近々安倍内閣は「大義なき解散」を行うようだが、その理由の一つに、不倫疑惑で離党した山尾志桜里議員(43歳、画像)と、その他の議員の離党騒ぎで民進党の支持がさらに減り、自民党に有利だからだという。
これって、森友・加計疑惑の究明が進めば致命傷になることを証明したようなものだ。
そして、総選挙後に難題が山積していることも示唆している。これ以上支持が減り、総辞職に追い込まれる前に議席を確保しておこうという魂胆だ。
9月18日の世論調査 山尾議員に厳しい回答(フジテレビ)によると、『FNNが、17日までの2日間実施した世論調査で、不倫疑惑報道で民進党を離党した山尾志桜里議員について尋ねたところ、「離党は妥当だ」と「離党の必要はなかった」と答えた人はそれぞれ2割台(「離党は妥当だ」26.5%、「離党の必要はなかった」28.8%)で、「議員辞職するべきだ」が4割(41.1%)と最も多い結果だった。7割を超える人が、山尾氏は、説明責任を果たしていないとの認識を示した(説明責任を果たしていると「思う」18.7%、「思わない」76.2%)。前原氏が代表に就任した民進党に、「期待する」と答えた人は2割台(25.2%)。7割の人(70.4%)が、「期待しない」と答えた。民進党の支持率は、1割も満たない状況が続いている』
とあり、「議員辞職するべきだ」が4割(41.1%)あるのには驚いた。
自民党議員の今井絵理子氏(33歳、写真)と比べても、厳しすぎる世論ではないか。山尾議員に対して疑惑が発覚したとき、身内の民進党議員から離党どころか、議員辞職を求める声が出たのにも驚いた。民進党が有能な党内の議員を守れないことも、世間の支持を得られない理由の一つだ。
また、男性議員の「身の下事件」には甘すぎるのに対し、あまりにも大きな差があるのではないか。
安倍首相は国連総会に出かけ、帰ってから解散のことを発表するともったいぶって答えていたが、飛行機のタラップに上がっている、下写真の二人の姿が気になった。
インドでの来訪歓迎パーティの席でも、モディ首相の前でミーハーのように、スマホをパチパチして顰蹙を買ったようだが、よくこんなところに出て来れるなと思った。(画像)
もう一人は、不倫は文化?【その1】国会議員の不倫 でお伝えしたが、安倍首相を影のように寄り添っている、不倫ではないが買春疑惑の西村康稔内閣官房副長官(54歳)である。
人の不倫なんてどうでもよいと思っていても、なぜか気になる他人の「不倫」。しかし、不倫を正当化すると世の中のバッシングに会う。
人の不倫なんてどうでもよいと思っていても、なぜか気になる他人の「不倫」。しかし、不倫を正当化すると世の中のバッシングに会う。
他人の不倫が、なぜこうも気になるのか。
東京大大学院の瀬地山角(せちやまかく)教授(ジェンダー論)によると、浮気が即離婚につながる米国に比べ、日本は浮気がばれても離婚しない夫婦が多く、「浮気しても結婚が続くので不倫が目立つ」という。
一方、日本人には「性関係は夫婦内に限定すべきだ」という規範意識が強い。「不倫が起きやすいのに、不倫に厳しい。だから不倫に注目が集まりやすい」という理屈だ。
彼は、「不倫は犯罪ではなく、本来は当事者間で解決する問題」 有名人だからといって、社会が『制裁』すべきでない」とも言っている。
どうやら、芸能人や政治家の不倫は「イメージを裏切った罪」があるようだ。それが、ここまで断罪されることなのかな、とは思う。
「不倫」は、古くは「姦通」「不義密通」というおどろおどろしい言葉だった。法律上は「不貞行為」という。
その後、「浮気」や「よろめき」とも呼ばれてきた。「よろめき」は三島由紀夫のベストセラー小説「美徳のよろめき」(1957年)に由来する。これは映画化、テレビドラマ化され、以来、お昼のテレビ番組は「よろめきドラマ」が支配していた。
「よろめき」が「不倫」という言葉に変わったのは、TBSドラマ「金曜日の妻たちへ」(1983年)からだ。1980年代を代表する不倫ドラマと言えば「金妻」の略称でも知られる『金曜日の妻たちへ』(写真)シリーズである。放送日の金曜夜10時には主婦が電話に出ないとまでいわれるほど大ヒットした。
右画像は、江戸時代、不義密通により公衆にさらされる男女『日本の礼儀と習慣のスケッチ』より。(1867年作)
近代に入って、「浮気は男の甲斐性」などと既婚男性が未婚女性と不倫にいたる限り、容認する風潮が長く続いていた。当時既婚男性が未婚女性を愛人に持つことは容認されても、既婚女性が浮気をすることは容認されないとされており、既婚女性が不倫に及んだ場合1947年までは男女とも姦通罪という罪に問われた(現在の日本の法律では刑事的責任を問われることはない)。
単に夫や妻のいる男性や女性が男性・女性(既婚・未婚は不問)とデートするなどの浮気で、相手方の合意があれば犯罪行為とされないため、刑事罰に問うことはできないが、道義的に問題のある行為であり、その代償は非常に大きい。しかし犯罪でないとはいえ、家庭や友人関係を一気に崩壊させる危険をはらみ、経済的・精神的に深刻な打撃を受け、社会的信用はもとより、自身の社会的な基盤すらをも失う可能性がある。(Wikipedia 参照)
