9月に入ってから秋雨前線による長雨と低温が続いている。
すでに、すっかり秋の装いとなり、まだ衣替えには早いというのに、毎日着る服の選択に困っている。
もっとも、東京は梅雨どきよりも、秋雨の頃の方が、雨の量は多いそうだ。(6・7月と9・10月を比較すると、過去30年平均で1.27倍)
太田裕美/九月の雨(1977年)
「九月の雨」は、太田裕美にとって「木綿のハンカチーフ」「赤いハイヒール」に次ぐ3番目の大ヒット曲となった。また現在(2015年)時点で、太田のオリコントップ10入り最後の曲となっている。
曲が発売された1977年の「NHK紅白」で歌唱したが、そのバックで、キャンディーズ、山口百恵、桜田淳子ら当時の豪華メンバーが傘をさして踊っていたのが懐かしい。(映像)
「
車のワイパー透かして見てた 都会にうず巻くイリュミネーション…」 ピアノのイントロが降りしきる雨を思わせる。

「くちびる噛みしめタクシーの中で あなたの住所をポツリと告げた」 恋人の浮気に不安を覚えた女性が、雨の中タクシーで彼の部屋を訪ねようとしている。
「
ガラスを飛び去る公園通り あなたと座った椅子も濡れてる…」 タクシーの窓ガラス越しに彼とデートした公園が見え、切ない気持になっている。

「
さっきの電話で あなたの肩の 近くで笑った女は誰なの?」 見知らぬ女のあざけるような笑い声に胸騒ぎがして、それを確かめようと気がせいている。だが、彼女は彼の部屋に行くのをためらっている。

「
愛がこんなに悲しいのなら あなたの腕にたどりつけない…」 途中でタクシーを降りたのかもしれない。

「
愛が昨日を消して行くなら 私明日に歩いてくだけ…」 彼の愛を失った女性の辛い悲しみが伝わって来る。

「
September rain rain 九月の雨は冷たくて September rain rain 九月の雨は優しくて…」 実際に9月の雨は冷たくて優しいのだろうか。猛暑から解放された9月の雨はひんやり気持ち良く、しとしと降るので優しさを感じるのだろう。(「橋本テツヤ あのヒット曲を追いかけろ」参照)

太田裕美の曲をもう一つ。
太田裕美(60歳、写真)のデビュー曲「雨だれ」以来、彼女のヒット曲はほとんど作曲・筒美京平、作詞・松本隆の作品だ。コンビ4作目の「木綿のハンカチーフ」で松本隆はブレイクした。
太田裕美/雨だれ(1974年)