Quantcast
Channel: ♪♪中高年の中高年による中高年のための音楽♪♪
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1001

森友疑惑証人喚問に思う

$
0
0

イメージ 1
 今さら書く記事としては古くなってしまったが、3月27日の佐川元理財局長の証人喚問は、東京のキー局はテレビ東京を除き全てのテレビが同時中継するという、滅多にない盛り上がりを見せたが、委員長の次の、自民党・丸川珠代氏(47歳、写真)質疑でもう先が読めたので、テレビを消して外出した。

 コメンテーターのデーブ・スペクター氏も「夏のボーナスを狙っているかのような質問。早送りしようかと思ったけど、生中継なのでできなかった」とコメントしたほどだ。

 首相を始め、官邸の圧力が無かったことだけを明確に述べた他は、政治訴追を盾に一切真実を語らなかった。鉄壁の事前準備が功を奏したのだろう。

 質問者の丸川氏は非難を浴びているようだが「~でしたね」という誘導質問で、佐川証人の言質をとり、しっかり最後にまとめをしていた。安倍首相からのお褒めに預かること必須で、2階級特進だろう。

 前職でも「~ですね」と、無意識だろうが結論を誘導する女子社員がいて、「そういう言い方はダメだよ」と厳しく諫めていた。

 自分の考えに同意を求める発言に反論するのはエネルギーが要るからだ。

 今回の丸山議員の質問はしかも「安倍総理夫人からの指示もありませんでしたね?」と、「ありましたか?」ではなく「ありませんでしたね?」と質問するという悪質なもの。

 こうした露骨な誘導尋問に対しては、元テレビ朝日アナウンサーの南美希子氏も27日の「バイキング」(フジテレビ)で「(テレ朝の)後輩ですけど、恥ずかしいですね」と一刀両断するなど、各方面から批判する声があがった。

 世論調査などでこれをやられると意図的な結果を出されるおそれがあり、危険な質問の仕方である。

 自民党は、これで理財局だけの問題だと分かったとし、幕引きを図ろうとしているようだが、どうしたらそのような発想が生まれるのだろうか。

イメージ 2
 最後は「佐川、佐川!」と呼び捨てにした麻生財務相写真が、なぜこの件に関しての最高責任者をたやすく退職させたのかという疑問が拭えない。

 退職後も追加の懲戒がありうるとほのめかしていたが、背任罪や公文書偽造などの犯罪者であれば、本来は懲戒免職であろう。自宅待機にしてさらに事情を聴取すべきだったのではないか。

 懲戒免職であれば、退職金は支払われないはずだが、その裏には何らかの密約が出来ていたのだろう。退職のいきさつについての質問をする議員はいなかったが、ここがツボだ。
晩節の過ごし方

イメージ 3
 佐川宣寿氏(60歳、写真)もプライドもずたずたにされた上、もはや市井の人間になったので、そろそろ本当のことを言ってほしいという「一縷の望み」も完全に絶ってしまった。

 聞くところによると、佐川氏は中学3年で父を亡くし、3人の兄が高校の学費を負担してくれ、2浪までして東大に入学したという。

 3人の兄は今ご健在かどうか知らないが、その末弟には晩節は汚さないで欲しいと心から願っておられることと思う。

 誰が考えても、退職後正直に答えた前川喜平氏の方が圧倒的な国民的ヒーローである。

 確かに、あの世まで隠し通さなければならないことも人によってはあるかもしれない。他人ごとではない。自分にも心のが潜んでいるのも事実だ。

 しかし、今度のことをあの世まで持っていく必要はないと思う。

 危険なことをやらざるをえなかったのか。なぜ、晩節を汚してまで隠さなければならないことがあるのか、そのことを明らかにしなければならない。

 折りしも今は桜の季節。日本人が愛してやまない武士道の魅力は、散り際の潔さにあるという。その美徳はどこに行ったのだろうか。

トップが右を向けば右と言う考え方

 いわゆる「YES MAN」で偉業を成し遂げた人物はいない。

 どんな世界でも、異端児は必要だと思っている。そういう自分も多分「異端児」の端くれの一人だ。

 これまでほとんどを会社人生に捧げてきた。もちろん、会社にいれば忖度もし、これは違うなと思っても、全て否定したり断ったりしてきたわけではない。

 ただし、不正矜持に関わることについては何度も戦ってきたつもりだ。

 あるとき、社長が企業コンサルタントを連れてきた。労務関係のコンサルタントではなかったが、次第にそれについて口出しをするようになってきた。

 彼はこの見出しの言葉のように「社長が右といえば右にするもんだ」とか、「中小企業で残業をまともに付けているところは10社に1社も無い」などと放言し、ことごとく対立した。

