つい最近、連続して木(tree)の歌【その1】、木(tree)の歌【その2】を投稿したばかりだというのに、本日(10/17)の朝日新聞土曜版beランキングに「あなたの好きな木」という記事があった。
もう少し投稿を待っていたら良かったのかもしれないと思ったが、仕方ない?ので改めて「木(tree)」に関する話題と、前2話で漏れた歌を…。
新聞の記事はこんな内容だ。(赤字及び、画像の一部は筆者挿入)
紅葉の美しい季節がやってきました。日本は国土の3分の2を森林が占める“木の文化の国”。街路樹や庭木として生活になじみ深い木も多く、各都道府県の木も決まっています。季節ごとに趣を変える多種多様な樹木に寄せられたコメントからは、木を愛する人が多いことを改めて実感させられました。
1位はサクラ。「日本の春になくてはならない木」(大阪、56歳男性)という理由はほぼ一致していたが、単に花の美しさにひかれたのではなく、その姿に人生を重ね合わせるような印象的なコメントが目立った。「年を重ねるにつれ、あと何回、満開のサクラに会えるだろうかと思う」(徳島、74歳男性)「阪神大震災の避難時に、壊れた住宅の庭に立っていた一本のサクラに、感激したことがあります」(兵庫、66歳男性)。
2位は、日本の街路樹で最も多いというイチョウ。アンケートでは「好きな街路樹」も聞いたが、ダントツの1047票を獲得し、749票で2位だったサクラを逆転した。「落ち葉の掃除は大変」(埼玉、58歳男性)という声もあったが、黄金色の雄姿は圧倒的存在感を放つ。「幼いとき、家の前に大きなイチョウの木があった。遠出をしたとき、それが見えると、家に帰ってこられたとホッとしたものだ」(広島、57歳女性)
3位のキンモクセイの魅力はなんといっても「甘い香り」。この香りがたまらないという声は男性からも多く寄せられた。「庭先であの芳醇な香りがすると、枝を折って部屋に飾った」(兵庫、26歳男性)、「50年前の初デートであの香りが漂ってきたのが忘れられない」(愛媛、71歳男性)
■わが家の庭で家族を見守る
3~5位などは庭木としても愛される。庭の木には、家族とのかけがえのない思い出がやどる。
「父が元気な頃、息子の小学校入学記念に庭に植えてくれたウメ。2階まで伸びた枝を見ては父を思い出す」(福岡、57歳男性)、「孫の誕生記念に植えたハナミズキ。ともに成長しているので、いとおしい」(大分、81歳女性)、「東日本大震災でわが家は全壊。新しい家に移れた庭木はナンテンだけだった。今は、私たちを守ってくれている気がする」(宮城、67歳女性)。
コメントで印象的だったのは、名所などの著名な木についてではなく、身近な木の思い出を書いてきた人が圧倒的に多かったことだ。木が生活や人生をともにする存在であることが伝わってきた。「好きな木が多くて五つに絞れない」(長野、45歳女性)という意見も少なくなく、自由回答を含めると、今回は好きな木として、116もの名前が挙がった。
そもそも、なぜ木にひかれるのか。「ヒトよりも圧倒的に強く、地球を代表する生き物に思える」(大阪、46歳男性)、「これほど人の心を和ませてくれるものはない」(神奈川、84歳男性)。
「樹木葬を望んでいる。右往左往して生を終えたとき、不動の強さを持っている木に抱かれたいと思っている」(長野、49歳女性)
それでは、「木(tree)」の歌を。
▼サクラの歌
井上陽水/桜三月散歩道(1973年)
SIDE A
1.あかずの踏切り 2.はじまり 3.帰れない二人 4.チエちゃん 5.氷の世界 6.白い一日 7.自己嫌悪
1.あかずの踏切り 2.はじまり 3.帰れない二人 4.チエちゃん 5.氷の世界 6.白い一日 7.自己嫌悪
SIDE B
1.心もよう 2.待ちぼうけ 3.桜三月散歩道4.Fun 5.小春おばさん 6.おやすみ
1.心もよう 2.待ちぼうけ 3.桜三月散歩道4.Fun 5.小春おばさん 6.おやすみ
