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名字のルーツを探る【その2】

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日本人のおなまえっ!

 自分のルーツを探す方法として、名字から考えてみるのが、NHKの「ネーミングバラエティー 日本人のおなまえっ!」である。

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 4月26日(木) 午後7時30分の放送では、【10歳の悩み】と称し、「名字の由来を知りたい。からかってくる人に言い返したい!」という10歳の男の子からの投稿に対して、東京から岐阜県へ、少年の由来探しの旅に出る。

 「信田」(のぶた)という名字が「ノブタ(野ブタ)」と同じ発音なので、同級生からからかわれるという。

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 そして、たどり着いた結果は、泣く子も黙る歴史に出会う。何と、あの“戦国のカリスマ”織田信長(画像)から戦功の褒美として、「信」「田」の2文字をもらったというのだ。(画像)

名字の由来

1.地名 

 まず、名字には住んでいたところに由来するものがある。

 たとえば旧国名や町名、その土地の形状やその地方に伝わる伝説などから由来するものまである。

 たとえば川の近くにある丘や小山などを川崎といい、そこに住んでいた人が「川崎」を名乗るというようなことである。また、愛知県と沖縄県にそれぞれルーツのある神の住まう谷、または 聖域の谷という意味で近くに住んでいた人は「神谷」と名乗るようになったというよう なことだ。

(例)旧国名→三河加賀能登越前など。 町名→佐野清水水戸下田など。建物→大館大蔵など。形状→河合山田など。伝説→大木榎本二宮など 

2.職業

 また、名字はその人の職業に由来することも多い。

 たとえば古代の職業「はとりべ」 から「服部」という名字になるなどである。(注:「はとり」は機織りの略で、機を織ること、またその業の人をいう)。このような名字は最後に「部」という漢字があることが多い。

(例)職業名→渡部石部刑部伴部舎人錦織など

3.氏から派生した名字

 そして、 名字から派生した名字があることだ。

 ここで名字を語る上で欠かせないのは、平安時代以降権勢をふるった氏族「源平藤橘」(げんぺいとうきつ)である。

 この四つは正確には名字ではなく、氏である。この源氏、平氏、藤原氏、橘氏はいずれも大きな権力をもっていた一族であり、新しい名字を輩出している。

【1】藤原氏

 その源流は、大化の改新(645年)にまで遡る。中臣鎌足が、後に天皇から藤原の姓をもらったのが藤原のはじまりである。藤原氏からの派生は大きく分けて3つのタイプがある。

 まず一つ目は旧国名と藤原氏 との組み合わせである。たとえば佐野の藤原氏は「佐藤」、伊勢または伊豆の藤原氏が「伊藤」になるとことである。

 二つ目は官職名と藤原氏であり、例をあげると、斎宮頭の藤原氏で「斎藤」、木工助の 藤原氏で「工藤」となることである。

 三つ目は他氏との組み合わせである。たとえば紀氏と藤原氏で「紀藤」、大江氏と藤原氏で「江藤」となることである。ほかには藤原氏の後裔で「後藤」、また藤原北家の五摂家から「近衛」「鷹司」「一条」「二条」「九条」などがある。 

 (例)藤原氏+加賀国→加藤、 藤原氏+遠江国→遠藤、藤原氏+近江国→近藤、藤原氏+修理進→進藤、藤原氏+内舎人→内藤、藤原氏+安倍氏→安藤など。 

【2】源氏

 一概に源氏と言っても嵯峨天皇や清和天皇、宇多天皇など合計21人の天皇が子や子孫に源氏を与えた。有名な源氏は清和源氏村上源氏。武家源氏の代表格の清和源氏では河内国の河内源氏、美濃国の美濃源氏など居住した地域を冠する流れも生まれた。

 (例)源氏→足利細川吉良最上渋川など。源氏→土岐明智浅野麻生など。 源氏→新田山名里見田中得川など。

【3】平氏 

 源氏に対してもう一つの武家の代表格の平氏であるが、これも源氏のように桓武天皇仁明天皇などが子孫に与えた氏である。平清盛は桓武平氏であり、平安時代末期に大きな権力を握ったが、清盛死後滅亡し衰退したので、名字は源氏や藤原氏ほどは発生していない。

