メジャーリーグのレギュラー試合数は162試合なので、残すところ5~6試合と、大詰めの時期になっている。
ここで、少しメジャーリーグの勉強してみよう。
メジャーリーグ(MLB)は、アメリカンリーグ(ア・リーグ)とナショナルリーグ(ナ・リーグ)に分かれ、それぞれ、東地区、中地区、西地区と5チームずつ、全部で30チームある。
チームの略称と本拠地の図を作成してみた。(下図)
同じ都市にあるチームは、ニューヨークのヤンキース(NYY)とメッツ(NYM)で、両者が対戦するときは「サブウェイ(地下鉄)シリーズ」と呼ばれている。シカゴにもホワイトソックス(CWS)とカブス(CHC)がある。
オリオールズ(BAL)と、ナショナルズ(WSN)の本拠地とするボルチモアとワシントンD.C.は、わずか63kmの距離にあり、首都ワシントンを中心に取り巻く環状道路「ベルトウェイ」にちなんで、両チームの対戦は「ベルトウェイシリーズ」と呼ばれている。
ドジャーズ(LAD)の本拠地があるロサンゼルスと、エンゼルス(LAA)のアナハイムも45kmと、近隣にある。
そして、サンフランシスコ湾を挟んだオークランド・アスレチックス(OAK)と、サンフランシスコ・ジャイアンツ(SF)について、アスレチックスの本拠地オー・ドットコー・コロシアムと、ジャイアンツの本拠地AT&Tパークは、直線距離で結ぶとわずか17キロしか離れていない。これは、メジャー30球団で最も近い距離である。
9月23日17時現在の戦績を見よう。
アメリカンリーグ
ナショナルリーグ
今シーズンの地区優勝争いは、例年とは少し様子が違う。
ニューヨークやシカゴといった大都市を本拠地とするチームが軒並み低迷し、プレイオフ進出を逃してしまい、これまで目立たなかった都市にフランチャイズを置くチームが勢力を伸ばしてきた。つまり今年は、新たなに勢力図が書き換えられたシーズンと言える。
まず今シーズン、最も驚くべき地区優勝争いを演じたのは、東地区である。
ア・リーグのボルチモア・オリオールズ(現在93勝63敗)と、ナ・リーグのワシントン・ナショナルズ(現在91勝64敗)。9月23日現在、オリオールズは2位のニューヨーク・ヤンキースに12ゲーム差、一方のナショナルズは2位タイのアトランタ・ブレーブスとニューヨーク・メッツに15.5ゲーム差という大差をつけて、既に地区優勝を果たしている。
これまでアメリカ東部の中心といえばニューヨークだったが、首都圏の2チームがともに東地区を制したことは、画期的なことである。
一方、中地区の地区優勝争いでは、ミズーリ州が盛り上がっている。
ア・リーグでは日本人選手・青木宣親(写真)のいるカンザスシティ・ロイヤルズ(85勝75敗)が中地区首位のデトロイト・タイガース(86勝70敗)に1ゲーム差まで迫り、一方のナ・リーグではセントルイス・カージナルス(88勝69敗)が2位のピッツバーグ・パイレーツ(85勝71敗)に2.5ゲームをつけて首位に立っている。
カンザスシティとセントルイスはミズーリ州の西端と東端に位置し、国道70号線で結ばれている都市で、両チームが対戦するときは、国道=インターステイト(Interstate)の頭文字と、70号線の数字を合わせて、「I-70(アイ・セブンティ)シリーズ」と呼ばれている。
久々に両チームが同時に優勝争いを演じていることで、ミズーリ州は大フィーバーとなっているそうだ。
西地区は、大都市ロサンゼルスを拠点とする2チーム、ア・リーグのロサンゼルス・エンゼルス(96勝61敗)と、ナ・リーグのロサンゼルス・ドジャース(89勝68敗)が主役である。
今、メジャーリーグは西高東低で、実力を支えているのは、西海岸の4チーム(エンゼルス、ドジャース、アスレチックス、ジャイアンツ)と言っても過言ではなく、西地区から4チームもプレイオフに出場するようなことは、滅多にないだろう。
東地区は首都圏、中地区はミズーリ州、そして西地区は海岸線と、今シーズンのメジャーリーグは局地的に盛り上がっているようだ。
(http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/mlb/2014/09/19/post_138/index3.php参照)
レギュラーシーズンが終わると、プレイオフが始まる。こんな仕組みだ。
通常、レギュラーシーズンでアメリカンリーグ、ナショナルリーグの各々リーグは東地区、中地区、西地区の3地区制で地区1位3チームが自動的にプレーオフに進むが、それに加えて各々リーグの3地区の2位以下になったチームの中で、勝率の高い順に2チームをワイルドカードゲームで戦わせ、その勝者がプレーオフに進出する。
ワイルドカードゲームは、リーグ予備選であり、当該2チームのうち成績の良かったチームがホーム開催権を持ち、1試合決着で行われる。
ディビジョンシリーズは、リーグ準決勝であり、
の勝者と地区優勝最高勝率チームの対戦と、地区優勝2チーム同士の対戦で、5戦3勝の決着で行われる。
リーグチャンピオンシップシリーズは、リーグ決勝戦であり、7戦4勝制で行われる。
ワールドシリーズは、アメリカンリーグ、ナショナルリーグの勝者同士の決勝戦であり、7戦4勝制で行われる。
現在のところ、ア・リーグのワイルドカードは、アスレチックス対ロイヤルズ。その勝者が勝率第一位のエンゼルスと戦い、オリーオールズとタイガースの対戦の勝者と更に戦った後、ワールドシリーズに進出する可能性が高い。
ナ・リーグのワイルドカードは、パイレーツ対ジャイアンツ。その勝者が勝率第一位のナショナルズと戦い、ドジャースとカージナルスの対戦の勝者と更に戦った後、ワールドシリーズに進出する可能性が高い。
Wikipedia参照