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敬老の日に寄せて【その1】

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 昨日(9/17)敬老の日。本来はゆっくりお休みというところだが、あいにく午前中だけだが仕事があった。

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 敬老の日の由来には諸説あるものの、593年に聖徳太子(622年、48歳で没、画像が、大阪の四天王寺四箇院の一つとして身寄りのない老人のための施設「悲田院」を設立した日が9月15日とされるのにちなんだと言われている。

 その後、今から70年前、兵庫県多可郡野間谷村(後に八千代町を経て現在の多可町八千代区)で、1947年(昭和22年)9月15日に村主催の「敬老会」を開催したのが「敬老の日」の始まりであるとされる。最初は「としよりの日」だったが、それが「老人の日」になり、1965年、国民の祝日である「敬老の日」になった。

 しかし、老人も人口の少ないマイナーな世代であるうちはいいが、少子高齢化が進み、「70歳以上が初めて全人口の2割超え(20.7%)」という記事を見ると、喜んでばかりはいられない。

日本の人口構成

 2018年4月13日公表、2017年10月1日現在の総務省統計局の資料によると次の通り。
<全体>
・総人口:1億2670万6千人。前年比▲22万7千人(0.18%)。7年連続で減少。
・日本人人口:1億2464万8千人。前年比37万2千人(0.30%)。7年連続で減少幅拡大。
<年齢別人口構成>
65歳以上人口:3515万2千人。前年比+56万1千人。3500万人を超え、割合は27.7%で過去最高。
75歳以上人口:1748万2千人。前年比+57万4千人。割合は13.8で、平成27年以降、15歳未満人口を上回っている。
15歳未満人口:1559万2千人。前年比▲18万8千人。12.3%で過去最低の割合。
・15~64歳人口:7596万2千人。前年比▲60万人。割合は60.0%で、平成4年(69.8%)以降低下を続けている。

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<地域別年齢構成>
42都道府県で75歳以上人口の割合が15歳未満人口の割合を上回る。(下回っているのは、北から埼玉県、千葉県、神奈川県、滋賀県、沖縄県の5県)
15歳未満人口の割合が最も高いのは沖縄県(17.1%)。
・15~64歳人口の割合が最も高いのは東京都(65.7%)。
・65歳以上人口及び75歳以上人口の割合が最も高いのは秋田県(35.6%,19.3%)。

「嫌老社会」の到来

 首都圏に住んでいると、地方に比べ少子高齢化についての実感が少ない。若い人はたくさんいるし、お子さんも多い。

 それは上記の通り、47都道府県のうち、42カ所が75歳以上人口の割合が15歳未満人口の割合を上回るというのに、埼玉県千葉県神奈川県がそうではないということでも分かる。東京都もそのパーセンテージは同率である。

 しかし、全国的には凄ざましい勢いで少子高齢化が進んでいる。

 何と言っても、諸悪の根源「少子高齢化」の片割れ、「高齢化」の主役は、我々「団塊の世代」である。

 「団塊の世代」とは、第二次世界大戦直後の1947年(昭和22年)~1949年(昭和24年)に生まれて、文化的な面や思想的な面で共通している戦後世代のことを指す。現在、69歳から71歳までの年代だ。 

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 拙ブログ・長寿社会【その3】(2017/7/29)では、
五木寛之「嫌老社会を超えて」(2015年、中央公論新社、写真)を紹介したことがある。

 いくつかのポイントを、タイトルだけ記した。

●老人は「弱者」ではなくなった
●「貯め込む」高齢者
●「ドローン」とカナリア
●不安な時代
●人生の「下山」について
●嫌老社会に生きる。「嫌老」から「賢老」への転換を。

 このうち、「ドローン」とカナリアについて改めて解説してみよう。

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 2010年4月、首相官邸の屋上で、無人機「ドローン」が発見される事件が起きた。(画像)

 数日後、福井県在住の山本泰雄容疑者という40代の男性が自首して逮捕されたが、彼がネット上で自筆のマンガを公開していて、これが、ネットの世界では「おもしろい」とかなり話題になったそうだ。
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 その、『ハローワーカー』というマンガに描き出されているのは、タイトルからも分かる通り、若者の失業者が主人公のストーリー。そこには、究極の嫌老社会、世代間の熾烈な階級闘争が展開されている。(画像)

 少子高齢化に悩む日本で、20××年に「老人駆除法」が施行される。厚生労働省は、失業中の若者を雇って「増えすぎた」高齢者対策として「老人駆除部隊」を結成し、「老人狩り」に乗り出す。報酬は歩合制で、一人「処分」するごとに1万円。そうやって、あらゆる手段を使って高齢者を「間引き」、浮いた年金や医療費は、出産や育児、教育費のどに振り向けるという。この施策は奏功し、出産祝い金が500万円まで引き上げられた日本の出生率は、戦後最高を記録、第3次ベビーブームに沸き立つ。…

 未来版「楢山節考」である。

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 後で紹介する思想家・内田樹氏(うちだただのり、67歳、写真)の指摘は鋭い。

 曰く、2024年には国民の3人に1人が65歳以上になり、先進国でかつてない人口減少社会を迎えるニッポン。

 問題は「人口減少そのものより高齢者の割合が激増すること」「日本の高齢者は成熟していない=子どもっぽいこと」とある。

 今、日本の目の前に見えているのは明らかに「下り坂」である。このことは多くの国民も薄々感じているはずだが、考えるのが怖いものだから目を逸らせているように思う。

 日本は素晴らしい国だという外国人は増え、観光客は増え続けている。総裁選挙で安倍首相は政権時代の成果を誇らしげに語っている。2020年、東京オリンピックは開催される。

 古代ローマの詩人、ユウェナリスが当時の世相を評して残した「パンとサーカス」

 権力者から与えられるパン=食糧と、サーカス=娯楽に満足し、権力に対する政治的な批判精神を喪失したローマ市民を揶揄した言葉がその答えの一端だ。

 五木氏は、みんながするべき心配から意識的に目をそらし、お気楽に日々を送る日本の現実を、「心肺停止」社会と名付けた。現実を直視しようとしないのは、自分たちの足下で進行している事態が、あまりにも深刻なものである裏返しだ、ともいえる。


 安倍首相は8月26日、「国は転換期にある。平成の先の時代向けて新たな国づくりを進めていく」と自民党総裁選挙の立候補宣言をした。

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 昨日のテレビでの石破氏との討論会で彼がどんな国づくりを目指しているのか。

 大方の予想通り、いまだに「軍事大国」「経済大国」にこだわっていることだけはよく分かった。

 続く。


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