 有名なものには鎌倉幕府の執権を務めた北条や源頼朝の家臣だった 「梶原」三浦」などがある。

【4】橘氏 

 この氏は特殊で橘氏の始祖は三千代という女性である。彼女は文武天皇の乳母をしており、文武天皇の母である元明女帝と、祖母の持統天皇に信頼されて、長年の功績から橘氏をたまわった。有名な派生した名字は少ないが、 「楠木」「和田」などがある。

名字の読み方で先祖の出身地が分かる

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 「名字でわかる あなたのルーツ」(2017年、小学館、写真右)などの著書で有名で、NHKの「ネーミングバラエティー 日本人のおなまえっ!」にもコメンテーターで出演している姓氏研究家・森岡浩氏(57歳、写真左)によれば、名字の「読み方」で先祖の出身地がわかるという。同書で解説されている「読み方の地域性」の一部を紹介する。

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【1】2つの読みが拮抗する「河野」

 「河野」のルーツは愛媛県にある。ここで栄えた越智氏という古代豪族の諸流を中世に統一したのが「河野」で、鎌倉時代に勢力を拡大した。

 その愛媛県では河野は「こうの」と読み、瀬戸内海を挟んだ広島県でも「こうの」が主流。ところが、少し離れた徳島県や宮崎県では圧倒的に「かわの」。そして、関西より東の都道府県では、茨城県を除いて「こうの」が多い。

 つまり、ルーツの愛媛県では「こうの」だが、周縁では「かわの」に変化し、これがより遠い地域になると「こうの」に戻っている。全国では「こうの」が53%で「かわの」が47%と拮抗している。(分布図)

【2】東西で分かれる「東」

 この名字には「あずま」「ひがし」「とう」という読み方がある。ほとんどは「あずま」か「ひがし」だが、この2つはともに多く、全国では57%が「ひがし」で、43%が「あずま」となっている。

 実は2つには若干意味の違いがあり、「ひがし」は単に方位、方角を示しているが、「あずま」は京都からみて東の地域一帯を指す言葉でもあったため、「あずま」と読む名字は近畿以東に多く、中国以西では圧倒的に「ひがし」なのである。

【3】字の好みで分かれた「斎藤」と「斉藤」

 「斉藤・齊藤」は西日本に多く、「斎藤・齋藤」は東海から関東以北に多い。しかし、「斉藤」が主流の西日本でも、福井県では「斎藤」が圧倒的多数。これは、「さいとう」一族のルーツが福井県であるため、本来の書き方である「斎藤」が多いのだと考えられる。

 なお、西日本に本来でない書き方が多い理由は謎だが、一般的に西日本のほうが簡単な漢字表記を好む傾向がある。

【4】その他

 「上村・上山・上岡」は、東日本では「かみむら・かみやま・かみおか」が主流で、西日本では「うえむら・うえやま・うえおか」が多い

 「岩谷」など「~谷」という名字は、東(北)に行けば行くほど「~や」が多くなり、西に行くほど「~たに」が多いが、その境目は日本の中央だったり、関東地方だったり、いろいろある。

 また、東日本は濁音で西日本は清音が多い名字に「山崎(やまざき/やまさき)」「中島(なかじま/なかしま)」などがある。一般的に関西以西では濁音をあまり好まない傾向があるようだ。

 その他、読み方に地域による偏りがある漢字に「新(しん/にい/あら)」「原(はら/わら)」「小(こ/お)」「角(つの/かく/かど/すみ)」などがある。


 上述と一部重なるが、同じ週刊ポスト、これは2014年1月17日号の記事。これも森岡浩氏の協力による資料。

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1】上村(うえむら/かみむら)…東日本では「かみむら」、西日本では「うえむら」が多く、全国では若干「うえむら」が多い。

