳で没)、ウルスラ・アンドレス、リチャード・バートン、フランソワーズ・アルディなど。
映画は1908年に実際に行われたニューヨークからパリまでの自動車レース(1908 New York to Paris Race)をモチーフにして、おおよそ2万2千マイル(約3万6千キロ)のコースとその時期を実話に合わせて話を展開させている。
映画史上最大のパイ投げ合戦シーンなど、サイレント映画の手法やギャグが多く使われている。
トム・ジョーンズ/映画「何かいいことないか子猫チャン」主題曲
ヘンリー・マンシーニ/映画「グレートレース」よりスウィート・ハート・トゥリー
最後は、「ドクトル・ジバゴ」。
壮大な叙情詩「ドクトル・ジバゴ」は不倫愛を軸としてストーリーが展開する。
このロシア革命を舞台とした映画音楽の巨匠・モーリス・ジャールの主題曲により、ロシアの楽器・バラライカの人気がさらに高まった。監督はデビッド・リーン。
モーリス・ジャール/映画「ドクトル・ジバゴ」よりララのテーマ
Wikipedia参照