国民総幸福量(GNH、Gross National Happiness)という指標がある。
「国民総幸福量」(GNH)という考え方は、これまで先進国の多くが競ってきた個人消費や設備投資から成り立つ「国内総生産」(GDP)という経済指標が、人々の幸福に役立つどころか、むしろ反対に人々を不幸にしたり苦しめるような政策へと各政府を駆り立ててしまっているという反省に基づいている。
GNHは、1.心理的幸福 2.健康 3.教育 4.文化 5.環境 6.コミュニティー 7.良い統治 8.生活水準 9.自分の時間の使い方の9つの構成要素がある。
そのうちの一つ「心理的幸福」については、正・負の感情の頻度(正の感情: 1.寛容 2.満足 3.慈愛 負の感情:1.怒り 2.不満 3.嫉妬)を調べるのだそうだ。
幸せの定義については、古今東西の多くの識者が議論を重ねてきた。
それにしても、まだその概念が定まっているわけではない。一体、何が幸せなのか、いくつかの曲で聴いてみよう。
○自分を支えてくれる人がそばにいること
大津美子/ここに幸あり(1956年)
五木ひろし/倖せさがして(1980年)
○願いごとをして叶うか、それとも最初から願いごとなんかしないこと
小林幸子/幸せ(1997年)
夢なら醒める ああいつかは醒める 見なけりゃよかったのにと言われても それでも夢が醒めるまでのあいだ 見てたことを幸せと呼びたい
あなたの町が 窓の向こうで星のように遠ざかる電車で思います 幸せになる 道には二つある 一つめは願いごとうまく叶うこと 幸せになる道には二つある もう一つは願いなんか捨ててしまうこと
せんないね せんないねどちらもぜいたくね せんないね せんないね これからどうしよう 幸せになりたいね
○理屈はいらない、自分が幸せと感じたときが幸せなとき
佐良直美/いいじゃないの幸せならば(1969年)
あのときあなたとくちづけをして あのときあの子と別れた私 つめたい女だと人は言うけれど いいじゃないの幸せならば
あの晩あの子の顔も忘れて あの晩あなたに抱かれた私 わるい女だと人は言うけれど いいじゃないの今が良けりゃ
あの朝あなたは煙草をくわえ あの朝ひとりで夢みた私 浮気な女だと人は言うけれど いいじゃないの楽しければ
あの晩あの子の顔も忘れて あの晩あなたに抱かれた私 わるい女だと人は言うけれど いいじゃないの今が良けりゃ
あの朝あなたは煙草をくわえ あの朝ひとりで夢みた私 浮気な女だと人は言うけれど いいじゃないの楽しければ
ファレル・ウィリアムス/ハッピー(2013年)
<邦訳>
今から言おうとすることはおかしく聞こえるかもしれないけど、太陽がすぐそばにあるんだし、少し休もうよ。空へ舞い上がる熱気球のような気分。空の上では何もかも気にしない。
だって幸せなんだから。部屋に天井がないような気がしてきたら手を叩こう。だって幸せなんだから。本物の幸せを感じられたら手を叩こう。
だって幸せなんだから。自分にとっての幸せが何かわかったら手を叩こう。だって幸せなんだから。自分のしたいことが見つかったら手を叩こう。
そのうち、著者の坂本氏は、本社は東京都大田区南雪谷で、川崎市高津区久地と、北海道美唄市に工場がある、チョークの製造会社、日本理化学工業を、日本でいちばん大切にしたい会社だと話している。
現在、川崎工場で47名中33名、美唄工場で28名中22名の知的障害者が働いている。
「人間の究極の幸せは、1つは愛されること、2つ目はほめられること、3つ目は人の役に立つこと、4つ目は人に必要とされること」であり、「そのうち、後三つの幸福は、働くことによって得られるのです」
と禅寺のお坊さんから教えられたことで、彼は「人間にとって“生きる”とは、必要とされて働き、それによって自分で稼いで自立することなんだ」「それなら、そういう場を提供することこそ、会社にできることなのではないか。企業の存在価値であり社会的使命なのではないか」ということに気づいたのだそうだ。
と禅寺のお坊さんから教えられたことで、彼は「人間にとって“生きる”とは、必要とされて働き、それによって自分で稼いで自立することなんだ」「それなら、そういう場を提供することこそ、会社にできることなのではないか。企業の存在価値であり社会的使命なのではないか」ということに気づいたのだそうだ。
奇しくも先日(9月6日)、今年のブラック大賞の表彰式が行われたが、「会社の目的は社員を幸福にすること」という理念を掲げている会社が幾つもあることに救いを感じる。
お客様や株主が第一ではない、そしてブラック企業ではない会社も日本にはあるのだ。
自分もこれが最後であろうサラリーマン人生に、この言葉を生かしていきたいと思う。
奥田美和子/人生に乾杯を!(2012年)
別れの時は近づいている 抜け殻みたいな太陽抱きしめて 見飽きたこの街で杯を交わす 勝ち組負け組 人によっては色々あるけど
つまらない区別や劣等感もごちゃまぜにとにかく歩いた月日 僕たちはそうさ トムソーヤじゃないか 無限のネオンに漕ぎだしていく
ああ いつの間に流れて行く毎日が雲のように 風のように鳥のように飛んでいく
あなたに乾杯しよう乾杯しよう乾杯しよう 戸惑いを飲み干して またひとつ酔えばいい 別れの悲しみを寂しさを切なさを背負うたびに人は皆人生に慣れて行く
幸福を実感できるのは、あなたが不遇な体験をするからです。不遇な体験をしなければ、幸福とはどういうものかがわからないのです。(ジョセフ・マーフィー)
Wikipedia参照