 元モーグル選手の上村愛子(38歳、写真)は、兵庫県の生まれで「うえむら」。漫画家の故・上村一夫神奈川県出身で「かみむら」だ。

【2】(ひがし/あずま)…「ひがし」は近畿以東で、「あずま」は中国以西。全国的には6対4。

【3】土橋(どばし/つちはし)…東日本では「どばし」、西日本では「つちはし」。全国的には「どばし」がやや多い。

【4】河野(こうの/かわの)…全国的に分布はバラバラだが、「こうの」が約53%、「かわの」が約47%と僅差。

【5】長田(おさだ/ながた)…全国で3分の2が「おさだ」で、山梨では99%が「おさだ」。「ながた」は西日本に多い。

【6】千田(ちだ/せんだ)…東北以北では「ちだ」、北陸以西では「せんだ」。全国では「ちだ」が7割以上。

【7】久野(くの/ひさの)…「くの」が主流。九州北部・山口では「ひさの」が多い。

【8】小口(おぐち/こぐち)…長野と北関東に集中しており、長野が「おぐち」で北関東が「こぐち」。全国では3分の2で「おぐち」。

【9】田上(たのうえ/たがみ)…熊本を中心に九州南部は「たのうえ」、他地域は「たがみ」が多い。全国では「たのうえ」が6割弱。

【10】古谷(ふるや/ふるたに)…
全国的には7割で「ふるや」。「ふるたに」は中国地方に多い。

 なお、すべて左の読み方が多数派
 もう一つ、気になっている名字がある。「菅」である。

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 実は、今お世話になっている会社の社長の姓が「菅」。「かん」と読む。

 政治関係では、官房長官が菅義偉(すが よしひで、69歳、写真左)、加計学園問題で渦中の今治市長が菅良二(かん りょうじ、74歳、写真中央)。元首相の菅直人(かん なおと、71歳、写真右)も「菅」姓だ。
 
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 分布図の通り、全国的にみて、「菅」姓が圧倒的に多いのは愛媛県特に今治市(大三島)、西条市、久万高原町、松山市に多いという。

 今治・菅市長は大三島の出身だ。(菅元首相は山口県宇部市出身)ここでは96%以上が「かん」さんである。

 次いで多いのが山形県でここでも90%以上が「かん」。そのため、全国の「かん」さんの半数以上は、この両県にいることになる。

 ところが、3番目に多い秋田県では99%以上が「すが」で、菅義偉官房長官も秋田県湯沢市の生まれ。以下ほとんどの県で「すが」の方が多い。

 梅鉢紋を使用し菅原道真公菅公とも呼ばれていた)の末裔であるとの伝承があり、「菅野」(かんの/すがの)も菅公がルーツだ。

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 これは、関東以北が「かんの」、西日本では「すがの」が主流。全国を合計すると「かんの」が7割、「すがの」が3割、残りの3%程度は「すげの」と読むという。(日刊ゲンダイ2015/3/11号参照)

 ここでは、菅野美穂(かんの みほ、40歳、写真)がいる。本人の出身は埼玉県・坂戸市だが、両親は岩手県の出。岩手県では実に97%以上が「かんの」だそうだ。
ルーツ

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 自分のルーツを探すということに世間の関心が深まったのは、アレックス・ヘイリー(1921-1992年、70歳で没、写真)原作の小説『ルーツ』(原題:Roots: The Saga of an American Family)を基にした、今から40年前の1977年制作・アメリカのテレビドラマ(ミニシリーズ)からである。

 西アフリカのガンビアで生まれた黒人少年クンタ・キンテを始祖とする、親子三代の黒人奴隷の物語を描いているこのドラマは、アメリカで平均視聴率44.9%を記録した。(Wikipedia 参照)

 このドラマは日本でも放映されて、「ルーツ」という言葉は流行語となり、そのまま日本語となった。
ファミリーヒストリー

 これは名字ではないが、現在ルーツを探すテレビ番組は、他に、月1回、不定期に放送されるNHKのファミリーヒストリー(画像)が有名だが、見るたびに感動に襲われるのは何故だろうか。

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 父母や先祖がいかに苦しい時代を生き抜いてきたか、自分が生まれてきたのは必然ではなく偶然だったことを、驚きと共に思い知らされることも大切なことだ。

 それにしてもNHKの取材陣の執念というか努力には脱帽する。このぐらいの調査能力があれば、そのエネルギーを森友や加計問題に向ければ、とっくの昔に事件は解明していたのではないかと、皮肉も言いたくなるほどである。

 自分が観たのは、故・平幹二朗平岳大親子(2013年2月18日)、大竹しのぶ(2017年1月17日)、夏木マリ(2017年2月9日)、桂歌丸(2017年12月20日)の4作だけだが、いずれも興味い番組だった。
 自分の祖母のルーツは広島・浅野藩の剣術の指南役だと聞いたことがある。あえて調べようとは思わないが、もちろん興味はある。

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