 最終的に社長は彼を選び、自分は辞職することになったが、コンサルタントにあるまじき発言だと憤っていた。

イメージ 4
 これについては、少し前の話だが、2012年1月2日のNHKの番組(Eテレ)「白熱教室JAPAN」で、スタンフォード大学起業家育成コース・エグゼクティブディレクター・ティナ・シーリング(写真)が大阪大学の学生に対して行った「ブレーン・ストーミング」のことを思い出す。

 日本と欧米で決定的に違うことは「価値観の違いを認める教育」かどうかということで、何でも横並び、「多様な意見から学ぶ」という習慣の少ないことが日本でリーダーが育ちにくいと言われる所以で、
こんな学習方法が日本では特に必要だろう。

 そして、チャレンジするとリスクも伴う。失敗しても大らかに許される環境が日本では不足している。それが、起業家精神(アントレプレナーシップ)の育たない土壌を生んでいるのだ。

能力と人格は必ずしも比例しない

 安倍首相は「内閣総理大臣がウソをつくはずはない」などと強弁するが、その言葉を盲目的に信じている国民がいることも事実だろう。国のトップがウソをつくなんて確かに信じたくはない。

 しかし、国民にウソをついたり騙したりした元首は、例を挙げるのもうんざりするほどたくさん存在したこともまぎれのない事実だ。

イメージ 5
 安倍首相もその例に違わない。拙ブログでも安倍内閣の終焉で一部言及しているが、元々政権公約などを信用してはいけないと言ってしまえばそれまでだが、エンマ様から舌を抜かれてもおかしくないほどだ。(図)

 しかし、トップがウソをついたり騙したりすると、一番怖いのがモラルハザードの蔓延である。

 トップが不正を行うとそのことで部下に怒ることが出来ない。天に唾を吐くことになるからである。

 過去在籍した会社でもいくらでも例を持ち出すことが出来るが、また話す機会があるかも知れない。

 ところで、偉人と呼ばれた人たちも、必ずしも品行方正とばかりは言えない。「高潔な人物」を条件に選んだら「お札」「硬貨」に登場する人物は間違いなく変わったものになるだろう。

イメージ 6
 もうだいぶ前になるが、毛沢東の侍医兼医療班長だった李志綏(りしすい)という人が書いた「毛沢東の私生活」(1996年、文春文庫、写真)という、暴露本を読んだことがある。
 
 これを読むと、あの中国共産党の偉大なる英雄である毛沢東が実は驚くべき放蕩家で、しかも私利私欲の塊だったことがわかる。

 文化大革命で彼を信じた人たちが真っ青になる代物である。筆者は亡命したアメリカで謎の死を遂げる。反論もあるようだが、全くの作り話だとは思っていない。

 世間で偉人と呼ばれる人たちの私生活は、とても「偉人」とは思えないものが多い。
 
イメージ 7
 ノーベル賞創設者のノーベル(1833-1896年、63歳で没、写真)は、晩年、ウィーンの貧しい花売り娘に惚れこみさんざん貢いだ挙句、他人の子供を身ごもった上、その彼女から脅迫までされた。
 
イメージ 8
 相対性理論のアインシュタイン(1879-1955年、76歳で没、写真は、妻と離婚したいのに金銭的な折り合いがつかず、ノーベル賞を受賞して、その賞金を渡すという条件で離婚した。
 
イメージ 9
 「資本論」のカール・マルクス(1818-1883年、64歳で没、写真は家政婦に手を出して、男の子を産ませ、脅迫されてエンゲルスのお世話になった。

イメージ 10
 哲学者のヘーゲル(1770-1831年、61歳で没、写真は家主の夫人に手をつけて子供を産ませ、法外な慰謝料を要求された。

イメージ 11
 80歳を過ぎた文豪・トルストイ(1833-1896年、63歳で没、写真は妻とけんか別れして家出した揚句、田舎の駅で死んでしまった。

 森友事件の影に隠れて、加計問題の闇の解明が遅れている。

 忖度問題はまだまだ尾を引くだろう。自浄作用が無くなった深刻な日本のモラルハザード。

 これからも目が離せない大問題だと思う。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1001

Trending Articles