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日本語の難しさ

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 これまで、「日本語について」など、日本語の素晴らしさを伝えてきたが、難しいことでも世界一ではないだろうか。
 
 それは
 
1.立場上使っていい言葉と、使ってはいけない言葉が多いこと。
 
2.同音異議語同訓異議語が多いこと。
 
3.類語の使い分けが難しいこと。
 
 があることだ。
 
1.立場上使っていい言葉と使ってはいけない言葉が多いこと。については
 
●殿と様は明確に使い分けを!
 
イメージ 2 社内文章では、「殿」がよく使われる。通例、社内では誰に対しても殿でよい。
 
 殿を使っては失礼になるケースが、社外向け。民間企業からほかの民間企業にあてる文章に殿は使えない。お役所がわれわれ個人にあてた書類などをみると殿が使われているケースもあるが、今では社外の人にあてるのと同様、を使うことがほとんど。
 
●小生、小職の落とし穴


 「小生」とは自分と同等かそれ以下の役職の人にあてた文章に使うもの。従って、お客さまあてのメールや書状に自分のことを小生としたらおかしい。また、失礼にあたる。

 
  「小職」は元来、「自分の官職が低いというへりくだりの言葉」である。従って、お役人が使うもの。大学職員や病院職員、団体職員など、職員と呼ばれる人は慣例でよく使うようだ。しかし、民間企業の人や学生がこれを使うのはおかしい。
 
 では民間企業の人は自分のことをどう表現すべきか。それは「私(わたくし)と書くべき。例えば、「ご不明な点がございましたら、遠慮なく私あてにご連絡を賜りますよう」といった具合に書く。(http://news.mynavi.jp/news/2013/05/07/236/参照)
 
 なお、社内文書などで用いる「各位」という言葉は、自体が敬称なので、目上の人へ用いても失礼には当たらない。

 そして、目上の人が使う言葉(大名言葉)を知らず知らずのうちに目下の人が使っていること。
 
 これはそのNG集
 
●なるほど」⇒さようでございますか
 
 納得した時の相づちで使われる「なるほど」。本来の意味合いとしては「当然のことである」。自分が知っていること、というニュアンスもある。また、心理学的に、話を聞いていないときや、興味がないときに使うともいわれている。
 
●分かりました、了解しました⇒かしこまりました・承知いたしました
 
イメージ 3●ご苦労様です⇒お疲れ様です
 
 これはよく言われていることだが、「ご苦労様」は目上の人が目下の人に使う大名言葉。お疲れ様」には上下関係がないので、使い分けをすること。
 
●できません⇒いたしかねます
 
 「できません」というような断定的な言い方は日本人にはなじまない。また接客業界等では、お客様に対して否定系の言葉を直接話してはいけないという暗黙のルール(常識)がある。特に話し相手がお客様の場合は必然的に遠まわしな言い方にしたほうがよい。
 
●お久しぶりです⇒ご無沙汰しております
 
 「お久しぶりです」は誰に対しても使えるカジュアルな表現ですが、目上の相手には「ご無沙汰しております」が適切。丁寧語である「お久しぶり」に対し、「ご無沙汰しております」は相手を敬う意味合いが強い言葉です。
 
2.同音異議語同訓異議語が多いこと。については
 
イメージ 1 「ひと目でわかる 微妙な日本語使い分け字典」水野靖夫著、PHP文庫、写真
 
 まえがきにこんなことが書かれている。
 
 「沸かす」のは「湯」か「水」か
 
 「漢語はもともと外来語であったが、現在われわれは日本語として使っている。日本語という言語の一部になってしまっているのである。たとえば、、「あう」には「会う、合う、逢う、遭う、遇う」があり、これを使い分けかは、漢語でどう使っていたかではなく、現在日本語でどう使い分けているかによるのである。言語というものは、それを使っている民族のものの考え方や文化を反映している。(中略)
 
イメージ 4 日本語には「湯」という語があるが、英語にはない。英語には”boil hot water”とは決して言わない。”boil water”と言う。「湯を沸かす」というのは論理的におかしい。「水を沸かす」が正しいという人がいるかもしれない。しかし日本語の「湯を沸かす」というのは「水を沸かして湯にする」という意味なのである。「穴を掘る」「飯を炊く」も同じである。このように日本語と英語では言葉の概念が違いのである。
  よく迷うのは、規定と規程清算と精算的確と適格保証・補償・保障の違いなどだろうか。
 
