Quantcast
Channel: ♪♪中高年の中高年による中高年のための音楽♪♪
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1001

3つの映画の共通点

$
0
0
 前作でニュー・シネマ・パラダイスカサブランカライフ・イズ・ビューティフルという3つの映画を紹介したが、後でその共通点に気がついた。

戦争の悲惨さを描く

 まずは3作とも第2次世界大戦前後という時代背景にあることだ。そして、後の2作は「戦争の悲惨さ」をメイン・テーマにしている。

 ところで、戦争からもう70年以上経ち、その怖さを知らない世代が大半になっている。

 最近はよく「平和ボケ」という言葉を耳にするが、辞書によると、「戦争や安全保障に関する自国を取り巻く現状や世界情勢を正確に把握しようとせず、争いごとなく平和な日常が続くという幻想を抱くこと、あるいは自分を取り巻く環境は平和だと思い込み、周りの実情に目を向けようとしないことなどを意味する表現。主に安全保障などに無関心である日本国民に向け、皮肉を込めて用いられることが多い」 と書かれている。

自分は「戦争をしない国」と宣言することが一番安全保障につながると確信している。もちろん売られた喧嘩には対抗して自衛はする。それは当然の権利だ。

 原発事故のときもそうだったが、日本は世界の尊敬を集める国になる絶好のチャンスを逃し続けている。

 それにしても、戦争体験が風化しているのがとても怖い。自分も直接戦争は知らない。しかし、広島県に住んでいたせいもあり、その爪痕が至る所に残っている時代を生きてきた。

イメージ 1
イメージ 2
 
被爆の跡も生々しいケロイドの残る原爆症患者(写真左)は親戚にいたし、今や高層アパートが林立し過去の面影もないが、広島市中区基町にはバラック建ての「原爆スラム」(写真右)が広がっていて、70年代前半まで、その一部は残っていた。

イメージ 3
 戦場からほうほうの体で日本に帰還した傷痍軍人(写真)が物乞いで家々を訪問していた。コメは配給されていた。

 戦争は普通の人がいわれも無く殺され、普通の人が戦場で理性を失い、狂気に走る。

イメージ 4
 ライフ・イズ・ビューティフルの主人公・グイドが銃殺されるシーンは衝撃的だった。(写真)

 こういった戦争の悲惨さを伝える映画はいつまでも見て欲しいと思う。これは誇張ではない、本当の戦争の実態だ。
恋と愛の切なさを描く

 「恋と愛」は、多くの映画の主要テーマである。

イメージ 5
 3作の内、ライフ・イズ・ビューティフル「家族愛」(画像)を中心に描かれているが、ニュー・シネマ・パラダイスカサブランカ「切ない恋」がメインテーマだ。


 恋や愛を伝える手段は「キス」

「キス」と言えば、ニュー・シネマ・パラダイスでは、それが映画の主要なモチーフになっている。

 有名なラストシーンと共に、トトとエレナが愛し合う場面にもキスシーンが登場する。

イメージ 7
イメージ 8
 トトマルコ・レオナルディが一目ぼれをしたアニェーゼ・ナーノ(左写真)演じるエレナは絶世の美人だった。
彼は、雨の日も嵐の日も彼女の答えを聞こうとして、ずっと家の前で待ち続けるが、その願いが叶い、二人は愛し合う。

 映画の途中雨が降り出したが、その雨に打たれながら情熱的なキスを重ねる次のシーン。(右画像)


イメージ 13
カサブランカにも有名な場面がある。

 は、イルザイングリッド・バーグマン)と、リックハンフリー・ボガード)とのキスシーン。


 この幸せな恋や愛は長続きしない。次には「別れ」が待っているからだ。
 
イメージ 9
ニュー・シネマ・パラダイス
ではトトマルコ・レオナルディ)と親しかった老映画技師アンドレフィリップ・ノアレ)が、エレナとの恋は報われぬものと考え、別れ際に彼女が主人公の元へ訪ねてきたことを隠し、彼女のことを忘れるよう、彼をローマに旅立たせた。
(画像)
 
 ところが、ローマで映画監督として成功したトト=サルヴァトーレジャック・ペランはこれまで何度も恋愛を重ねてきたが、彼女のことが忘れられず、結婚をしなかった。

イメージ 10
 あれから30年後、 故郷に戻った初老のサルヴァトーレは、カフェでエレナに生き写しの少女を見かけて動揺する。(画像)

 後を付けると、サルヴァトーレの幼馴染のボッチャがエレナと結婚し、娘が生まれていたことを知る。

イメージ 11
 そして、サルヴァトーレがエレナブリジット・フォッセーと再会し、衝撃的な事実を知ることになる。(画像)

 なぜ駆け落ちの待ち合わせ場所にきてくれなかったのかと責めると、エレナはアルフレードに言づてを頼んだが断られたので、引っ越し先の住所とメッセージを上映メモの裏に記し、映写室の壁に残したのだと説明する。

 アルフレードはサルヴァトーレが村を離れて自分の道を進めるようにするため、エレナにサルヴァトーレと別れるよう説得していたのだった。

 経緯を知ったサルヴァトーレはアルフレードに怒りを感じるが、エレナは「私と結婚していたら素晴らしい映画は撮れていなかった」と言う。サルヴァトーレとエレナは車のなかでキスし、束の間に愛を確かめる。

 前作・「映画好きの人、必見の映画と言えば?」の繰り返しになるが

イメージ 12
カサブランカではこのシーン。決死の脱出劇、飛行場での別れ。

 最後の言葉「君とのパリの思い出に生きる」「君の瞳に乾杯」(画像)

 男:「3人のために考えた。俺の答えはこれだ」  女:「あなたは?」 男:「君とのパリの思い出に生きる。ゆうべ気付いた」 女:「離れないと誓ったわ」 男:「分かってる。俺にも仕事がある。君は俺の仕事の一部ではないんだ。俺は粗野な男だが、こんなに狂った世の中を見過ごせない。いつか分かる。さあ。君の瞳に乾杯」


ライフ・イズ・ビューティフルでは、幸せだった家族に、強制収容所行きの過酷な運命が待ち受けていた。 

イメージ 6
 絶望と死の恐怖に支配された世界を目の前にして、グイドロベルト・ベルーニ)は家族を守るため、ある「嘘」を思いつき息子に言う。
 
「これはゲームなんだ。泣いたり、ママに会いたがったりしたら減点。いい子にしていれば点数がもらえて、1000点たまったら勝ち。勝ったら、本物の戦車に乗っておうちに帰れるんだ」
 自分の人生を振り返ってみて、「別れ」にはため息をつくばかりだが、こんな映画を観て、自分だけではないんだ、もっと辛い別れもあるんだと思うとともに、「人間の真価とは、避けられない別れのとき、どんな判断をし、相手にどんな言葉を投げかけるかにかかっている」ことを痛感する。

小野リサ/映画「カサブランカ」主題曲「As Time Goes By」 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1001

Trending Articles