「鍵盤楽器」にはこんなものがある。
そのうち、今回は「鍵盤打楽器」と呼ばれる、カリヨン、シロフォン(共に上記リスト外)、マリンバ、ヴィブラフォンについて紹介したい。
まずは、この楽器から。
カリヨン
世界最大規模の野外演奏楽器とされ、日本語では“組み鐘”と訳される。
カリヨンそのものが非常に重量のあるものであるために、演奏には多大な力を必要とされ、指で簡単に演奏できる仕組みが不可能である。
したがって、バトン(リレーで手渡す棒「バトン」と同義語)と呼ばれる丈夫な棒で鍵盤ができており、その一つ一つを奏者が拳で力を込めて叩きながら演奏する。
拳によって大きな力エネルギーを鐘へと伝える必要があり、片手ずつに1音しか同時に奏せないため、足鍵盤を併設して共に多くの音が発せされるスタイルが定着した。(Wikipedia参照)
アンドレ・リュウ/Das kleine glockchen Circus Renz
シロフォン
日本でシロフォンと言った場合は一般にコンサート用シロフォンのことを指していう。木製の音板をピアノの鍵盤と同じ順番に並べた打楽器であり、体鳴楽器に分類される。
同じ木琴であるマリンバよりも、高く硬い音がする。(Wikipedia参照)
小沢征爾指揮ベルリンフィル/ハチャトゥリヤン:バレエ音楽「ガイ―ヌ」より 剣の舞
ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団/カバレフスキー:組曲「道化師」より ギャロップ
マリンバ
同じ木琴の一種であるシロフォンと同様の構造であるが、シロフォンよりも鍵盤が広く厚く造られており、深みのある音色を表現できる。
さらに、鍵盤の下部に各音階によって長さを変えた共鳴用の金属管が設けられており、その下端を閉じることにより、鍵盤の音に共鳴し増幅させる。それにより、さらに豊かな音色となる。
元々はアフリカ起源の民族楽器だが、現在の形のマリンバが生まれたのは、19世紀後半、中米のグアテマラであると言われている。
それがアメリカ大陸に持ち込まれ、20世紀に北米シカゴを拠点に近代的な改良が図られた。まずポピュラー音楽に使われ、芸術音楽、クラシック音楽でも用いられるようになり、同時に世界に広がっていった。
40年以上前、マリンバの音域は4オクターブで、マリンバの曲もそれほど多く無かった。
現代のようにソロ楽器として認められるようになったのは、日本のマリンバ奏者、安倍圭子さんのおかげであり、世界中で演奏会やレッスンをしながらマリンバの素晴らしさを広め、ヤマハとともに新しいマリンバの開発を手がけた人で、現在5オクターブの楽器があるのも、もっといろんな曲が弾きたいという彼女の想いが強かったからなのだそうだ。
今もオーケストラとも精力的に競演するなど、第一線で活躍している。(YAMAHA
楽器解体新書参照)

安倍圭子/ルロイ・アンダーソン フィドル・ファドル
ALMA CHAPINA-PURO RITMO Y SABOR A SANTA EULALIA
ヴィブラフォン
元来、ジャズ用の楽器として開発されたが、その後、ポピュラー音楽や現代音楽でも幅広く使用されている。
ヴィブラフォンがマリンバや木琴(シロフォン)と大きく異なる機能は、共鳴パイプの上にファンが電気モーターによって廻っており、それによって音のふるえ(ヴィブラート)を起こし、この楽器特有な甘い音色を出すところで、ヴィブラフォンという名前で呼ばれるのは、ここに起因する。
音板が金属製のヴィブラフォンは、たたくと音がとても伸び、長い時間をかけて消えていく。
ただし、木のように疎密がなく均一なので、出る音は無機質。そこで音に変化を付けるために、ファンが回り、ヴィブラートがかかる仕組みになっている。
共鳴パイプの上にファンがいくつも付いた軸が1本通り、電気で軸を回すとファンが回ってパイプの口が開いたり閉じたりする。
開いた時に音は大きくなり、"ワーンワーン"と音に変化が生まれる。回転スピードを速くも遅くもでき、好みのヴィブラートが出せる。
音の伸びを止めるためにあるのが、ダンパー。ペダルを踏むと音板の下に当たり、振動が止まる。ファンもダンパーも、音がそれほど伸びないマリンバにはない仕組みである。
ビリー・ヴォーン楽団/真珠貝の歌
大野優二/ルパン三世’80のテーマ
チック・コリア(P)&ゲイリー・バートン(Vib)/クリスタル・サイレンス
ゲイリー・バートン/リベルタンゴ