その後、「浮気」や「よろめき」とも呼ばれてきた。「よろめき」は三島由紀夫のベストセラー小説「美徳のよろめき」(1957年)に由来する。これは映画化、テレビドラマ化され、以来、お昼のテレビ番組は「よろめきドラマ」が支配していた。
今や「よろめき」は、ほぼ死語になっている。
不倫はSNSや携帯電話・スマホの普及でむしろ増えている。そして、その不倫の大半は職場で発生している。ストレスが多く、利益の上がらない不規則な激務が続く状況ではなおさらだ。
人はなぜ不倫する?男女逆転、男は心を求め、女は…(日刊スポーツ、9月18日)
-今井氏は一線を越えていないと言い、斉藤(由貴)は当初、不倫を否定した。山尾氏は、男女関係はないとした。一連の当事者の発言を聞いて、どう感じたか
亀山氏 何を不倫の「一線」としているのかによります。ダブル不倫のある主婦は、性交類似行為までと言う。避妊具の有無と言う人もいる。一線は千差万別です。裁判では、ホテルに一緒に入る写真を探偵に撮られたら、不貞行為があったとみなされる。いわば「みなし一線越え」です。真実は、当事者2人にしか分かりませんが。
-不倫では、肉体関係は大きな要素ですか
亀山氏 ものすごく。不倫相手に求めるものは男性が肉体、女性が恋といわれてきたが、今は逆転している。男性が心のつながり、女性はまず肉体。不倫中の女性たちに、彼がED(勃起不全)になったらどうすると聞くと「会ってる意味がない」と言います。
-18年間取材してきた中で、変化はありますか
亀山氏 ここ7~8年で、結婚と恋愛は別という考えが広がった印象がある。スマートフォンの発達が大きい。どこでも男女がつながれる。もはや、不倫助長ツール(笑い)ですが、逆に不倫が発覚しやすい背景でもある。あるアプリは、外部からスマホを遠隔操作できる。キスの自撮り画像も流出してしまう。
-傾向として、多い世代は
亀山氏 40代半ばです。子どもに手が掛からなくなり、ふっと自分を見つめ直す。特に女性は更年期を前に焦る。再び社会に出る人もいて、そこに恋愛も入ってくる。欲望に正直なバブル世代でもある。既婚者の恋愛は、結婚という目標がなく、子どもみたいに「邪念」がないとも言う。だから50代でもパンツかぶっちゃう(笑い)。欧州には、「恋は子どもを大人にし、大人を子どもにする」という格言がある。
-人はなぜ、不倫をするのでしょう
亀山氏 本能では求めるのが、人の本性ではないか。結婚に縛られていることに、社会的な意味を感じる人には抑制が働きますが、あまり感じない人では「本能」が上回るのではないでしょうか。
-不倫自体を否定も肯定もしない理由は
亀山氏 人間にとって一番大事なのは、自己判断の自由です。法を犯さない限り、自由を最大限尊重したいから、良くも悪くも何も言わない。
-不倫報道が多いですね
亀山氏 男と女がいれば、不倫は一定数あるもので、昨年来、報道が増えているのだと思います。「ゲス不倫」と言っても、ゲスなのは大衆で、不倫報道は注目される。私も見ちゃいます。ただ、この流れが続けば、密告社会みたいで怖いとも思う。ただ、不倫は誰にでも起こりえます。する人は、マメに秘めること。別にお勧めはしませんが(笑い)。しない人は、うかつに手を出さないことです。痛い目に遭いますから。(聞き手・清水優)
では、どのくらいの男女が浮気・不倫をしているのだろうか。
では、どのくらいの男女が浮気・不倫をしているのだろうか。
昨年(2016年)、「ゲス不倫」の流行語大賞のノミネートや、今年の漢字のトップ10に「不」と「倫」の文字が入るなど、何かと世間を騒がせた不倫問題だが、ジェクスの最新の調査によると、下表の通り、不倫をしたことがあると回答したのは男性:37.0%、女性:24.4%、現在不倫をしていると回答した人は、男性:13.2%、女性:7.0%となっている。
10人に一人は現在「不倫」をしているのだ。
「ハームリダクション」(harm reduction)という言葉がある。Wikipediaによれば
「個人が、健康被害や危険をもたらす行動習慣(合法違法を問わない)をただちにやめることができないとき、その行動にともなう害や危険をできるかぎり少なくすることを目的としてとられる、公衆衛生上の実践、方略、指針、政策」を指す。
自分の殻に閉じこもらず、職場以外のコミュニケーションにも属し、複数の人間関係を築いていく。
一つ一つの関係は肉体を伴った不倫ほど深くはないけれど、小さなぬくもりは得られる。そうした関係をいくつ持っていられるか、それが不倫ワクチンの一つになるのではという。
山尾志桜里議員は説明責任も不十分だったが、誰が見ても逸材であることには変わりない。議員を辞める必要などない。捲土重来を期待している一人だ。