▼イチョウの歌
美空ひばり/港町十三番地(1957年)【銀杏並木に】
「港町十三番地」は美空ひばりが生前好んで歌ったマドロス曲の一つであり、ひばりの故郷である横浜市と隣の川崎市が舞台になっている。
日本レコード協会(当時:日本蓄音機レコード協会)発行の機関誌「THE RECORD」に掲載された1957年の各社ベストセラーチャートで、「港町十三番地」はコロムビアの年間チャート1位を記録した。
そして、NHK連続テレビ小説「てるてる家族」(2003年)の第17話、さらに連続テレビ小説「あまちゃん」(2013年)では宮本信子演じる天野夏と、蟹江敬三演じる天野忠兵衛が本楽曲を歌唱している。
なお、タイトルにある「港町」とは、京急大師線港町駅で、十三番地は存在しないが、作詞の石本美由起が語呂の良さから十三番地にした。
また、歌詞の中の「銀杏並木の敷石道」は山下公園、「マドロス酒場」は馬車道あたりの酒場がイメージされたものだという。
ところで、京浜急行電鉄(京急)の発祥は大師線。当時は、大師電気鉄道という社名で、川崎大師への参詣客輸送を目的に設立された鉄道が発展して、いまの京急になった。
大師線の最初の停車駅は、京急川崎駅から1.2kmの距離にある港町駅(みなとちょうえき)。(下図)
戦前、日本のレコード発祥の地としても知られている、日本コロムビア川崎工場がこの駅すぐ北側にあり、「コロムビア前駅」と名乗っていた。この工場でプレスされて全国に出荷されていた曲の一つに美空ひばりのヒット曲「港町十三番地」があった。
その下には、同歌のレコードジャケットのイラスト、上には当時の日本コロムビア川崎工場の俯瞰写真がある。これらの歌碑の中にボタンがあり、押すと彼女の歌声が流れるようにもなっている。(写真)
平和勝次とダークホース/宗右衛門町ブルース(1972年)【いちょう並木に春が来る】
フランク永井/公園の手品師(1978年)【銀杏は手品師】
一青窈/ハナミズキ(2004年)
小畑実&榎本美佐江/湯島の白梅(1942年)
▼クラシックから2曲
ナナ・ムスクーリ/菩提樹(Der Lindenbaum)(1827年)
●ドイツの抒情詩人ミューラーが1823年に発表した詩集を読んで感激したフランツ・シューベルト(1828年、31歳で没)が作曲したもので、24編から成る歌曲集『冬の旅』の5番目の作品。
菩提樹の前を通り過ぎる。かつて若者はこの木陰でいつも甘い思い出にふけっていた。枝の不気味なざわつきが、若者を誘う。場所を離れ何時間経ってもまだざわつきが耳から離れない。
ヨーロッパの菩提樹は、釈迦が悟りを開いたと伝えられた菩提樹とは違い、セイヨウシナノキ(別名、リンデンバウム)を指す。(写真)
東京児童合唱団/ウェルナー「野ばら」(Heidenröslein)(1829年)
▼最後は有名な映画のテーマ曲
ナタリー・ウッド&ヘンリー・マンシーニ
映画「グレートレース」よりスウィート・ハート・トゥリー(1965年)
●「グレートレース」(The Great Race)は、1965年に製作されたアメリカのドタバタコメディ映画。同年のアカデミー賞音響効果賞を受賞した。監督はブレイク・エドワーズ。主演はトニー・カーティス(2010年、85歳で没)、ジャック・レモン(2001年、76歳で没)、ナタリー・ウッド(1981年、43歳で没)。音楽はヘンリー・マンシーニ(1994年、70歳で没)と、既にみんな鬼界に入った。
映画は1908年に実際に行われたニューヨークからパリまでの自動車レース(1908 New York to Paris Race)をモチーフにして、おおよそ2万2千マイル(約3万6千キロ)のコースとその時期を実話に合わせて話を展開させている。
映画史上最大のパイ投げ合戦シーンなど、サイレント映画の手法やギャグが多く使われている。
(Wikipedia参照)