規定と規程規定は法令関係に、また条文一つ一つに使われ、規程は事務手続きに、また規則全体に使われる。
 
清算と精算清算は貸し借りの決着、精算は精確に計算すること。
 
的確と適格的確は的を外れず確かという意味であり、情勢を的確につかむ、というように使う。適格は、ある資格に適うという意味であり、代表選手として適格だ、というように使う。
 
保証・補償・保障保証とは、確かであると請け合ったり、万一の場合は代わりに不都合を引きうけるという意味であり、身分保証とか債務保証のように使う。補償は、損害の償いであり、損害補償・災害補償などと使う。「障」は、遮る・支え防ぐ意味があり、保障は守ることであり、日米安全保障条約とか言論の保障のように使う。

イメージ 63.類語の使い分けが難しいこと。については
 
 朝日新聞のシリーズ「ことばの食感」・類語のニュアンス(2015.9.26 早稲田大学名誉教授・中村明氏)から。
 
●「今日は天候がいい」と言うと違和感がある。「天気」がくだけた会話でもよく使う日常語なのに対して、「天候」という語はやや専門的で堅い感じだからだろう。「天気」がもっぱら晴れか曇りか雨かという見方なのに対し、「天候」は気温や湿度や風などの状態をも含めた総合的な判断であるという意味範囲のずれもある。
 
基礎」「基本」も同じような意味で使うが、建築でいえば土台石と大黒柱との関係にもなぞらえられるようなイメージの違いを感じる。
 
「王」「皇帝」が似たような地位でも、「王国」はそれなりに平和が保たれているが、帝国主義侵略戦争という歴史の影響か、「帝国」は何となくきなくさい感じがする。気のせいか知らん?
 
「構成」「構造」も意味に共通点が多いが、平面と立体といったイメージの違いがある。「文章構成」は展開する順序だから変更が容易だが、「文章構造」は内容の組み立てなので解きほぐすのは簡単でない。「家族構成」「委員会の構成」「紙面構成」のように構成要素は独立しているが、「社会構造」「機械の構造」のように構造体の内部は複雑に組み合わさっている。そのせいか、「構造改革」は遅々として進まない。
 同シリーズの11月7日号では、『乱「聞く」模様』
 
 音や声を耳で感じとることを「きく」と言う。多くの人はふつう「聞く」と書くが、「聴く」と書く場合もある。「名曲を聴く」「せせらぎの音を聴く」などと書くと、「聞く」より美的に響き、さらに趣が増すような雰囲気もないわけではない。
 
 また、注意深く耳を澄ます場合、例えば講義で先生の話を拝聴するのは「聴講」と言い、「聴く」を使う。だが、「話を聞く」と書いたからといって、いいかげんに聞き流す場合だけとは限らない。「足」「脚」「早い」「速い」という関係と同じで、前者が総称、後者はその意味の一部を明確にするための表記と考えたい。
 
 どういう態度であっても「聞く」と書いて誤りではなく、特に耳を傾けることを強調したい場合に「聴く」と書き分けているのだろう。
 
 「聞き誤る」のは聞いた内容を誤解する場合、「聞き落とす」のは聞いていながら一部を「聞き漏らす」場合、「聞き損なう」はその両方、「聞き逃す」は一部を聞き漏らす場合にも、聞こうと思いながらその機会を逃す場合にも使う。インタビュアーは「聞き手」で話を聞くが、質問する場合には「訊(き)く」と書き分ける人もある。
 
イメージ 5 その他、類似語では「信用」「信頼」の違い。
 
「信用」とは、信じて任せること、過去の実績や成績を見て「この人なら大丈夫そう」と判断すること。
 
「信頼」とは、信じて頼ること、「この人に任せておけば大丈夫だろう」「この人なら秘密を守ってくれるだろう」といったように精神的な安心を伴うことが多いようだ。
 
 従って、「信用取引」と言うが、「信頼取引」とは言わない。「信用関係」とは言わないが、「信頼関係」と言う。
 
 第814話:歌・唄・詩では愛・恋(Love)、青・蒼・碧(Blue)、歌・唄・詩(Song)を使った歌を紹介している。

 文章ではたとえば、「思う」を何度も続けると聞き苦しいので、「考える」とか「感じる」とか同義語を多用した方が望ましい。
 
 こんなときは類語(シソーラス)辞典を見ると便利だ。
 
 それにしても日本語は奥が深くて難しい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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